昨日は茂木でF4の日本一決定戦に行っていました。
先日のブログ
https://minkara.carview.co.jp/userid/710376/blog/20747259/
で話したTRDそして母体のトヨタテクノクラフトの
「はやぶさプロジェクト」のデビュー戦だったんです。
ドライバーはF4で優勝経験もあり、FCJで唯一の一般枠での
優勝経験がある栗原正之くんにお願いしました。
F4と言えど、レースの世界はすぐに勝てるような甘い世界ではありません。
特に日本一決定戦という、最後の舞台では、ドライバーもチームも
いい結果を残そうと気合を入れてサーキットに来ています。
そんな厳しい舞台に、「はやぶさプロジェクト」のデビュー戦を迎えましたが、
正直、無事完走できればすごいことだなぁ~って思っていました。
というか、多くの人で造り上げたこのマシンが無事にレースを走り切って
くれればと、祈るような想いだったんですが・・・
予選は17番手という中盤のタイム。
そしてセミファイナルレースのスタート直後、1コーナーで後ろから追突されて
しまい、1周もできずリタイヤでした。
そしてこの日本一決定戦はファイナルレースまでに1時間しか
インターバルがありません。
すぐ修復に取り掛かれるように準備を進め、マシンが帰ってきて
右リヤの足回りの損傷ということが判り、パーツを揃えようと思ったら、
前日の他車のクラッシュでパーツが出払っているとのこと。
この短いインターバルでは致命的なことでした。
この日はテクノクラフトからバスでたくさんの応援団が駆けつけてくれていたので、
是が非でも間に合わせたかったのですが、パーツもない中では本当に
厳しい状況でした。
物理的にマシンを修復する可能性が断たれて、監督の寺尾さんが
諦めかけていた頃、たまたまレースの仲間が同じマシンで、リタイヤすると
いうことを聞いたのを思い出し、ダッシュでそこのピットまで走りました!
そこにはPCCJでうちのチームで走っている神取さんがいて、
色々と話をしてくださって、マシンオーナーの吉田さんに快諾していただき、
メンテナンスガレージのB-MAXさんにも快諾いただき、
そのマシンについている右リヤの足回りを
丸ごと外して移植することになりました。
そこからはあっちのピット、こっちのピットと走り回り、
とにかく時間が無かったのですが、やれるだけのことをやろうと
チーム一丸で修復作業を進めました。
その頃、レースの現場をよく知るTRDの松井さんが、
ほとんど走ることは無理だということを、応援団の皆さんに伝えていました。
長くレースをやっていればいるほど、このシチュエーションでグリッドにつける
ことが難しいことは分かったし、特にこのプロジェクトのメンバーは
ほとんどがレーシングカーを触ったことがない人、もしくは始めたばかり
の人が関わっている中でのことだったので、尚更状況は厳しい、と。
その時のみんなの気持ちはどん底だったに違いありません。
でもでも、こんな時はやはりミラクルが起きるものです。
たくさんの気持ちが詰まったこのマシンは、ピットレーンクローズの
10秒前に、修復を完了し、コースインしていき、その瞬間、
ピットには拍手が起こりました!!
もちろんアライメントも何も取れていない状況でしたが、
栗原くんもこの頑張りに応えたいという気持ちでファイナルに挑んで
いたに違いありません。
果たして、このはやぶさプロジェクトは15位で完走という結果でした。
このプロジェクトは、関わった人にレースの魅力に触れてもらい、
そしてレースからたくさんのことを学び、そして感じてもらうことが
一つの目的だったと思いますが、最初のレースでこんなにドラマチック
なことが起きるなんて、本当にミラクルです。
これぞレースの醍醐味、というような要素がたくさんありました!
レースっていうのは、ドライバーが一人でトラックにでていきますが、
送り出すまでには多くの人が支えています。
はやぶさプロジェクトのみんなもそうだし、今回は別のライバルチームの
協力で奇跡の出走ができたことも素晴らしい経験だと思います。
自分たちの力だけではできなかったことを目の当たりにした瞬間、
みんなの心に忘れられない何かが芽生えたことでしょう!!
これぞレースの醍醐味!!
僕がレースを大好きになった理由の一番が、人との繋がりをすごく
感じることができるからなんです。
「喜怒哀楽」
人間の、分かりやすい部分がオブラートに包まれていない、
そんな場所がサーキットなんです。
一人一人は感じることが違うかもしれないけど、
それぞれ何か感じたことがあったと思います。
そして今回の経験は、みんなの財産になると思います。
みんなの気持ちがこのミラクルを呼び込んだということ、
それを伝えられる環境を作ってくれたことが一番のミラクルかな、と。
とにかく嬉しい一日でした!!
このミラクルな一日に貢献できたことに感謝したいです。
そしてそれを成しとげたメカさんたちに拍手したい!!
そしてパーツを貸してくださった皆さんには感謝しきれません!!
栗原くんは大きなプレッシャーの中、すごくさわやかに頑張ってくれました!!
そしてこのプロジェクトの立ち上げから関わっている皆さんには
おめでとうって言いたいです!!
そしてこのプロジェクトに関わっている全ての皆さんに、
ありがとうって言いたいです!!
またこんなレースを一緒にやりましょう!!!