
11月末の話になってしまいますが、イタリアン・コンパクトにイッキ乗りしてきました。
お邪魔したのは「フィアット・アルファロメオむさし野」さん。
お店の駐車場には中古車から新車までギッシリで、店内にも159 TIやブレラなど、
憧れのモデルも多数揃えてあり、ラインナップも充実してました。

まず試乗させていただいたのは、
アルファロメオ最新の2ペダルMT、Alfa TCTを搭載した「Alfa Romeo MiTo Competizione」。
何故に"コンペティツィオーネ"なのか、
おそらく同じくAlfa TCTを塔載した"スプリント"というグレードにはない、
パドルシフトや専用の17インチタイヤを装着しているから・・・ではないでしょうか?
クルマに乗り込んでみて最初に思ったのが、やはりインテリアがカッコイイということ。
ブラックで統一された内装は、ステアリングからシフトノブ、メーター類、シートなど、
本当に洗練された印象で、写真でみるよりももっと高級感がありました。
MiToの全グレードに、アルファロメオD.N.A.という
スイッチを操作して走行モードを選択できるシステムが搭載されているのですが、
まずDNAのN、ノーマルモードの印象ですが、正直アクセルペダルを踏み込んだ時の
ダイレクト感が全然なくて、加速も鈍く本当に省燃費に徹するときのモードのようでした。
走行モードをDNAのD、ダイナミックにすると、走行特性が信じられないくらい一変し、
アクセルをグッと踏み込んだ時のダイレクト感と加速力がハッキリと上昇したのが分かりました。
あとに書きますが、アイドリングストップ機能を搭載していることもあり、
走行モードは正直このダイナミックのみでいいんじゃないの?って思ってしまいました^^;
コンペティツィオーネ専用装備のパドル式スイッチの操作感ですが、
カチカチと軽めで、ちょっと残念に感じてしまいました。
元々スイッチではなく、比較的大きなパドルを装備したセンソドライブの
C2 VTRに乗っていたせい・・・かもしれません^^;
それでもギアボックス自体は今流行りのデュアルクラッチを採用していることもあり、
変速ショックも加速の途切れもほとんどないスムースなシフトチェンジが楽しめました。
ただし、私の操作が悪かったのか、1速でリミッター付近まで引っ張った後、
2速にシフトアップした時に、何だか急に加速が鈍ったことが一度ありました。
前述したように、MiToにはアイドリングストップ機能があり、
燃費が改善されるだけでなく、赤信号や渋滞時のアイドリング状態で、
地球を汚してるんだなぁ・・・とか、
そんなことを考えてしまうストレスからも解放されます^^
クルマが停止するとエンジンが自動的に止まり、
ブレーキペダルから足を離すとエンジンが再スタートします。
再スタートまで1秒とかからないので、これはスゴイなと思いました。
ダッシュボード上のボタンで、システムのオン・オフの切り替えも簡単にできます。
セミATのコンペティツィオーネとの比較のため、
6速MTを搭載した一番ホットなモデルである「Alfa Romeo MiTo Quadrifoglio Verde」
にも試乗させて頂きました(こちらが本命ですね、やはり)。
Tipoで読んだ時の印象で、かってに左ハンドル車しかないのかと思ってたら、
右ハンドル車もあるということで、幸運にも右ハンドル車に試乗できました^^
機能的な面では、上述のDNAシステムやアイドリングストップ機能など、
コンペティツィオーネとほとんど同じものが備えてあります。
この他に、今回まったく予想外に良かったことなのですが、
クワドリフォリオ・ヴェルデのみ標準装備の
ポルトローナFrau社製レザーシート、
これが乗り込んだ瞬間からまったく違和感のない着座感で、
試乗している間、終始イイなぁと思ってしまいました。
こんなふうに初めて乗ったクルマにも関わらず、
シックリとくるシート・ポジションに加え、
右ハンドルでもきちんと大きなアルミのフットレストが備えてあったのには、かなり好印象でした。
クラッチペダルも丁度いい重さで、クラッチの繋がりもとても自然でした。
シフトストロークもC2に比べれば段違いに短めで、
スッスッっとギアが入っていく印象でした。
エンジンはコンペティツィオーネと比較して、
馬力は+35ps、トルク(ダイナミックモード)は+2.0kgmの
最大出力170ps/5,500rpm、最大トルク25.5kgm/2,500rpmです。
外から見たイメージと違って、
走り出しの感覚は意外にもドッシリとしています。
遅いとかそういう意味ではなく、
軽快感とは少し違う、路面を粘り強く捉えて
前にどんどんクルマが進んでいく感覚です。
コンペティツィオーネもそこは共通していたのですが、
クワドリフォリオ・ヴェルデは圧倒的にその感覚が上でしたね。
この足回りの粘っこさに加えてターボエンジンとはいえ
1.4リッターとは思えないアクセルペダルの踏み込みに追従する
リニアな加速感は、驚きに値すると思います。
高速の合流や突然の急勾配の出現時などを想定した場合に、
このダッシュ力はとても魅力的な一面だと思いました。
MiToの走りを楽しんだ後は、Fiat 500にも試乗させていただきました。
グレードは、1.4リッター100馬力のエンジンを備える"1.4 16V POP"で、
搭載されているギアボックスは5速セミATのデュアロジック。
デュアロジックにはパドルシフトやスイッチの類は付いていませんが、
フロアというかインパネに備えられたシフトは、
押してシフトダウン、引いてシフトアップのタイプで好感が持てました。

以前乗っていたC2 VTRのセンソドライブはその逆のため、
とても違和感があったので一切フロアシフトで操作することはなく、
ステアリング裏のパドルでのシフトチェンジのみでした。
こういった操作性に関しては、難しいと思いますが各メーカー統一していただきたいところ、ですね。
500はドアを閉めた音がドシンッ!とものすごく剛性感があり、
クルマの大きさは同じくらいでも、C2とは大きく違うところだなぁと感じました。
走りのほうも、見た目からは想像できないくらいのボディ剛性を感じながら、
きびきびと走らせることが出来ます。
ボディの遮音性も高く、静かで快適な車内環境に加えて、
少し着座位置が高いと思わせるシートも実際にはすごく快適で、
クルマの運転そのものをストレス無く楽しむことができる貴重な一台、だと思いました。
ただ、6MTを備えるクワドリフォリオ・ヴェルデに試乗した直後だったからか、
マニュアルのチンクエチェントにも乗ってみたい!などと思ってしまいましたので、
今後発売される1.2リッターながら、5速MTを備える"1.2 SPORT MT"に
大きな期待を寄せているところであります!
お読みいただき、ありがとうございました。