マツダ CX-60 PHEV

ユーザー評価: 4.34

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約10万km走行のCX-60 PHEVに試乗 ― 酷評された乗り心地は本当に悪いのか? - CX-60 PHEV

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約10万km走行のCX-60 PHEVに試乗 ― 酷評された乗り心地は本当に悪いのか?

  • TAN

  • マツダ / CX-60 PHEV
    PHEV Sパッケージ_4WD(AT_2.5) (2022年)
    • レビュー日:2026年3月14日
    • 乗車人数:1人
    • 使用目的:その他

おすすめ度: 4

満足している点
 まず何といっても印象的なのが、PHEVならではの力強い加速です。
 188psを発揮する2.5ℓ直列4気筒エンジンに、175psのモーターを組み合わせたシステムは、合計323psという強力なパワーを生み出します。車重は2トンを超えるヘビー級のSUVですが、アクセルを大きく踏み込むと、その重さをまったく感じさせない怒涛の加速を見せてくれます。体感的には、ちょっとしたスポーツカーに迫るほどの勢いです。
 それでいて、WLTCモード燃費は14.3km/L。これだけの巨体とパワーを持ちながら、この燃費を実現しているのは見事だと思います。

 エクステリアとインテリアのデザインの良さも、このクルマの大きな魅力でしょう。
現在の国産車の中でも、CX-60はデザインの完成度がかなり高い一台だと思います。かつてのマツダ車は「クルマ自体は良いのだけれど、見た目が少し垢抜けない」という印象を持たれることもありました。しかし今のマツダ車は、中身の良さはそのままに、プレミアムカーに匹敵するほど洗練されたルックスを手に入れています。CX-60は、その象徴とも言える存在でしょう。

 また、大柄なボディを採用しているおかげで、室内空間にも余裕があります。
 ラゲッジルームも広く、荷物をたくさん積めるのはもちろん、車内で横になることも可能。車中泊を視野に入れることができる実用性の高さも、このクルマの魅力だと思います。

 そして意外だったのが、その取り回しの良さです。
 ボディサイズだけを見ると、街中では少し扱いにくいのではないかと思ってしまいますが、実際に運転してみるとステアリングの切れ角が大きく、想像以上に小回りが利きます。
「これは一度切り返さないと曲がれないかな」と思うような場面でも、そこからさらに半回転ほどステアリングを切ることができ、そのまま回りきれてしまうことも少なくありません。ボディサイズから想像するよりも、明らかに小さな回転半径で曲がれるクルマだと感じました
不満な点
 一方で、不満に感じた点もいくつかありました。

 まず気になったのが、各部のスイッチやレバー類の節度のない操作感です。
 ボディやシャシーの剛性感は非常に高く、クルマ全体としての質感はかなり高いレベルにあるのですが、その分こうした細かい部分の質感の低さが目立ってしまう印象があります。特にシフトレバーの操作感は手ごたえが希薄で、まるで安価なプラスチック部品を動かしているかのような感触。正直なところ、プレミアムSUVを名乗るクルマとしては少し残念に感じました。

 ドアの開閉時の感触や音も、もう少し重厚感が欲しいところです。
 開け閉めしたときの手ごたえはやや軽く、特に閉める際には薄い鉄板がビビるような音が聞こえていました。感覚的には、コンパクトカーのドアを閉めているような印象に近く、このあたりもプレミアム感という意味ではもう一歩といったところでしょう。

 そしてもうひとつ気になったのが、ステアリングフィールです。
 直進時の安定感は非常に高く、どっしりと落ち着いた印象なのですが、そこからステアリングを切り込んでいくと、電動パワーステアリングのアシストが急に強く効き始め、手ごたえの質が変化してしまいます。さらに戻すときには、わずかに「カクッ」と動き出すような感触があり、この点もステアリングフィールの自然さを少し損ねているように感じました。
 マツダ車は国産車の中でもステアリングフィールの良さに定評のあるモデルが多いだけに、ここはやや惜しいポイントだと思います(もしかすると、かなりの走行距離を走ったこの個体特有の現象だったのかもしれませんが)。

