試乗～パジェロクリーンディーゼル

以前から気になっていた、パジェロのクリーンディーゼルに試乗してきました。

まずその外観ですが、これはクリーンディーゼル以前のパジェロとほとんど変わっていないようです。しかし、外観を眺めながら気づいたのが、アイドリング時の車外騒音がかなり低くなっていたことです。

クリーンディーゼル化される前のパジェロにも試乗したことがありますが、その時には、かつての愛車スペースギアを思い出させるような、一昔前のディーゼルエンジンと似たような音を出していました。ところが、クリーンディーゼルのパジェロでは、明らかに音が違います。コロコロと軽く回っているような、いかにも現代的なコモンレール式ディーゼルエンジンの音になっています。もちろん、走り出してもその印象は変わりません。カラカラという柔らかい音で、耳障りなところが全くありません。

そしてなんといっても素晴らしいのは、そのトルク感。スタートからアクセルを軽く踏んでやるだけで、相当に重たいはずのボディを軽々と前に出していくのはさすがです。

試乗中、ちょっと勾配のある上り坂にさしかかりました。デリカだと、アクセルを半分ほどまで踏み込んでグーンと回転を上げてやらなければ失速してしまうような、そんな感じの坂道です。パジェロディーゼルではそんな坂でも、ほんのわずかに足の指先に力を加える程度で事足りてしまいます。

デリカでよくあるのが、「あっ、少しパワーが欲しいな→アクセルを深く踏む→CVTのギア比が変わってエンジン回転が上昇→ようやく加速」という場面。アクセルを踏んでから実際に加速するまで、ちょっとタイムラグが発生します。一方パジェロディーゼルの場合は同様の場面でも、「あっ、少しパワーが欲しいな→アクセルを少し開ける→即座にトルクがモリッと発生→シフトダウンなしにスルスルと加速」というイメージなので、モタつきなく思い通りに走ってくれます。そんな、アクセルの踏み具合に対して忠実に加減速してくれるのも、パジェロディーゼルの好印象な部分といえるでしょう。

というように、エンジンに関しては満足度はかなり高くなっています。欧州ディーゼル車に比べるとまだまだ見劣りする部分もありますが、車両価格を考えれば十分満足できる仕上がりだと感じました。

ただ、総合的に見てクルマ全体のパッケージングとしては、私はデリカのほうに魅力を感じるので、あえてデリカから乗り換える必要はないなと思ったのも事実。


でもディーゼルエンジンがデリカに載ったとしたら・・・、


たぶん無理すると思います(笑)。


(デリカにコモンレールディーゼルターボの2.5リットル200ps/45kgm、トルコン式6速AT、Gプレで400万円以下なんていうモデルが出たら、即買いなんですが・・・。)