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本日、デリカＤ：5のクリーンディーゼル車に試乗して参りました。




試乗車両はアイガーグレーメタリック/ブラックのＤパワーパッケージ。ちなみに、もし私が今D：5を買うとしたら、色はこのアイガーグレーのツートンカラーを選ぶと思います。


はやる気持ちを抑えつつ、まずはエンジン始動・・・、

・・・と思いきや、メーターパネル内のグローランプがなかなか消えてくれません。最近のクリーンディーゼル車にしてはグローに結構時間がかかるなぁと感じました。私がこれまでに乗った今時のディーゼル車は、グローにかかる時間なんてほんの1、2秒、クルマによってはグローランプが点いたのかどうかも分からないような短時間で済んでしまうことがほとんどでした。

気温が低かったせいもあると思いますが、それにしてもけっこう時間がかかります。時間にして5～6秒。まるで以前乗っていたスペースギアディーゼルみたいです。


グローランプが消え、いよいよエンジン始動。

ウン、なかなか心地良いディーゼルサウンド。スペースギアの4Ｍ40エンジンが「ガラガラガラ」という音だったとすれば、こちらは濁りが取れた「カラカラカラ」という感じの音。ガソリンＤ：5と比べれば確かに音量は大きいと思います。しかし耳障りなところはなく、ディーゼル好きな人にとっては、「ノイズ」というよりも「サウンド」と好意的に取れるものだと思います。また、走り出してもその印象は変わりません。音量はガソリンよりも大きいことは確か。でも、それが気にならない(ワタシは)。

走りの印象としては、いかにもディーゼルエンジンらしいフィーリングです。大排気量ディーゼルのようなドカンとくる出足の一発こそありませんが、2000回転過ぎあたりからのトルク感は非常に強力です。それでいて、高回転域での頭打ち感もまた明確。

日本メーカーのクリーンディーゼルエンジン車は、日産、マツダ、ホンダ（欧州向け）と試乗したことがありますが、いずれも割とガソリン車に似たフィーリングでした。明確なトルクの盛り上がり感に欠ける代わりに、回転の頭打ち感も少なく、レッドゾーン近くまできれいに吹け上がっていくものが多かったように思います。
それに対して、デリカのディーゼルはトルクの抑揚が非常に明確です。中回転域での太いトルクを感じさせながら、高回転まで回していくと明らかに苦しそうな雰囲気になってきます。良くも悪くも、ディーゼルっぽいのかな、と。

加速性能としては、ガソリン+ＣＶＴとさほど変わらないのかもしれません。が、加速していく時の力強さは明らかにディーゼルのほうが上。ガソリンはＣＶＴの恩恵でトルクのおいしいところを使いながら、まるでモーターのようにスルスルッと加速させていくのに対し、ディーゼルはグッとクルマを押し出すかのような力感を伴って加速していく感じです。

クリーンディーゼル化に伴い、ミッションがＣＶＴからトルコン式の6ＡＴになったのも大きな変更点です。

この点でまず感じたのは、6ATであるにもかかわらず、意外とトップの6速に入らないなぁということ。街中での試乗でしたので、60km/h程度までしか出せませんでしたが、そのぐらいの速度では5速までしか入りません。

それでいてエンジンの回転数は、普通に走っていても2000回転以上まで上がってからシフトアップするような場面が多かったように思います。ガソリンCVTのデリカだと、街中を普通に走っている時は1500～2000回転ぐらいを使っていることが多いので、ガソリン車からの乗り換えだと少し違和感を覚えるかもしれません。

そして「トルコンATとディーゼルの組み合わせはやっぱりいいなぁ!」と強く思ったのは、試乗が終わってディーラーの駐車場に入れる時のこと。そこの駐車場は自走式立体パーキングだったのですが、アプローチが急坂であるにもかかわらず、幅が狭くて途中で左右に曲がっているという厄介な構造でした。そんな場所ですから、歩くよりもゆっくりな速度で慎重にハンドルを切っていかなければならないわけです。しかしトルコン+ディーゼルのデリカは、高負荷+超低速を余儀なくされるこんな場面でも、微妙なアクセル操作で自在にコントロールできるところがとても気に入りました。ガソリン+CVTだとどうしてもこういう所ではギクシャクしやすくなってしまいます。

そういえば、スペースギアのディーゼルもこういうところはお手の物でしたね。