 また、人によっては駆動用モーターの作動音がやや大きく感じられるかもしれません。静かなEV走行を期待していると、この音が少し耳につくと感じる方もいるのではないでしょうか。
総評
 CX-60は、マツダが新世代ラージ商品群として世に送り出した意欲作です。FRレイアウトを採用し、直列6気筒エンジンやPHEVなど多彩なパワートレインを用意するなど、これまでの国産SUVとは一線を画す思想で作られたクルマと言えるでしょう。

 今回試乗したPHEVモデルは、そのコンセプトを非常に分かりやすく体現した一台でした。2トンを超える車体を軽々と加速させるパワフルな動力性能と、それをしっかり受け止めるシャシーの完成度は見事で、単なる実用SUVではなく「走る楽しさ」をしっかりと感じさせてくれます。デザイン面でも、内外装ともに国産車の中ではかなり高いレベルにあり、所有する満足感も十分に得られるでしょう。

 一方で、スイッチ類の操作感やドアの開閉時の質感など、細かな部分ではプレミアムカーとしてはやや物足りなさを感じる場面もありました。クルマの基本性能が高いだけに、こうした部分の仕上がりがもう一歩進めば、さらに完成度の高いモデルになるのではないかと思います。

 とはいえ、走りの質の高さやデザインの魅力を考えれば、CX-60は国産SUVの中でもかなり個性的で魅力的な存在です。電動化の流れが進む中で、エコ性能だけでなく、パワフルな走りやドライビングの楽しさを両立させている点も、このクルマならではの価値と言えるでしょう。

 プレミアムSUVを目指したマツダの挑戦は、まだ発展途上の部分もあるものの、その方向性は非常に興味深いものです。CX-60は、そんなマツダの野心とポテンシャルを感じさせてくれる一台でした。
デザイン
5

 デザインの良さは、CX-60に限らず最近のマツダ車全体に共通する魅力と言えるでしょう。CX-60も例外ではなく、国産車とは思えないほど流麗で洗練されたエクステリアを持っています。


 フロントフェイスで特徴的なのがヘッドライトです。ロービームとハイビームを上下2段に配置することで、従来の鋭く切れ上がったヘッドライトを採用する「マツダ顔」とはまた違った、新しい表情を作り出しています。これまでのマツダ車のイメージを引き継ぎながらも、より上級モデルらしい落ち着きと存在感を感じさせるデザインになっていると思います。



 一方、インテリアについてですが、今回の試乗車はカーシェアリングの車両ということもあり、PHEVの中ではもっともベーシックなグレードでした。そのため内装は黒を基調とした比較的シンプルな仕立てで、華やかさよりも質実剛健といった印象です。

 とはいえ、スイッチ類にはメッキの加飾が施されており、細部の仕上げもしっかりしています。派手さはないものの、安っぽさとは無縁の、落ち着いた上質感を感じさせるインテリアだと思いました。
走行性能
5
 PHEVが生み出すパワー感は、とにかく「パワフル」の一言に尽きます。
 大柄なSUVボディに加え、重い駆動用バッテリーを搭載することで車重は2トンを軽く超えますが、CX-60はそれをまったく意に介さない強烈な加速性能を見せてくれます。

 モーターのみで走行するEVモードでも、街中の流れに乗るには十分以上の加速力があり、日常域で不満を感じることはまずありません。そしてエンジンが加わるハイブリッドモードでアクセルを全開にすると、その印象は一変します。
 大げさではなく、一瞬シートバックに身体が押し付けられるような加速Gを感じるほどの力強さです。
 このとき、エンジンの野太いサウンドに加えて、まるでスーパーチャージャーのような「ミャーンッ!」というモーターの高周波サウンドが重なり、ドライバーの気分を大いに高揚させてくれます。静粛性を追求した電動車とは方向性が異なりますが、運転する楽しさという意味では、むしろ貴重な存在と言えるかもしれません。

 もちろん高速道路での中間加速も鋭く、ロングツーリングでも余裕のある走りを見せてくれるでしょう。

 さらに特筆すべきは、これだけのパワーを持ちながら走りがまったく破綻しない点です。
 SUVらしく重心は高めですが、高速コーナーでも車体はしっかりと路面を捉え、安定した姿勢のまま安心してアクセルを踏み込むことができます。PHEVの強大なパワーをしっかり受け止めるシャシーに仕立てられているのです。

