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奈良俣ダム横にある売店でダムカードを貰ってから、次の目的地へと向かいます。次は本日のメインとも考えている、丸沼ダムです。写真のダムがそれなのですが、これを見ただけではただの小規模なダムです。一体どのあたりが注目なのかと言いますと…。




堤体下流側に回ってきました。こちらから見るとこのダムの特徴が一目瞭然です。この丸沼ダムは「バットレス」という形式のダムで、水圧を受けるコンクリートの止水壁を格子状に組まれた鉄筋コンクリートの扶壁(バットレス)で支えるという構造になっています。このバットレスダムは日本国内で8基しか作られず、現存するものは6基しかありません。丸沼ダムはバットレスダムの中でも最大の規模であり、さらに建造当時の姿を色濃く残していることなどから、貴重な土木遺産として国の重要文化財に指定されています。




丸沼ダムで本日のダム巡りは終了とする予定でしたが、帰りの道中、少し寄り道をするともう一つ中規模なダムがあることが分かり、そちらにも行ってみることにしました。それが写真の薗原ダムです。




前知識なしに訪れた薗原ダムですが、何といってもまず目につくのが、写真のガントリークレーン。これを備えているダムは国内でも珍しく、予備ゲートの開閉に使用されているそうです。

矢木沢ダムを後にし、次は奈良俣ダムへと向かいます。来た道を引き返し、奥利根ゆけむり街道をさらに北上すると、ほどなく、奈良俣ダムが姿を現しました。このダムは「ロックフィル」と呼ばれる形式を持ち、同形式のダムとしては日本で3番目の提体高となる158メートルの高さを誇ります。



奈良俣ダム堤体上から。ダム湖はひらがな表記の「ならまた湖」。



堤体の下流側を見るとこんな感じです。まるで石垣のような斜面が延々と下まで続いています。日本でも3番目という高さのロックフィルダムというだけあって、圧倒的な質量感です。



奈良俣ダムの洪水吐きです。ロックフィルダムといっても、下流側の導水路も含めこの部分はさすがにコンクリート製です。

藤原ダムを後にして、奥利根ゆけむり街道をさらに奥へとクルマを走らせます。次に向かうのは首都圏の水がめとして有名な矢木沢ダムです。





写真の分岐路で奥利根ゆけむり街道を外れ、矢木沢ダム方面へとむかいます。 さすがに大きなダムだけあって観光名所ともなっているのでしょう、親切にも分岐地点には案内標識がちゃんと掲示されていました。




矢木沢ダムは利根川水系最奥の山中にあるのですが、そこに至る道は、山深い場所とは思えないほどよく整備されていて、いくつものトンネルや橋で結ばれています。




道に沿ってどんどん進んで行くと、見えてくるのがこの大きなコンクリートの門。初めて見ると「なんだこれは!?」と思いますが、れっきとした矢木沢ダムの施設の一部です。これは非常用洪水吐と呼ばれる施設の末端部で、ダム湖の水量が増えた際に余剰な水を放水するために設けられています。ダム湖から流されてきた水が最後はこの門の上部からスキージャンプのように下流の川へと放水されるのですが、その様は相当に迫力があるとか。しかしここから放水されることはめったにないそうです。





矢木沢ダム到着です。ここでメインとなるのはアーチ式の美しい提体ですが、洪水吐きに重力式コンクリート、脇ダムにロックフィル式と複数の形式を一度に見ることができる珍しいダムです。ダム提体直下には矢木沢発電所の建物が見えます。ここは、矢木沢ダムのある奥利根湖を上池、下流の須田貝ダムによって作られた洞元湖を下池として揚水発電を行っています。

10月初旬の土曜日、家族は広島に出かけてしまい私ひとり。そこで私もどこかに出かけようと思い、地図を広げます。さて、どこに行こうか??

地図を眺めていると、群馬と栃木を結ぶ「金精道路」の文字が目に入りました。金精道路といえば有名な観光ルートですが、そういえば私は、いまだかつて行ったことがありません。

ということで、今回は金精道路周辺をツーリングしてみることにしました。このあたりの見所を考えてみると、色々と有名な観光スポットがありますが、私が目をつけたのが「ダム」。金精道路沿いには、日本で6基しか現存していないという珍しい「バットレス式」という形式を持つ丸沼ダムがあります。また、群馬県北部には利根川水系上流部の矢木沢ダムや奈良俣ダムといった大規模ダムもあり、今回はこれらを見学して回ることにしました。




早朝、まだ交通量の少ない関越道を北上、水上インターを下り、奥利根ゆけむり街道を進みます。まず向かったのは藤原ダムです。



日の出前のこの時間、さすがに誰もいないかと思いましたが、観光客と思われるクルマやバイクが何台もダム天端の県道を走り抜けていきました。この藤原ダムは、利根川水系8ダム(首都圏に上水道を供給する多目的ダム群)のうち、最も古くに作られたダムです。大きさや形式では特に珍しいところはありませんが、そんな歴史的な背景を知るとまた違った見方ができるのではないでしょうか。




来た道を少し戻って、ダム提体下に回ってきました。やはり下から見上げるほうが迫力がありますね。