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2014年03月16日

あるぴなのつくり方 (ALPINA製造工程のお話)

あるぴなのつくり方 (ALPINA製造工程のお話) ALPINAってどんな風に作ってるの?
雑誌などでは「BMWからホワイトボディ
を調達して…」とか中途半端な書き方
をすることもあるので、勘違いしている
方も少なくなさそうです。

いつか機会があったら、独ブッフローエのALPINAを訪問して
この目で確かめてみたいですね。
BMWの工場にも行きたいなあ。まさにオトナの社会科見学!



車体組み立て

ALPINAと言えども、さすがにゼロからブッフローエで組み立てて
いるわけではなく、ベースはBMWの工場で製造されます。
ただ、徹底的に公差を排除するため、通常のアッセンブリーライン
ではなく、M GmbH社に委託してMモデルやIndividualと同じ
特需ラインで製造しているそうです。

つまり、M GmbHとALPINAは競合しつつも友好的な関係
築いているというわけです。
(M GmbHにとってALPINAは競合でもあり、お客様でもある。)
だから、こんな風にM3/M4の生産ラインにALPINAが映り込んで
しまったり、この記事や、この記事のように独ニュルブルクリンク
でM GmbHの施設を拠点にALPINAが車両開発している光景が
捉えられたりするんですね。


ALPINA専用ボディカラー

有名な「ALPINAブルー」や「ALPINAグリーン」も製造工程上は
M GmbHが手がける「Individualカラー」のひとつです。

例えば日本未導入のALPINA XD3では
実はALPINAブルーやALPINAグリ-ンを
選ぶことができません。
これはX3の工場が「Individualカラー」の
塗装工程に対応していないため、という
すごく単純な理由だったりします。

※ 一部の雑誌等で2013年のジュネーブショーでプレミアされた
 XD3のボディカラーを「ALPINAブルー」と誤って報じていますが、
 あれは「ミッドナイト・ブルー」なので、お間違いなきよう。

逆に、Individualプログラムで注文すれば他のBMWのモデルでも
ALPINAブルーとかALPINAグリーンに塗ってくれそうなものですが、
さすがにALPINA専用なので、いくらお金を積んでも不可能です。
(以前、BMW AGの某上級役員の奥様がALPINAブルーを所望された
そうですが、当然断られたというエピソードが残っています。)


エンジン/トランスミッション

AMGやフェラーリのように「ワンマン・ワンエンジン」を殊更にアピール
することはないものの、ALPINAのエンジンも熟練工が一人一機
ずつ責任をもって手組み
しています。
ベースはBMW製エンジンなので、広義には「チューニング」になる
のかも知れませんが、ピストンのバランス取りやポート研磨といった
定番の加工だけでなく、エンジンによってはマーレ製のピストンや
ギャレット製ターボ、鍛造クランクシャフトなど専用開発の部品も
多く組み込まれています。

こうしてブッフローエで組み立てられた
エンジンはBMWの工場へ運ばれて、
同じく専用設計された補機類と共に
M GmbHの専用アセンブリーラインで
ボディに組み込まれます。

BMWの工場ではエンジンだけではなく、トランスミッションを含めた
ドライブトレーンやマフラー等の大型部品も装着します。
ちなみにALPINA B3/B4のトランスミッションは、その大きなトルク
に対応するため、5/6シリーズや7シリーズに使われている8速AT
(ZF製 8HP70)をベースに改良を加えたものです。
また、マフラーはアフターマーケットでも有名なアクラポビッチ製。

もちろんこの時点で公道を走ることができる状態になっているので、
BMW AGとしての製造責任を示す車台番号(VIN)を刻印して
ブッフローエのALPINA社へと出荷されます。


BMWとの共用部品

もちろんALPINAには、BMWのベースモデルと同じ共用部品も
数多く使われています。

ただ、共用部品とは言えども複数の
調達先から最も品質の高い部品を
製造する会社を選ぶだけでなく、
同じロットでもより出来のよいものを
慎重に選別しているそうです。

インテリアパーツの見た目品質やスイッチ類のクリック感が違ったり、
同じダコタレザーでも違って見えるのはそういう地道な努力の賜物
なのかも知れません。


足回り (ALPINAマジック)

ときに「ALPINAマジック」とも称される定評の足回りはブッフローエ
で仕上げられます。
最近は足回りでも共用部品が増えていますが、専用のブッシュや
スタビライザーに換装した上で、手作業による締め付けトルクや
アライメントの適正化を施します。
もちろん、ここでも徹底的にフリクションを排除するために研磨を
加えたり、ALPINA基準に満たさない箇所を発見した場合には
部品を交換して丸ごと組み直すこともあるみたいですね。


インテリア

ブッフローエの工房ではレザーシートを一部ほどいて独自の装飾を
施したり、スイッチトロニックの付いた専用の「LAVALINAレザー
ステアリング」に交換したり、といった作業もあります。
オプションの「LAVALINAレザーインテリア」を注文した場合には
特に重要な工程です。

ちなみに現在ブッフローエの工房で、
レザーの縫製作業に従事する社員
たった三人しかいないそうです。
経験豊富なベテランでないと品質を
維持できないというのが理由らしい。

でも、それがボトルネックとなってさらに納期が長くなっているのも
また事実だったりします。

ちなみに、かなり細かい部分ですが、例えばALPINA B3/B4の
場合、エアコン/オーディオパネルにも加工が施されます。
ベースフレームをマットブラックに変えて、スイッチユニットの外枠を
パールシルバーからピアノブラックに塗り替えるなど、仕様書にも
「ALPINA社での作業」と明記されています。


