(画像は高架となった西武線と富士街道)
(グーグルマップより)
新しいカテゴリ『思ひ出日記』をつくってみた。
歳をとって思ひ出の中を生きる時間が長くなった。
若いころ、写真は嫌いだった。
ことあるごとに、写真を撮ろうとする母が煩わしかった。
家に飾っては喜び、祖父母に見せては喜んでいた。
ただの写真なのに。
頼まれ、せがまれ、仕方なく写真に写った。
だから、写真は少ない。
母は秘蔵しているかもしれないが、自分で持っている写真はほとんどない。
学生時代のキャンプやイベントの写真も買わなかった。
昔は現像代で一枚30円くらいしたのだ。
学校でも、写真は当然有料だった。
写真を買うくらいならタバコを買った。
好意で友達の親が焼き増ししてくれたのを貰うことはあっても、自分でわざわざ買わなかった。
今になってみると残念だ。
「いい写真だね」と目を細めて見ていた祖母も他界した。
仏壇の隣に飾られた写真に手をあわせて「いい写真だね」と拝む。
写真は無いけれど、脳裡には思ひ出は沢山ある。
車に関することを中心に書いていこうと思う。
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VIDEO
BGMにどうぞ♪
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二十代から三十代の前半まで、車は所有していなかったので、原付バイクを足に使っていた。
ヤマハのジョグアプリオタイプ2。
2サイクルエンジンで前がディスクブレーキ。
それなりに速かった。
50ccの原付同士では、2stのジョグに軍配があがる。
最新のイグニッションの4stレッツやライバル、ホンダのディオには負けなかったww
車を所有してから、徐々に乗らなくなって、おととしの秋に、ついにドナドナしてしまった。
(その時のブログ)
https://minkara.carview.co.jp/userid/724483/blog/23842573/
お世話になっているバイク屋でも「とてもいいバイクだから、大切に乗ってください!」とよく言われた。
2st、ディスクブレーキの原チャリは今思えば貴重だった。
出会いは偶然だった。
車もバイクもまったく無頓着で、知識がなかった。
エンジンに2ストと4ストがあることも知らなかった。
まったくこだわりがなく、ただ移動手段に原付が欲しくて中古で5万円以下で探していたら、近所のバイク屋でアプリオが8万円だった。
予算オーバーだったけれど、「とても良いバイクだから!」と勧められて何が良いのかもわからずに、そこまで勧めるなら良いのだろうと購入に踏み切った次第だ。
アプリオの良さは徐々にわかってきた。
前述した加速競争もそうだし、最新のバイクと比べても良かった。
ホンダが往年の名車(?)の名前を冠したTodayを発売したときは唖然とした。
どこまでケチったのか知らないけれど、燃料メーターが無い!
給油ランプしかつかないのだ。
あまりに不評だったのか、今のTodayには燃料メーターがあるようだ。
友人が、淡いグリーンのTodayをクイーン・エリザベス・テイラー号(だったかな?ww)と名付けて新車で登場したとき、乗らせてもらってがっかりした。
デザインはかわいかったけれど、装備も走りもがっかりだった。
しかも、すぐに不調を訴えて逝ってしまった。
私のジョグアプリオは赤道を一周する距離を走っても超元気だった。
2stの持病なのか、安いホームセンターのオイルゆえか、マフラー詰まりでマフラーの交換は一度したけれど、エンジンはいつでもビンビン♂だった。
雨の日も冬の寒い日も、よっぽど遠くない限り原付で移動した。
現場仕事なので、前の籠に、足元に、お尻に、と3か所に工具満載で時には脚立を背負って走ったww
物を積載するにはスクーターが優れている。
スクーターと言っても積載能力は足元にフラットなスペースのある、原付タイプが一番だ。
フラットな足元のスペースは本当に重宝だ。
リアの荷台に重量物を置くとつらいけれど、中心に重量物を置けば、安定はあまり損なわれない。
積載量を謳うマジェスティなんかでも、座席下の収納スペースが広いというだけで、大して重量物を運べない。
また、足元のスペースは荷台と違って縛る手間がいらないことが優れている。
固定方法は自分の両足で挟む!だ。
現場でガラ袋がなくなったとなれば、俵で200袋を買い出しに行き、燃料のガソリンや軽油がなくなったとなれば、20Lタンクで買い出しに行った。
20Lのポリタンクがポンと足元に置けて走れてしまう。
車だってひと手間だ。
小さな車じゃ荷室に入らなくて後部座席に置かなければならないし、どこに置くにしても倒れないように固定しなければならない。
給油が終わって足元にポンと置いてすぐ発進。
本当に便利だった。
移動手段としても、都内では時間的にも金額的にも最も優れていた。
電車を鉄道会社をまたいで乗り継げば、料金は倍になるし、たとえば成増から練馬へ移動するのに、電車だと一回池袋まで出なければならない。
バスという手段もあるけれど、バスはチンタラだし、本数も少ないから待ってすぐ乗るというわけにはいかない。
原付なら、ほぼ最短距離で走れるし、燃費もいいからお金もかからない。
同じ鉄道会社の距離計算の運賃よりも、原付のガソリン代の方が安い。
鉄道だと、20キロで200円以上取られるけれど、原付ならば600ccくらいの消費で済む。
ガソリンが100円くらいの時だったから、その差額は大きかった。
玄関開けてすぐに乗れて、早くて安くて荷物も積める、という若いときの現場仕事には最高の相棒だった。
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ちょっとブレイクww
ララバイつながりでコレをBGMにどうぞ♪
VIDEO
コレ、何???
