車は替わっても本革フェチ(その3)

作業時間が6時間というのには驚かれるかも知れない。自分でも初めてだし、以前だったら3時間くらいで縫い終えていた。
理由はハッキリしている。丁寧に進めたからだ。このページでは丁寧じゃないとどうなるのかと、ダメなやり方とか注意点に触れながら書いていきます。

縫製の糸は必ずしも1本でなくてもよい。3本縢りさえやれば何本繋いでいってもよいのだが、なんか一筆書きでいきたい（←バカ）。適当な長さで切りましたが、長いと糸同士なぜか絡まる。それで1穴通したら糸を最後までゆっくり引き出すようにした。
この写真でいえば手前側の端部は裏から表に通して「左側に糸を全部引き出す」、奥側の端部は裏から表に通したら「右側に糸を全部引き出す」を丁寧にやりました。

この「編むハンドルカバー」を施工したことのある人なら”あるあるネタ”ですが、なぜか絡まります。けっして輪っかをくぐしたりしていないのにね。引っ張ればほどける時もあるし、逆に固まる時もある。自然にできる輪っか同士が組み合わさって、そこを引っ張るのでからまるのでしょう。これは本革の穴をくぐる回数が多くなることにより静電気が発生し互いにくっつき合うところからもきています。
まぁ強引にではなく、やさしく。

自己流ですが、締め付けたら緩み防止にマスキングテープを貼ってます。たぶんテープを貼らなくても大きくは緩まないでしょうけど。

5,6箇所穴を通したら、目打ちで締め付けます。

今回は糸は1回しか切れませんでしたが、前回は10回くらいは切れましたね。糸の品質なのか、力のかけ方なのか、外気温や湿度のせいなのか･･･。

優しいだけの縫製男子ではダメな場合もある、目打ちで糸をたぐる寄せることができたら、残りの手で糸を引っ張ります。

左手で引っ張りつつ、右手で目打ちを操作するという感じ。引っ張りきったらマスキングテープ。

下側にコブが見えますが、穴を飛ばしてしまった時とかにこのようなコブができます。今回は飛ばしてしまったわけではなく、締め付けたら平坦になってコブは消えました。

夕食時間となりました。

ステアリングの位置としては6時くらいまで終了した。全体工程からすれば3/4は終了だ。開始から3時間半はかかってしまった。

最終整備手帳ではスポーク部の処理と全体像をお見せします。
まだ続く。