そこまでやらなくても…というか、ぶっちゃけ「意味不明」ですけどねw
まあ、シリアルナンバーが刻印されたプラーク(プレート)のすぐ上で
目に付く場所ですし、ちょっとしたアピールなのでしょう。


専用スポイラー/デコライン

ブッフローエにおける最終仕上げが前後スポイラーやデコライン、
エンブレムといったエクステリアパーツの装着です。
ちなみに、向こうではデコラインやエンブレムを付けないオーナー
も多いそうです。まさに究極の「Understatement」ですね。

そして最後にBMWの車台番号を消し、
ALPINA社としての製造責任を示す
新たな車台番号(VIN)を刻印し直して
全世界に出荷されていきます。

さあ僕のB4クーペが出荷されるのは
いつになることやら…



最後に、ブッフローエでの作業風景がよく分かる動画を二つほど。



ブログ一覧 | ALPINA | 日記
Posted at 2014/03/16 19:57:26

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この記事へのコメント

2014年3月16日 20:11
ナショジオ風ですね^^
番組になればいいのになぁ・・・確かBMWはアメリカのX3だったような・・・
コメントへの返答
2014年3月16日 21:06
ナショジオはアメリカの番組ですからねえ。
アメリカじゃALPINAほとんど売られてないし…
今度6シリGCベースのB6がアメリカでも発売されるようになるし、期待できるかも?
2014年3月16日 20:34
まぢ来たら1日じっくり隅々までみせてね。
う~待ち遠しい♪
コメントへの返答
2014年3月16日 21:06
もうネタ尽きかけですよ。
あと何ヶ月も引っ張れるかなw
2014年3月16日 21:08
ALPINAが皆の憧れの存在であるべき理由がここに凝縮されているような気がします。
車両価格もベースと比べれば高価ですが、CPで考えれば寧ろバリュー価格とも思ってしまいます。
こうした行程はマニファクチュールの時計と良く似ていますね。
コメントへの返答
2014年3月16日 22:40
車としての基本的な素性は開発に手間がかかっている分だけMモデルの方が上だと思っています。
その代わり、Mモデルは台数を捌いてボリュームで開発コストを回収できますからね。どうしてもALPINAの方が割高に感じてしまうのは仕方ないでしょう。

機械式時計の例えは面白いですね。
Mモデルはムーブメントから自社開発できるマニュファクチュール、ALPINAはマニュファクチュールやETAから供給されたムーブメントを使って独自に仕立てるエタブリスールという感じでしょうか。
2014年3月16日 21:16
何だか社会科見学みたいですねw
最後の刻印の画像、ちょっと衝撃的です(汗
コメントへの返答
2014年3月16日 22:39
ALPINAの刻印は全部こんな感じですよ。
BMWの製造責任とALPINAの製造責任、その両方が一台のクルマに注がれているということですね。
2014年3月16日 23:32
製造番号って、バッテンで消したことに
してるんですね

??合ってるかな?!

納車オフが楽しみですね♪
コメントへの返答
2014年3月16日 23:40
ですね。
コーディングなんかでコンピュータにアクセスしたとき内部データではどうなってるのか気になるところです。
納車オフ…いったいいつになるんでしょうかねw
2014年3月18日 21:55
コーディングオフしか、ネタがないと仰っていましたね。
他のグループのオフとかには、興味御座いますか?
4月にお台場で、オフがあるんですよ(^^)
コメントへの返答
2014年3月18日 21:58
何オフですか?
時間が合ったら行ってみようかな。。。
2014年3月19日 8:28
以前は、私も参加しているREAL39と言うグループ名で、E39メインのオフでした。39以外や国産も、いましたけど。
最近は、箱替えの方がたくさんいて、REAL Thank youに名前が変わりました。
基本は、BMWがメインです。
参加表明や参加費、お土産交換会があるのでちょっとしたお土産持参になるんですけどね。
お台場の駐車場で、ダラダラオフですよ(笑)
コメントへの返答
2014年3月19日 14:25
REAL39でしたか。失礼しました。
去年のFamilieで僕らTBSのお隣にいらっしゃいましたね。
2014年3月20日 19:36
はじめまして

アルピナについて、勉強になりました。
以前主治医のとこに 噴射ポンプの修理でアルピナD10が入庫
ディーゼルMT 感動さえ覚えました。

>特需ライン
あとアウディRS2ワゴンってのも入庫みたことあります。
調べたら ベンツの特需ラインのようです。
聞いたら 組み付け精度などかなりなものだとかマイスター制度が生きる国ですね
ちなみに70~80年代までマイスターとしてドイツで働いてたそうです。
コメントへの返答
2014年3月21日 0:50
はじめまして!

アウディ?ベンツ?
…と思ったら↓↓↓
2014年3月20日 20:16
すいません
500Eで有名な
ポルシェの特需ラインの間違いでした
コメントへの返答
2014年3月21日 0:52
500Eのことでしたか!
後にも先にもアレのみ、という怪物でしたからね。
ポルシェならAUDIも理解できますね!

プロフィール

「自動車税の通知書が来ないけど今年は払わなくていいのかな?w」
何シテル?   05/08 12:28
2010年からBMWのカスタマイズコーディングをやっています。 当時はどこもやってなくて完全に独学。日本初でした。
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