
先に書いた両面テープ比較テストの第一弾です。
これは静的なテープの保持力をみるのが目的と考えました。
JISには超強力両面粘着テープなどの試験方法が何種類かあり,それに準じるとステンレス同士を使うことになってしまい,クルマ用として現実性があまりなくなってしまいます(クルマでステンを使っている箇所はほぼない)。また,室温・湿度の維持など家庭では難しい面もありますので,JISの試験方法は参考程度にとどめて,自己流でやることにしました。
場所は,すべて自宅の室内で行なっています(車内ではありません)。
方法は,JISの保持力試験と同じような考え方です。
貼る物に見立てたのはスチール製のオモリ(1個 約80g)。貼られるのは中古部品のグローブボックス(材質:ポリプロピレン(PP)シボ加工あり)。テープ幅12mm,テープ長は20mm。汚れ落としは,無水エタノールを使いました。これを両面テープで貼り合わせて,3秒以上親指で強く押し付けます。押し付けるのは1cm
2で一回が目安になっているので,それに準じて,2cmなので2回やっています。
貼り合わせ後は,負荷をかけないために接着面を上にして(=水平にして),72時間放置。その後,貼り合わせ面をほぼ垂直に立てて,24時間様子をみます。この24時間で外れなければ,オモリの荷重はクリアしていると判断しました。
72時間放置なのは,JISの超強力両面テープの試験に準じたため。3M VHBテープは72時間で,テープ本来の接着力の約95%に至るとなっていることもあります。温度・湿度は自宅なので成り行きです。但し,貼り合わせの際の温度は,室温20度以上,湿度60%以下で行っています。(JISは室温23度,相対湿度50%)
このオモリをクリアした場合は,オモリの数を増やしてリトライという手順です。(メーカーが荷重の目安を計る際の作業の流れに同じ)
オモリは1個 80gなので,この手順では,80g単位の確認しか行うことが出来ません。
オモリのバリエーションを増やせば(例 10gとか)細かくみることが出来ますが,作業手間になりますし,安価なオモリを入手することが出来なかったので,このような形となりました。1個 80gなのは,クルマでの一般的な両面テープの使い方では,80g程度を支えることが出来ればおおむね大丈夫と考えたからです。(参考:当方のETC車載器は約100g,携帯電話は公称 約143g(オモリの秤では約145g))
80gのオモリで実用性の確認は出来ますので,80g以上は不要なのですが,どこまで耐えられるのか?自分の興味から試しただけです。
なお,テスト原則として1回限りです。バラツキがあるので,精度を求めるなら3~5回テストを行なって平均値を求めるのが望ましいと思いますが作業手間の関係上,行なっていません。
結果は次のとおり
1.3M プレミアムゴールド[多用途]400gまでOK
1.エーモン VHB赤 400gまでOK
1.100円均 超強力テープ 400gまでOK
1.ニトムズ クルマ用強力テープ 400gまでOK
2.100円均 強力テープ(PP・PE・PVC対応)80gまでOK
160gで落ちた(わずかなフォーム破断あり)
3.ベータテープ 80gもNG
80gは落下しなかったが1mmのズレ発生
160gは落下しなかったが3mmのズレ発生
240gは落下しなかったが4mmのズレ発生
今回のテストは80g単位です。「80gまでOK」としたものは,80gはOKだったが,160gを試みたらNGものです。限界点は81~159gの間にある筈ですが,それがどこなのか?そこまではわかりません。この場合,荷重の目安は「80~159g程度」になると考えます。ずいぶん幅がありますが,個人で出来るのは,この辺りになると思います。(1回のテストに丸々4日かかります。この調子で何十回も延々とやっていると何ヶ月もかかり,そのうち室温が上がってしまい条件が大きく変わってきてしまいます)
400gを超えてのテストは(作業手間の関係もあって)やりませんでした。クルマの内装用として,400gを超えるテストに意味があるとは思えなかったからです。なお,オモリが落ちなかった場合は,最後にグローブボックスを前後左右などに,多少振ってみましたが,それで落ちてしまったものはありませんでした。
「3M プレミアムゴールド[多用途]」は,荷重の目安がポリプロピレン(PP)どうし660gとなっていますので,400g以上の保持力はわかります。
「100円均 超強力テープ」(ダイソー)は,ポリプロピレン(PP)不適となっていますが,予想とおりPPでもちゃんと使えました。
「ニトムズ クルマ用強力テープ」も同様にポリプロピレン(PP)不適・シボ面不向きとなっていますが,PPで使えることがわかりました。
「ベータテープ」は基材が異なるので,その違いが差になって現れました。これは予想していたことで,そういう点では順当な結果でした。
「100円均 強力テープ(PP・PE・PVC対応)」(セリア)は,ポリプロピレン(PP)対応でしたが,80gまででした。他の両面テープに比べて基材が薄いのが影響しているのでしょうか?PPでもシボ加工になっているのが影響しているのでしょうか?
ポリプロピレン(PP)不適となっていた両面テープでも,キチンと貼ってやれば,400g以上の保持力を有することが,わかったのが収穫でした。
基材の違いが保持力(≒接着力)に影響している傾向があるように感じられます。力を吸収出来ない基材を使っている両面テープは,早々に脱落してしまったように感じるからです。両面テープというと接着剤の強さばかりに目が行ってしまいますが,基材も重要と思われます。
▼参考リンク
・3M テープ・接着剤製品 よくあるご質問(JIS規格になっている試験のイラストがある)
http://www.mmm.co.jp/tape-adh/faq/
▼関連リンク
・両面テープ比較テスト 参加テープ一覧(フォトギャラ)
https://minkara.carview.co.jp/userid/766725/car/1350255/3838543/photo.aspx
・両面テープ関連記事一覧
https://minkara.carview.co.jp/userid/766725/blog/26002973/
(一部追試実施。その結果を反映した。)
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両面テープ | 日記
Posted at
2012/05/02 20:50:11