Youtubeにupした人の記事によれば”A Studio Version of Tura Lura Lura (That's an Irish Lullaby), Like some
of the songs in the movie they did studio versions to change things up
in the movie , but alas this did not make the cut.”
とのこと。
いい加減にラストワルツの音源と映像を包み隠さず全部見せてくれ!!
スコセッシももう70歳を越えた。
まさか、墓まで持っていかないだろうな?
頼むぜ、俺はアンタの大ファンだからな!
ちなみに、とあるミュージシャン(日本語バリバリの外国人の人)から聞いた話。
私がラスト・ワルツのヴァン・モリソンの話をしたら、その人曰く「前日にヴァンとロビー(だったかな?)は喧嘩して、ヴァンは不貞腐れてステージに立ったんだ。だから、ヴァン・モリソンは歌い終わったらそそくさとステージを後にしたんだ。」とのこと。
本当かな?
VIDEO
初めて見たときは、あまりに激しく歌ったから、息も絶え絶えにステージ上で倒れないようにそそくさとそでに引き上げたって解釈したんだけれど、実際はどうなんだろう?
間違いなのは、このキャラバンは最高だってこと!
ブレイク終わりww
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さて、表題の話。
東京の西の外れに石神井公園という場所がある。
(外れっていったら怒られちゃうかな?ww でも、今のようになる練馬駅前、まだ野原だったころから知っているから、さらに奥の石神井はそんなイメージだ。 ごめんなさい。)
練馬区の中心は練馬駅かもしれないけれど、西武池袋線の最初に急行が止まるのが、石神井公園駅だ。
したがって、急行と各駅とが待ち合わせをするから、電車がひっきりなしに通る。
この駅の脇を通る道路に富士街道という道がある。
目白通りの谷原から、新青梅街道の田無手前までを結ぶそれなりの幹線道路だ。
今では鉄道が高架になって踏切がなくなったが、ちょっと前まで駅の横を踏切で渡らなければならなかった。
当然、朝夕には大渋滞となった。
ある日の夕方、大渋滞となった富士街道を谷原方面から田無方面へ、原付バイクで走っていた。
踏切から数百メートルのところを、左側に路肩があるのをいいことに、原付で渋滞?関係ないね!と快走していた。
スポーツクラブの出入口でのこと。
私の路肩走行に気づかなかったガードマンが車を駐車場から車道へと誘導した。
ドライバーは全く左右確認をせずに飛び出てきた。
「あっ!終わった!」
クラクションを鳴らす余裕もなくフルブレーキ。
当然、タイヤはロック。
その音にドライバーもこちらの存在に気づいた。
初老の優しそうな顔の女性だった。
お互いに目があった。
ぶつかる!
互いに悟った。
次の瞬間、私は唖然とした。
なんと、その女性ドライバーは、目を閉じたのだ。
彼女は私と目があった次の瞬間、ステアリングにしがみついて目を閉じた。
おい!
目ん玉見開いて、最後の最後まで回避しようとあがこうぜ!!
