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イイね!
2010年09月12日

新しい時代背景にあった軽自動車規格を

1998年10月、各社の新規格軽自動車が一斉に出揃った。

今回の規格改正のねらいは、普通の車と同程度の安全性を確保することにあった。前面衝突の試験基準を従来の40km/hから50km/hに引き上げ、また側面衝突も欧州に準じた試験基準を採用した。この基準をクリアするために必要な寸法として、最大全長10cm、全幅8cmの拡大が認められた。各社の新型軽自動車は、いずれもこの寸法をめいっぱい使い切ったサイズで登場した。

僕はたまたま日本に帰国した折に、三菱のショールームで新型ミニカ、トッポBJ、パジェロミニをいじり倒しただけで、試乗もしていないのだが、これら三菱の新型車を見る限り、小型乗用車と同じようにしっかり作られるようになった附帯価値として、質感も大いに高くなったようである。しっかり感という点では、恐らく各社とも飛躍的に向上して、見違えるほどいい車に仕上がっているに違いない。

しかし、新しい各社のモデルを見る限り、元来軽自動車好きの僕が、大いに感銘を受けるようなモデルは残念ながら無かった。

軽自動車という言葉が初めて登場したのは戦後間も無い昭和24年。全長2.8m、全幅1mで、排気量は4サイクルなら150cc、2サイクルなら100ccというもの。しかし、まだ各社とも戦争の焼け跡の中から、何とか生産を再開するのが精一杯で、国民もまだ自家用車どころではない、という時代背景の中にあって、この規格の軽自動車が本格普及することはついになかった。

軽自動車が本格的に普及したのは、昭和25年。通産省が掲げた国民車構想により制定された、全長3m、全幅1.3m、排気量360ccの軽自動車が登場してからである。今なおマニアを魅了しつづけるスバル360や、ホンダN360などの軽自動車は、この時代に登場したものだ。国民車とは言うものの、当時の平均的な国民にとって、軽自動車は決して安い買い物ではなかった。しかしそれでも、市民のモータリングの端緒であったことに間違いは無く、当時としてはそれはそれで大いに価値のある政策だった。

その後、日本は奇跡の経済成長を遂げ、消費者は次第に軽自動車を卒業し、「いつかはクラウン」ではないが、次々と大きな車に乗り換えることで大量消費の時代を謳歌してきた。

いま、軽自動車はいったい誰のための車なのだろう?

乱暴な言い方かもしれないが、自動車なんてものは、今の日本では誰でも買えるものである。だから、今日における軽自動車の意味合いは、昭和25年当時とは根本的に違っていなければならない。自動車メーカー各社が、いまだに軽自動車を貧乏人のための車という発想で企画しているわけでもあるまいが、それにしても、いったい誰のための車であるべきなのか、という根本の部分に、強い意志が感じられないように思える。

今回モデルチェンジを見送った各社のいわゆる「軽トラ」は、その意味において却って価値ある存在である。小さく、安く、丈夫な働き者は、今でも市民の味方であり、強い存在感を放っている。安全基準はクリアできないかもしれないが、こういう車のほうが、市民にとって本当に大切な車であり、我々の標榜する「ちっぽけなくるま」の魅力をたたえている。

せっかく、世界的にスモールカーに対する注目が高まっている時代なのに、いま大きな車に乗っている人が、こぞって軽自動車に乗り換えてしまうような、それがカッコイイと思えるような、画期的な発想が無かったのは大変残念だった。

今後、軽自動車を選択しようという人には、安くて丈夫で手間要らず、と経済性を考慮して選ぶ従来型のタイプと、環境へのダメージや都市部での取りまわしを考慮してスマートな車に乗ろうというタイプに二極化してくるのではないかと思う。

そうなってくると、軽自動車に期待するものも当然異なってくるので、いっそのこと軽自動車を複数のカテゴリーに分解してはどうかと思う。たとえば、軽自動車甲類は、4人家族がファーストカーとして使えるミニマムカー。一方軽自動車乙類は、ビジネスカーとして割りきった、本格的な1~2人用というように。

そうすれば、各社各モデルのターゲットユーザー層がもっとすっきり絞り込め、あれもこれも…と欲張って結局訳のわからない車が少なくなり、「ちっぽけなくるま」が本来持ついきいきとした存在感が際立ってくるように思える。

また「軽」のカテゴリーは、サイズや排気量は絶対数値で規定するので無く、燃費やリサイクル性、重量や占有面積など、環境へのダメージの小ささを基準に評価する仕組みにシフトしていくべきであろうと思う。税制優遇は手段ではなく結果を評価して与える。そうすれば、各社がもっと自由な発想で市民のための車を創造提案することができ、日本の自動車業界全体の発展にも繋がると思う。

新規格発足早々次の改定の話とは気が早すぎるかもしれないが、僕が探し求めている、まだ見ぬ究極の「ちっぽけなくるま」のために、拙案を披露した次第。
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Posted at 2010/09/12 21:01:53

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