ＴＡＮのブログ一覧

先日、デリカを定期点検に出した際に、ついでに破損していたコーナーポールを新品に付け替えることにしました。簡単に付け替えできるのだろうと思っていたのですが、実際にはバンパーの取り外しなどが必要となるため、1日では作業が終わらず、ディーラーにクルマを預けることになりました。




そこで代車として借りてきたのが、この現行型ミラージュです。

現行型ミラージュのスリーサイズ（全長×全幅×全高）は、3710×1665×1490（mm)。我が家のポロが3995×1685×1475（ｍｍ）ですから、ポロよりも少し小さいかなという感じです。






外観の全体的なデザインは、オーソドックスながらちょっとスポーティなイメージで、老若男女誰が乗ってもそれなりに似合うものだと思います。しかし、質感は高くなく、なんだかちょっと安っぽさが際立ってしまっているように感じられました。

その最大の原因は、標準のタイヤ/ホイール。

165/65Ｒ14というサイズなのですが、これがあまりにも見た目に貧相なのです。なまじボディがスポーティなデザインなだけに、かえって足元の貧弱さが際立ってしまっているように思いました。おそらく、タイヤをもう少し立派なものに履き替えてやれば、それだけでもだいぶ格好良く見えるようになると思います。

とはいえ、同クラスのトヨタ・パッソあたりも同じようなサイズのタイヤを履いていますから、クラス標準といえなくもないですが。






よりスポーティな印象を受けるのは、フロントよりもリア側からの眺めでしょう。わりあい低めに抑えられた全高、ルーフスポイラーなどから、かつての｢ミラージュ・スイフト」あたりを思い起こさせます。（個人的には、コルトのターボエンジンを載せた、「ミラージュ・サイボーグ」の復活を期待したいところですが・・・）





室内はこのクラスとしては、可もなく不可もなくといったところ。

ただ、ミラージュに限らずデリカでもそうですが、今の三菱はどうしてこうもインパネ周りが露骨に「プラスチックでござい」といった趣なのでしょうか。最近のヨーロッパのコンパクトカーをなど見ると、素材は同じプラスチックなのに、デザインやプラスチックの種類を部分的にうまく使い分けたりして、かなり質感を高めています。日本車もコストダウンばかりに心血を注いでいると、それこそ「値段だけが取りえ」なクルマばかりになってしまわないかと心配になってしまいます（もちろん、そうではないクルマやメーカーもあると信じていますが）。

さて、早速エンジンをスタートさせてみます。

プルルン！

エンジンの音は明らかな3気筒サウンド。悪く言えば、昔の軽自動車みたいな安っぽい音です。今のデキの良い軽自動車は、3気筒でも振動や音質の面で、もはや小型車に近いようなモデルもあるなか、ミラージュは「小型車でありながら軽自動車っぽい」という印象です。

それは走り始めてからも変わりません。車重が800キロ台後半と、それこそ軽自動車なみの重さしかないせいか、スタートダッシュや中間加速などはなかなかどうして、きびきびとよく走ります。ただ、加速の最中はかなり賑やかな「軽自動車サウンド」が、エンジンからよく聞こえてきます。

乗り味もやはり「軽量なクルマ」といった印象です。運動性は悪くはないと思うのですが、手ごたえの薄い電動パワステはクルマの状況をいまひとつ把握しにくく、また、アクセルによる荷重変化を利用した姿勢コントロールも、しやすいとは言いがたい部類に入ります。なので、コーナーのアプローチでは探り探りステアリングを切っていって、コーナリング中の細かいライン修正はハンドルを切ったり戻したりすることでしか対応せざるを得ない、という走り方になってしまいます。

ウチのポロと比べるのもなんですが、大きく違うのは、やっぱりこの点だと思います。
まず、ポロはコーナーに対して自信を持ってステアリングを一発で切り込めます。そして必要なだけステアリングを切ったら、あとは舵角一定のままアクセルの細かな操作で微妙な荷重変化を起こして、狙ったラインをトレースしていくことができるのです。そんな走り方を自然とできるのがいわゆる「良いハンドリング」なのだと思います。

ですので、ミラージュのハンドリングは端的にいって、及第点は与えられないと感じました。






良いところ、その1。

ラゲッジスペースはボディの大きさに対してかなり広いと思います。特に、深さが十分に取られているので、かさばるようなもの、高さのあるものも収納できそうです。ここまで深さがあるなら、板を敷いて2段にできるようにしたらさらに使い勝手がよくなるのではないでしょうか？






良いところ、その2.

大きくて見やすいミラー。

「デザイン的に垢抜けない」という評価も目にしましたが、私はこのミラーは良いと思いました。最近のクルマのミラーは外観デザインを優先しすぎて、肝心の視認性が悪いというクルマが多くなっています（ちなみにウチのポロもそう。ミラーが小さすぎて死角が大きい）。

運転席に座って何気なくサイドミラーに目をやった瞬間、「デカっ！！」と思いビックリもしましたが、乗っていると、本当に死角も少なく、また車庫入れの際なども非常に重宝します。

こういうところは以前の「まじめ・まじめ・まじめ」という三菱のキャッチコピーにふさわしい部分ですね。垢抜けないクルマ、いいじゃないですか。見た目ももちろん大事ですが、見た目ばっかり気を遣って、肝心の中身がどうしようもないよりはよっぽどいいと思いますけどね。

クルマもヒトも同じですよ。