
超強力両面テープ比較テストの第二弾です。
先の簡易保持力テストは,貼り合わせ後,72時間を経過してテープ本来の接着力がかなり出てきた後の状況を調べたものでした。これは,条件としては,かなり良い方だと思います。
住友3Mの案内では,貼り合わせ後に強い圧着を行い,その時点で本来の約30%の接着力になるとしています。
今回は実験は,貼り合わせ直後の接着力を確認することを目的としました。先の実験は(72時間経過後で)テープの95%での保持力をみましたが,今回のは30%になりますので,条件としては比較的悪い状態となります。
クルマに使う場合,72時間(=3日間)も安静にしていることはなかなか難しいと思われ,貼った直後から負荷がかかるのが一般的でしょう。その辺りの感じを探ってみるものです。
とは言っても,実際のクルマでは,エンジンONなら振動もありますし,加速減速による力も加わりますが,そういうところまで再現するのは家庭では出来ないので,ここでは無視することになります。
作業の流れは,先の簡易保持力テストに同じです。(場所は自宅室内。貼り合わせ時の温度は20度以上,湿度は60%以下。その後の温度・湿度は成り行き。テープ幅12mm。テープ長20mm。汚れ落としは無水エタノール)
但し,今回は,貼り合わせ後の強い圧着の直後から垂直に立てて,オモリの様子をみています。この状態で,最長96時間放置して状態を確認することにしました(オモリが脱落した場合はその時点で終了)。96時間にしたのは,96時間で両面テープ本来の強度のほぼ100%に達するので,それ以上は,無意味と考えたからです。
ここまでの作業をクリアした場合は,オモリを増やして再度同じように試みるという手順です。
結果は次のとおり。
1.3M プレミアムゴールド[多用途]
・400gまでOK(ズレなし。落下なし)
2.エーモン VHB赤
・240gまでOK
・320gは開始後,96時間で0.5mm程度のズレ。但し,落下せず。
・400gは開始後,24時間で0.5mm程度のズレ,96時間で1mmのズレ。但し,落下せず。
3.100円均 超強力テープ
・240gまでOK
・320gは開始後,24時間でズレなし,96時間で1mmのズレ。但し,落下せず。
・400gは開始後,24時間で0.5mm程度のズレ,72時間までは落下せず(この時点で2mmのズレ)。約84時間(=3.5日)で落下発見。ここで打切り。
4.ベータテープ
・ 80gは開始後,24時間で1mmのズレ,96時間で2mmのズレ。但し,落下せず。
・160gは開始後,24時間で2mmのズレ,96時間で3mmのズレ。但し,落下せず。
・240gは開始後,24時間で4mmのズレ,96時間で5mmのズレ。但し,落下せず。
・320gは開始後,24時間で6mmのズレ,55時間までは落下せず(この時点で7mmのズレ)。約65時間(=2.7日)で落下発見。ここで打切り。
5.ニトムズ クルマ用強力テープ
・160gまでOK
・240gは開始後,約78時間(=3.25日)までは落下せず。約101時間(=4.2日)で落下発見。ここで打切り。
6.100円均 強力テープ(PP・PE・PVC対応)
・160gまでOK
・240gは開始後,約2時間で落下。ここで打切り。
結果の順序は,予想していた通り。
先の簡易保持力テスト比較的条件が良かったので,差があまりで出ませんでしたが,今回のは先のに比べれば条件が厳しくなったので,差がはっきりしました。
今回もオモリは80g単位です。先の簡易保持力テストは72時間養生後の24時間でジャッジしましたが今回は96時間でジャッジなので,オモリだけでなく,時間も関わってきます。また,今回も400gを上限としています。(400gを超えてのテストは実施せず)
「3M プレミアムゴールド[多用途]」は,ビクともしない印象。
「エーモン VHB赤」は,わずかなズレが認められました。
「100円均 超強力テープ」(ダイソー)は,3M製品には及ばなかったものの,ポリプロピレン(PP)不適の両面テープなので,これでも健闘した方ではないでしょうか?
「ベータテープ」は,今回も基材の違いによるズレが頻発しました。試験方法を考えた際には,96時間を超えての観察は無意味と思いましたが,これだけズレが生じるということは,もっと時間を長くすればとズレは進行するとみるのが妥当な気もします。240時間とか,かけてみないと本当に落ちないと言えるのか?どうか?ユーザーが両面テープを使う時には,半永久的な保持を期待するわけですから,もっと時間をかけた追試が必要かもしれません。
「ニトムズ クルマ用強力テープ」は,簡易保持力テストで400g以上と判断しましたが,今回は160gまででした。240gが落下したのは,4日経ってからですから,初期接着力が弱いと言い切るのは,どうか?と思います。ベータテープ同様で,簡易保持力テストも(1日でなく)4日以上の経過観察をしたならば落下があったかもしれません。
「100円均 強力テープ(PP・PE・PVC対応)」(セリア)は,簡易保持力テストでは160gで落下しています。条件が厳しい今回160gまでOKでした。これは矛盾する結果です。バラツキの範囲内で(240gはすぐに落ちたし)おそらく限界点が160g近辺にあるのではないでしょうか?条件を完全に一致させることが出来ていないので(実験手順は)こんな程度だと思います。
なお,オモリが落ちた場合では,すべてオモリ側に両面テープが残りました。フォーム破断は,どれも認められませんでした。
貼った写真は,ベータテープで320g,100円均 超強力テープで400gがズレ落ちた際のもの。ベータテープは基材がズレている様子が認められます。100円均 超強力テープの方は,基材の変化は認められず,落下したのは接着剤の保持力のせいなのでしょうか?
▼関連リンク
・両面テープ比較テスト 参加テープ一覧(フォトギャラ)
https://minkara.carview.co.jp/userid/766725/car/1350255/3838543/photo.aspx
・両面テープ関連記事一覧
https://minkara.carview.co.jp/userid/766725/blog/26002973/
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両面テープ | 日記
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2012/05/31 19:38:02