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2017年04月25日 イイね!

呉の漁港に残る「謎の建造物」を見に行く

呉の漁港に残る「謎の建造物」を見に行く 広島ドライブ第2弾、とびしま街道を離れて次に訪れたのは、呉市・安浦漁港です。ここに「あるもの」を見に、わざわざやってきました。その「あるもの」が次の写真です。


 




 長年ずっとこの目で見てみたいと恋焦がれていたのが、コレです。

 えっ、ただの防波堤じゃないかって!? 実はこれ、ただの防波堤ではないのです。ちょっと写真をズームしてみましょう。


 



 何かのカタチに見えませんか?
 勘のよい方ならお気づきかもしれません。

  なんとこれ、実は「船!なんです!!!

 
 それでも、信じられない、防波堤にしか見えないというあなた、それも無理はありません。なにしろこの船、防波堤と全く同じ素材でできているのですから。

 そう、この船は世にも珍しい「コンクリート製の船」なのです!! 

 
 

 安浦漁港の対岸から、「防波堤にしか見えない船」のある側へと回ってきました。どうでしょうか、この角度から見れば、誰もが見まごうことなき「船」であることは明らかでしょう。

  広島旅行初日、とびしま海道の次に訪れたのが、この「コンクリート船・武智丸」の見学です。

  しかし、こうして写真を見てもまだ、「コンクリート? ??」と疑問に思う方も多いでしょう。通常、船といえば木製や金属製、小型のものであればグラスファイバー製などが思い浮かぶと思います。コンクリートでできた船など、ちょっと想像もつかないのではないでしょうか。

 ところが、世の中にはコンクリート製の船というものがあるのです(正確には、あった、というべきでしょうか)。ヨーロッパでは19世紀の中ごろに鋼材船の代わりとして、かなり大型のコンクリート船舶も製造されていたようです。特に第一次・第二次大戦時には、船舶の建造資材となる鉄鋼が不足した際の代用材として、コンクリートが用いられることがしばしばありました。


 今回訪れた、広島県呉市安浦町に残るコンクリート船「武智丸」も、戦時中の極端な物資(鋼鉄)不足がもとで誕生することとなりました。750馬力のディーゼルエンジンを搭載した武智丸は同型船が4隻作られ、実際に貨物船として瀬戸内海周辺や、時には南方にも航海をしていたということです。

  そんなコンクリート船・武智丸が、広島県呉市に現存しているということを何かで知り、いつか見てみたいとかねてより思っていました。そして今回、広島への家族旅行という好機を得て、はるばる、ここ安浦漁港へとやってきたというわけです。

 


 船には基本的に「立ち入り禁止」です。仕方ないなと思いながら、回りで写真を撮影していると、地元の方(漁師さん?)に「中に入ってもいいよ。ただ、穴が開いているから気をつけてな」との言葉をいただき、船の内部まで見学させていただくことができました。

  「立ち入り禁止」の看板が掲げられているフェンスの扉を開けると、そこはもう「船の上」です。この時は潮位が高かったのか、船体の半分くらいまでが海水に浸かっていました。

 





 振り返って見たところ。通路のように柵が設けられた一番奥に扉があり、私はそこから入ってきました。

 写真奥が船首側になりますが、水没している様子がよく分かります。


 



 ここ安浦漁港では、2隻の武智丸が防波堤として余生を過ごしていますが、船はそれぞれ、船尾側を向かい合わせにして設置されています。写真はまさにその船尾部分。なお、右側の通路は、この先の灯台に行くために後付けされたもので、武智丸の元来の設備ではありません。

  



 武智丸の甲板に上がってみました。輸送船として使われていたということで、中央には大きな船倉が設けられています。かつてはここに石炭や製鋼原料、雑貨などを積んで航行していたのでしょうが、今では、海水で満たされています。

 





 船尾側に設けられた船室。あるいは機関室か。骨組みだけとなってしまっていますが、潮風にさらされて風化が進んでいるとはいえ、頑丈そうな柱や梁は戦後70年を経たいまなお健在です。

 




 船首側にもなにやら船室のようなものが設けられています。中を覗いてみると・・・。

 




 こちらはかなり狭い空間になっています。中には何かの資材のようなものが置かれていました。さすがに戦時中のものではなく、漁師さんの漁具か何かだと思います。また、心無い落書きが目立っていたのはちょっと興ざめです。



 




 船首に立って船の後方を振り返って撮影。甲板にはふたつの大きな穴(船倉)が開いています。まさに「輸送船」であることがよく分かると思います。



 



 船首部分は鋼板による補強がされていました。かつては、迫る荒波をこの船首で切り裂いて進んでいたのでしょうか。

 この日の穏やかな海面のせいもあったのでしょう、今では静かな眠りについているようにも見えました。

Posted at 2017/04/25 13:56:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 旅行・お出かけ | 日記

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