[ このページの概要 ]
現在、POTENZA新製品の RE-71R 185/60R14 を、僕のカプチーノ(EA21R B車両)向けにエア圧セッティング中です。
SタイヤOKの ジムカーナ近畿地区選手権 B1クラスに、ラジアルの RE-71R を投入して、「くるまを労りながらも、楽しみつつチャンスがあれば表彰台もねらう。」 とした今年の目標や如何に。
[ これまでのあらすじ ]
① 先週の美浜サーキットでは久しぶりのスポーツ走行というのもあってよくわからないうちに終わってしました。
② 1週間の通勤路での一般走行中に気がついた突き上げ感やSAT(※) の少なさから、美浜で取ったデータの見直しを実施しました。
※ self-aligning torque : 走行中にステアリングが中点に戻ろうとする力
③ 昨日の土曜日、作手サーキットにて改めてRE-71Rのエア圧セッティングを試してみました。
[ 詳細 ]
① 美浜サーキット編
新しいタイヤを試すときは高めのエア圧から始めるようにしています。
理由としてはいくつかあるのですが、ホイールとビート勘合のなじみ具合や、いきなりタイヤ構造に大きな変形を与えたくない(反面トレッドゴムには厳しいですが)のと、エア圧を下げる方向の方が作業が楽だから、といった感じです。
僕の採用している適正エア圧を見つける方法としては、走行直後にタイヤトレッド表面の温度を、内,中,外と4輪とも測って、温度の分布からタイヤの状態を考察して、適正なエア圧を見いだす方法です。
この方法では、車両ごとのアライメントや駆動方式、コースのレイアウトや路面状態によって一意にコレと言えない点もあるのですが、このタイヤトレッド表面の温度を測って考察するようになってから、僕はセッティングを少しできるようになったと記憶しています。
美浜を5本走る間に慌ただしく計測と調整を行いましたが、そのときの様子としては・・・上記の通り高い側から開始して、走行するたびに徐々にエア圧を下げていったところ、運転していてまるでしっくりこないのに、トレッドの温度分布がかなりいい状態になってしまいました。
具体的にはエア圧2.5からはじめて、2.2,2.0,1.9,1,9 と走りました。
2.5の時は、まぁ、予想通りの感触だったので、とりあえず温度を測ってから、次の走行では0.3下げました。そして、2.0で?? 1.9でも??? 温度分布が・・・ものすごくイイ! というか、こんなにも均等な温度分布のタイヤは見たことが無いです。
ステアリングを、こじってみても、アクセルをバカ踏みしてスリップ走行(ドリフトでは無くw)してみても、ゴール後のタイヤトレッド表面の温度分布は、今までの僕の経験からすると極上でした。
この良好な温度分布で、この程度のフィーリングって・・・ RE-71R に、期待しすぎたのかな? と、思ってしまうくらいでした。
まぁ、タイヤ以前にドライバーの僕のなまり具合の方ががっかりだったのはあるのですが、今シーズンどうしてモノか。。。と、へこんでも仕方が無いので、とりあえず片付けを終えてからお気に入りのコーヒーをミニバーナーとフレンチプレスで淹れて、会場に残っていた仲間とおいしく頂いて気分転換してから家路につきました。
② 街乗り編
通勤で片道10Kmちょっと走っています。
通勤路ではタイヤのパフォーマンスをフルに使ったテストはできないのですが、路面からの入力に対してタイヤやサスペンションそれに、車体がどのように応答しているかを感じ取るのには、むしろ40km/h位の速度で走った方がわかりやすいと考えています。 路面のつなぎ目などのギャップは、特に収束がわかりやすいですね。
コースではよくわからなかったのですが、やはり手感がおかしいです。
うまく表現できないのですが、得られた感触はおおよそ次の通りです。
・ フリクションの小さいエナペタル + ベアリングブッシュ ですら吸収できない突き上げ衝撃が入ってきます。
・ 継ぎ目乗り越え時の突き上げ周波数が高い気がします。
・ SATが小さく転舵時の手応えがプアーで、特にある程度以上の舵角で手応えが希薄になり、切りすぎになり易いようです。
・ 転舵時のつれ周りの反トルクも少なく、路面の感触がわかりにくいです。
落ち着いて考えると、どう見てもエア圧が高いです。
RE-71R の紹介サイトを拝見すると、タイヤの接地状態をより良くする工夫がなされているとのことでしたので、もしかしたら、エア圧も含めた荷重状態が多少悪い条件でもトレッド面を均一に路面に押しつけているということでいいのでしょうか?
それで、トレッド表面の温度分布は均一であったが、ベストなエア圧とは言えなかった。となっていたとすると・・・そういえば、想像以上に温度上昇が少ない点も気になっていましたが、外気温の低いせいかラジアルなので、と、よく考えずに決めつけていました。
トレッド表面の温度がそろった時点でOK と判断したのが間違いだった。
視野がずいぶんと狭くなっていたようです。
過去の成功体験から来る、やり方の固定化が悪い方向に働いてしまいました。
とにかく反省して、納得のいく状態にしないと今シーズンの走りもおぼつきません。
③ 作手サーキット編
通勤中にエア圧を調整して、手感が最もよくなるポイントを探っていったら・・・ドアに書いてある値になりましたw カプチーノの場合、1.6ですね。
さて、作手サーキットも久しぶりの走行で、おっかなびっくりですが、走り始めてすぐに判りました。
これは、イイ!
走っていて楽しいです。
そっとステアリングを押したときの小さな手応えを確かめつつ、ステアとブレーキで挙動を追い込んでいって、徐々にアクセルとステアでリアに荷重を移しつつ加速につなげることができます。
美浜でもトラクションの良さは感じていたのですが、今回のエア圧では、くるまを動かせる領域の懐の深さとトラクションのバランスが気持ちいいです。
サーキットを攻めるにはもう少しリアをカッチリさせた方がタイムにはつながりそうですが、ジムカーナ走行を念頭にした場合、ちょうどいい感じに動いてくれました。
帰宅後 LAP+ で横方向のGを確認すると、エア圧1.9で1.1G前後であったのに対して、エア圧1.6では1.3G前後となっていました。 これは、ラジアルとしてはかなりイイ数字では無いかと思います。
まるわらくんにも乗ってもらいましたが、ぱっと乗りでタイムもしっかり出ていましたし、感触もよかった模様です。
[ まとめ ]
POTENZA RE-71R について
・ お気に入りタイヤに登録されました。
・ トレッド表面の温度分布は均一になる傾向が強いので、温度だけを見てセッティングしてはダメ
(これまでは先入観を排除するためにデータを見てセッティングしていましたが感覚も大事)
・ 適正エア圧では手感,横グリップ,トラクション共に高レベルに期待に応えてくれる。
・ 摩耗については、RE-11 ( not RE-11S ) と比較して 早い です。
ただ、ジムカーナ用として考えるとこのくらいのペースで減らないと3年くらいもってしまい、ゴムがダメになるので気にしないことにします。
あとは僕がブリヂストン製タイヤに感じている傾向どおり、RE-11S のように摩耗してもスリップサインが出るまで本番で使えることを期待しています。
・ 185/60R14 でこの感触なら、195/50R15 にも期待してしまいます。
チャンスがあったら試してみたいですね。
[ サンクス ]
美浜サーキット 作手サーキット で、ご一緒頂いた皆さんありがとうございました。
おかげさまで心配事がぐっと減って、今シーズンも楽しく走れそうです♪