かなり久々の更新です、もう忘れられてたかもしれませんね(笑)。
さて今日は雨が凄い福岡です、梅雨に入り、博多の街には山笠が飾られて賑やかなもんです♪
山笠が終わると夏本番(このフレーズ、毎年書いてるような気がします(笑))、今年は暑くなったと思ったら、突然涼しくなったり訳の分からない気候なので体調を崩してる方もちらほら…。
暑さが苦手な私は早く寒くなってほしいかな…。
さて本日のネタですが、最近はミニカー付きの雑誌や缶コーヒーが多いですね。
出来が良ければ購入するのですが、出来が良いものはやはり価格がそれ相応、出来が良くて安いものってなかなか無いもんです。
という訳でそこで見かけた輩でいきたいと思います。
出所はいつものトコです<(_ _)>
フォードRS200.
さてこの名前にピンとくる方は一体どのくらいいますかね??
ジフさん、nissan rallyさん、ごりさんは当然知ってる事と思います(多分?(笑))
この車は1985年、つまり今から遡ること約30年前に存在していたラリー車です。
という訳でいきます、表紙です。
シンプル イズ ベストとはこういう表紙のことを言うんですかね、凄くあっさりした造りのカタログです。
中身へ、テスト走行シーンやコックピット周り、足回りが紹介してあります。
然し表記が全て英語なので理解度は半分位ですかね??
透視図です、ミッドシップは往年のランチアストラトスを思い出します。イケてますね♪
最後に裏表紙です。スペックが軽く紹介してあります。
諸元表です、単位はミリです。
全長4000 全幅1764 全高1322
重量1180kg
エンジン直4DOHC 1804cccc 250hp
4WD
ミッション MTのみ
こんな感じです、さてここからこの車の話を少々…。
サイズとしてはこの時代にしては小さい方になるんですかね???
さてこのRS200ですが、この車が生まれた背景にはWRCというモノが付き物ですね。
少し長くなりますがお付き合いのほど宜しくお願いします<(_ _)>
このモデルが生まれるにあたり、WRCはグループBというカテゴリーを出してきます。これは簡単に言うと「このカテゴリーに参加するには12ヶ月間にわたり200台以上生産すれば車両登録OK」ということです。つまり言いかえると200台以上作成すればOKということになり(拡大解釈?)、このカテゴリーに世界の自動車メーカーは挙って名乗りを上げてきました(当然日本車では有名なトコで日産240RS(以前記事を書いてます、良かったら読んでくださいね)、トヨタセリカといったモデルを投入)。とにかく色々なメーカーが名乗りを上げる中、1メーカー、風変りなモデルを投入してきました。(ひょっとしたらまだ変わったメーカーがあったかもしれませんが…。)
それがこのフォードRS200なのです。
そもそもグループBに出てきたマシンは(多少エアロパーツなどを装着してますが)街中で走っていてもおかしくないモデルばかり、ですがこのモデルは街中を走るには…派手すぎますよね??
私も雑誌で初めて見た時は「なんか車の原型を辛うじて留めてるかな?」と思ったもんです。
それもそのはず、この車はグループB専用に開発されたモデルだったのです。
フォードは70年代前半にかけ、F1やラリーフィールドで活躍していたメーカーでしたが、このカテゴリーが生まれる前までは日産、トヨタ、ランチア、アウディといったメーカーに勝ちを取られ苦汁をなめていました。
そこで新たに作成されたこのグループB、「一発やってやるか!」と言ったかどうかは分かりませんが本格的にマシン開発をしていきます。
特筆すべき点は幾つかありますが少し述べると
センターモノコックボディに取り付けられる心臓部はオールアルミ製のDOHC4気筒で1804cc、これにギャレットのT4ターボを装着。
さらにコックピットからレバー1つでFR、4WD(前後の配分を50対50、37対63)の3種が選択可能。
ボディはそれまでのフォードのスタイルを一変させ空力を追究したデザインを採用し、FRPを採用。
これら全てが量産車から流用したのでなく、全て専用パーツとして設計、作成されたことを考慮するとフォードが如何に勝ちを意識して作成した本気の車だったかが窺えます。
そしていよいよWRCに出走することになったRS200、さぞや活躍するのでは?と皆の期待を一身に受けて先ずは軽くイギリス国内の大会へ出場します。
そこで圧勝したRS200はこれで気をよくしたまでは良かったのですが、この後に苦難が訪れます。
前述しましたが、このグループBというカテゴリーは年間に200台以上の生産を義務付られてるので当然その規定台数を作成しなければいけません。然し、殆どが専用設計なので生産が進まず1985年のWRCは出場不可、翌1986年は初戦のモンテカルロラリーには出場は間に合わなかったものの、第2戦のスウェーデンラリーより出走していきます。
いよいよ活躍の時が来たかと思ったら、まさかのリタイヤ…(>_<)
そして第3戦ポルトガルラリー、ここで悲劇の一発目が起こります。
Y サントムがドライブするRS200がラリー中に観客を巻き込む死亡事故を起こしてしまいます。
何となく勘の良い方ならお分かりと思いますが、このカテゴリーが出来たことによりパワーが肥大化し、車はもはや人の手で操るのが困難なバケモノと化していたのです。
そして第4戦ツールドコルスラリーでランチアがコースアウトし、車ごと崖に転落、ドライバー、ナビゲーターは死亡、もはや人の能力ではドライブ出来る範疇にないカテゴリーと判断されてしまい
なんとグループBは廃止…。
これによりRS200は僅か半年という短い生涯を終えることとなります…。
フォードが1から設計開発を行い、徹底的に拘りぬき、
WRCで優勝することを本気で狙ったラリーマシン。
それがフォードRS200だったのです…。
これだけレアなモデルですが私、1度だけホンモノを10年程前に拝見したことがあります。
然も飾ってるのでなく、走ってるモノ…。(ナンバーも付いてました)
外装はWRCカラーでそれはそれは凄いオーラでした…。
現在は日本の何処かの自動車博物館に展示されているという噂を聞いたことがあります。
未だ見ぬ、未開のラリーフィールドで元気に疾走し、表彰台でシャンパンシャワーを浴びることを夢見て今は何処かのガレージで鎮座してるんですかね…。
フォードRS200
悲運のWRCマシンかな…。