 つまりCX-60は、単に加速が速いだけの「直線番長」ではありません。
 ヨーロッパ市場でも高い評価を得ているマツダのシャシー技術の高さを、このクルマはしっかりと体現していると言えるでしょう。
乗り心地
4
 CX-60といえば、発売当初にリアサスペンションの突き上げの強さが話題となり、硬い乗り心地が酷評されたことでも知られています。今回の試乗車も、おそらく初期に近い個体だと思われるため、実際にはどれほどのものなのか、ある意味楽しみに(?)していました。

 しかし、その予想はいい意味で裏切られることになりました。
 というのも、実際の乗り心地は想像していたほど悪くなく、むしろピッチングの少ないフラットな乗り味で、個人的には好印象を受けたほどだったのです。

 これにはいくつか理由があるのかもしれません。
 まず、今回試乗したのがディーゼルモデルよりも車重のあるPHEVであること。また、ベーシックグレードということでエアボリュームに余裕のある18インチタイヤを装着していた点も、乗り心地の良さに寄与していた可能性があります。
 さらに、CX-60の足回りにはピロボールが採用されており、本来のしなやかさが出るまでにはある程度の走行距離が必要だという話も聞いたことがあります。今回の車両はすでに10万km近く走行していたため、新車時に指摘されていた硬さが、すっかり取れていたのかもしれません。また、ピロボールは劣化が進むとカタカタ・ゴトゴトという異音を発することがありますが、そうした異音の発生はこの車両からは認められませんでした。耐久性についてはしっかり考慮されているように思います。
積載性
3

 CX-60はFRレイアウトを採用しており、室内空間の広さよりも走りの良さを重視したパッケージングとなっています。とはいえ、全長4740mm、全幅1890mmというかなり大柄なボディサイズを持つSUVでもあり、実際の室内空間には十分な余裕があります。

 試しに車中泊を想定してリアシートを前倒しにし、実際に横になってみました。すると、斜めに寝るか足を少し曲げる形であれば、一人での車中泊には十分対応できそうなスペースがあります。

 さらにフロントシートを前方にスライドさせ、リアシート足元のスペースを埋めるようにすれば、身長177cmの私でも足を伸ばしたまま前後方向にまっすぐ寝ることができそうでした。ただし、リアシートバックは前倒し時にやや傾斜ができてしまうため、フラットな寝床にするにはマットなどで調整する工夫は必要になりそうです。

 このようにCX-60はデザインを重視したボディスタイルのSUVですが、そもそものボディサイズが大きいこともあり、実用的な積載性という点で大きな不満を感じる場面はあまりなさそうです。
燃費
4
 今回の試乗は約70kmほどの短い距離だったため、燃費についてはあくまで参考程度の数値になります。

 走行したのは、都内の混雑した幹線道路と、比較的流れの良い首都高速が中心でした。そのような条件で走行した結果、車載燃費計の表示ではハイブリッド燃費でおよそ17km/Lという数字でした(電気がなくなった時点で燃費計をリセットして計測)。なお、電気だけで走行できる距離は、45キロ程度でした。

 2トンを超える車重を持つ大型SUVであることを考えると、この数値はなかなか優秀と言えるのではないでしょうか。パワフルな走りと燃費性能を両立している点は、PHEVならではの魅力だと感じました。
価格
2
 今回試乗した車両の正確な価格は分かりませんでしたが、現行モデルのPHEV仕様は570.2万円からとなっています。CEV補助金の対象になることを考えると、この価格は意外とお買い得に感じられるかもしれません。

 ただし、CX-60のラインアップを見ていくと少し印象が変わります。
 最もベーシックなガソリンモデルは326.7万円からとなっており、PHEVとの差額は200万円以上。そう考えると、PHEVはやはり高価なグレードであるとも言えます。

 とはいえ、逆の見方をすれば、2.5ℓガソリンエンジンを搭載したこのクラスのSUVが326万円台から購入できるというのも驚きです。むしろ「この車格でこの価格は安すぎない?」と感じてしまうほどで、CX-60の価格設定はなかなか興味深いものがあります。
故障経験
試乗のため特になし

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