目を閉じるのは、ぶつかって吹っ飛ぶ俺が昇天するときだろ!!!
このドライバーの衝突回避放棄が逆に私の火事場の糞力を誘発した。
右側は渋滞中の車がびっしり。
路肩の幅はわずか1m程度。
ロックしたからかぶれる車体をなんとかコントロールして、こけもせずに奇跡的に止まることができた。
ディスクブレーキのお蔭かもしれない。
セーフ!
あー良かった。
それにしても頭にくるのが、目を閉じた初老のおばさんだ。
悪いのはドライバーか?
ガードマンか?
俺か?
もちろん、路肩走行は悪いさ。
だけど、ガードマンだってプロだろ!
それにガードマンがゴーサインだからって飛び出ずに自分でも確認するだろ、おばさん!!
若かかりし小生は、自分の過失を1割程度、9割は相手が悪いと思っていた。
この話を親戚の伯母(当時60歳くらいで車を運転する人)にしたら、「私もそのおばさんのようにびっくりしたら目をつぶっちゃうかも。ドライバー失格ね。」と言われた。
(心配させるのもいやだったので、我が母には話さなかった)
伯母の運転する車には幼いころはずいぶんと乗ったけれど、そんな話をされると危なかったんだなと思った。
女の人の運転は怖い。
さらに老人となるともっと怖い。
くわばらくわばら。
その程度に認識していた。
若気の至りだ。
それから何年も経った後のこと。
初老を迎えた我が母が、立て続けに二回も車で事故を起こした。
また衝突未遂の日から時が10年くらい経って自分が歳をとったこともあって、徐々に考えが変わった。
母の事故は、幸いにどちらも小さな怪我で済んだ。
母が事故を起こしたのは、母曰く「ちゃんと見たのに有り得ない方向と速度で自転車が突っ込んできた。」だそうだ。
二回とも自転車だった。
自転車は速い。
時速36キロで秒速10mだ。
2秒間で20m、3秒間で30m進む。
初老の母は若いときよりも所作がゆっくりしている。
交差点で、前後を確認して、横の巻き込みとを確認して、再び前を確認して、曲がり始める。
曲がる前に一時停止をはさむ。
教習所通りに一連の動作をこなすのに、一時停止を含めて何秒もかかる。
老人側からすると、なんとなくゆっくりとした所作の中での一時停止であり、事前のバックミラーとサイドミラーと巻き込み確認は当の昔に済ませている。
ただ、俊敏にきびきび動かせないから一時停止なのだ。
しかし、自転車側からすると、一時停止は自転車を確認しての停止と判断できてしまう。
だから、減速せずに突っ込む。
ドライバーの老人からすると、ちゃんと確認したのにありえない方向と速度で自転車が突っ込んできた、ということになる。
また、左折時の左への幅寄せは、左側を走行する2輪車への減速させる有効手段だ。
運動神経が衰えたからか、下手くそだからか、幅寄せせずに曲がったり、たまに逆に膨らんで曲がったりする車を目にするが、超危険行為だ。
(つけ加えるなら、車線を2回変更するのには、必ずウインカーを一度切って、再度つけなければならない。
点滅のリズムを変えて、もう一車線変更することを明確に意思表示すること。
このひと手間が安全のために重要だ。
また、停止する際は必ず左ウインカーだ。
いきなりハザードをつけてはならない。
原付に乗っていて、前の車がハザードを点灯させると、右ウインカーと錯覚することが多々あった。
バイクの視野は狭い。
車しか乗らないドライバーは理解できないかもしれないが、バイク乗りのために、停止するときはいきなりハザードではなく、左ウインカーを最初に数秒点けてくれ、と思う。)
母の話を聞き、母の運転を横で体感し、自分で速度の速い自転車に乗るようになって、ようやく交通ルールの本当の意味がわかり始めた。
あのとき、火事場の糞力で事故を回避できたから、気づくのが遅かったかな。
若いときは親も若いから、そんな不注意が想像もできなかった。
自分が歳を取って、自分の親が老人となって、初めて本当の意味で理解できた。
ようやく気付いた今は、いつも最悪の最悪を想定して、他人の不注意を思いやりながら車と自転車を走らせている。
(つもりだ)
初心者や老人には優しく!
女性にはもっと優しく!!
長文おつきあいいただき、ありがとうございました。
皆さん、ご安全に!
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