
24時間という長丁場、最後の最後にドラマがありました。ここまでのドラマはなかなか無いと思います。ライブで見ていて大興奮のゴールでした。
とりあえず総合3位までの結果
- #29 Audi Sport Team Land / Land-Motorsport (SP9 Audi R8 LMS)
- #98 Rowe Racing (SP9 BMW M6 GT3)
- #9 Audi Sport Team WRT (SP9 Audi SP 9 Audi)
この3台がレース最後の30分を盛り上げてくれました。
日本車の
情報は、ネットで探すと豊富にありますので、おもいっきり割愛。最後を盛り上げた30分のドラマ中心で、オイラの大興奮ぶりを伝えたいと思います。
レース後半、それまでトップだった#29 Audi Sport Team Land(以下#29 Audi Land)は、メカニカルなトラブルでピットイン。問題はすぐに解決されたが、その間に#9 Audi Sport Team WRT(以下#9 Audi WRT)がトップに浮上。何が問題だっったのかは不明だけれど、どうやらメカニックのミスによるメカニカルトラブル。#29アウディLandのピット内は、思いっきり暗いムードになってしまいました。
トップに浮上した#9 Audi WRTは、残り30分、2位と十分なアドバンテージを得たこともあり、そのまま優勝すると思われました。2位の#29 Audi Landのピットは、時間経過とともにますます暗いムードに包まれていきました。
そんなとき、北コースの中間地点、10km近い登り勾配の終了付近、カルーセル上空を飛ぶヘリのカメラに雨粒が当たり始めます。雨は降ってきたものの、路面はドライに近い状態。ヘリのカメラから見る分には、まだスリックタイヤで問題なしの状況。
残り20分を切り、トップの#9 Audi WRTがピット前、グランドスタンド前を通過していきます。1周9分弱のラップなので、あと3周でゴールです。そこに#29 Audi Landが続いて現れますが、ピットレーンに入っていきます。どうやら給油のピットインのようです。3位の#98 Rowe Racing (以下#98 BMW Rowe)とは十分なアドバンテージがあるので、大事を取って給油するようでした。
ところが、給油に失敗。ノズルから燃料が出ず、ピットクルーが再度入れ直そうとした際に、ピットアウトのサインが出たように見えます。が、給油口を閉めていないため、車体をピットクルーが押して定位置まで一旦戻すことに。ちょっと脱線しますが、レギュレーションで給油口はレース向きではなさそうなネジ式の一般車両と似たような形状のもので、開け閉めを含め、普通のガソリンスタンドで給油している感じです。
そんなこんなでもたつく間に、ピットに入らない3位の#98 BMW Roweに抜かれてしまいます。と突如、#29 Audi Landのクルーがインターミディエイトタイヤを持ち出してきて、燃料補給しながら慌しくタイヤ交換をはじめました。雨脚はそんなに強くありませんが、どうやらカケに出たようです。ピットロードを出た時には、2位の#98 BMW Roweとかなり差がついてしまいました。
ところが・・・
雨脚が強くなり、2位の#98 BMW Roweが、北コース上り勾配のきついセクションに入ったところで、まともに前に進まなくなった映像がヘリから送られてきました。スリックでは、登るのがやっとな状況のようです。登り勾配の後、一旦下り勾配になる区間でしたので、一度はその下り勾配に助けられて走り始めた#98 BMW Roweですが、再び現れた登り勾配。すぐ後ろには#29 Audi Landのヘッドライトが見えています。#98 BMW Roweは、がんばりましたが勾配を上りきったところで#29 Audi Landに2位を譲ることになりました。
この時点で北コースにいる車両でスリックタイヤ以外をチョイスしているのは、#29 Audi Landだけです。他車がもたつくなか、一台だけ飛び抜けた速度で走る姿がヘリから中継されていますが、スピンしそうな他車を思ったように抜けず苦労していました。
#29 Audi Landが北コースの上り区間の終わり近いカルーセルに到達したときには、トップの#9 Audi WRTはドライコンディションの第2カルーセル。あとは数コーナー回って、やはりドライコンディションの長いストレートを抜けるとグランドスタンドといった地点でした。この周は#29 Audi Landに追いつける要素は全くありません。
グランドスタンドに姿を見せた#9 Audi WRTでしたが、スタンド前のストレートには向かわず、ピットレーンに入っていきます。北コースの雨脚は強烈で、スリックタイヤでは勾配を登れない車両が次々とクラッシュしています。ピットはレインタイヤに履き替える準備をして#9 Audi WRTの到着を待っていました。優勝は諦めて、2位に甘んじる作戦のようですが、それだけではなく、どこかにダメージを負ったようで修理の用意もしていました。
#9 Audi WRTがピットで作業している間に、#29 Audi Landがグランドスタンド前を駆け抜けていきました。#29 Audi Landのピットは、それまでの暗いムードから一転して大はしゃぎです。あとは、安全第一で1周して戻れば優勝です。
結局、#9 Audi WRTは、車両に何かしらのダメージを負う何かを雨のセクションでしたようで、ピットアウト後はスピードに乗れず、後続の#98 BMW Roweに抜かれて3位にまで落ちてしまいました。
最後の最後、突然振り始めた雨が、大きい変化をもたらし、ドラマを生みました。最後まで諦めずに、大胆な作戦を取った#29 Audi Landの優勝にオイラも含め、現地、そして全世界でライブ映像を見ていた全員が大興奮だったと思います。
ただちょっと残念なのは、隊列を作ってのゴールが見れなかったことです。トップ争いが僅差の接戦であったことと、雨で最後のラップで多くの車両が北コース上でもたついてしまったことが原因で、各チームに隊列を組む余裕がなかったのが要因です。が、ニュルの伝統ともいえる大量のレースカーによるパレードのような隊列を組んでのゴールが見たかったなぁ
注記:
文章中の画像は、
ADAC Zurich 24-Hour Raceサイトで、YouTubeの
Vodafone Deutschlandチャンネルを通して
ライブ配信された映像のスクリーンショットで、レースの紹介として引用の範囲で引用したものになります。
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Posted at
2017/05/29 01:00:37