2014年03月09日
東日本大震災から3年 ヒメマス釣り 本来の姿に… 栃木
産経新聞 3月9日(日)7時55分配信
■中禅寺湖漁業協同組合専務理事・鹿間久雄さん(63)
「3・11」による放射性物質の拡散があった平成23年だが、中禅寺湖(日光市)のヒメマスは当時の放射性物質の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を下回って通常通り漁ができた。だが、24年は基準値が同100ベクレルとなり、超えたものは出荷制限がかかる。マス類は新しい基準値を超えていた。
《福島原発から約160キロ。県内最大の11・62平方キロ、最大水深163メートルのすり鉢状の湖は水が入れ替わるのに6年程度かかるとされ、排出されにくい放射性物質を食物連鎖の上位にある魚が吸収していった》
「中禅寺湖のマス釣りはできません」と、先代が築き上げてきたものに蓋をしてしまうのか。漁協役員の中にもいろいろな意見があった。行政とも相談しながら4月の漁解禁を5月に遅らせて検討し、釣った魚を持ち帰らない「キャッチ&リリース」を徹底させた。監視員を大量動員し、あっちを見てもこっちを見ても監視員。遊漁券販売に同意書まで取り、「こんな釣りは経験したことがない」と苦情も受けた。時間や期間も大幅に限定。一人でも持ち帰りが発覚した場合、釣りそのものを中止せざるを得ない。厳しい条件を守っている人のためにも徹底した。
《男体山の噴火で溶岩が渓谷をせき止めてできた中禅寺湖はもともと魚がすむ湖ではなかったが、明治時代、欧米の外交官らが避暑地での余暇として釣りを楽しむため魚を放流。ヒメマスは明治39(1906)年に導入され、以来多くの愛好家に親しまれてきた》
この2年半、姿を見なくなった常連は多い。食べて良し、見て良し、釣って良し。風光明媚(めいび)な景観に加えて、ヒメマス釣りを長年楽しんできた愛好家は釣った魚を食べられないのでは意味がないと考える人も多い。湖の冷水で育つ天然もので、暑さ知らずのためか最大で40センチを超える大物も育つ。中禅寺湖を代表するグルメだった。その味を知っている人にとってキャッチ&リリースでは満足できないのは確かだが、持ち帰りを認めるわけにはいかないのだから仕方がない。
《現在、ワカサギ以外は中禅寺湖で釣った魚は持ち帰ることができない。今季は岸釣りが4月1日、船釣りが同20日解禁でともに9月19日まで。ヒメマスは3年ぶりに持ち帰り漁が解禁されるのか、モニタリング検査の結果が注目される》
ここ数カ月、ヒメマスは100ベクレルを下回っている。運動量が多い時期は低い傾向があるので、まだ油断はできないが、安全が確認できて出荷制限が解けることも想定して準備も進めている。大雪で検査実施は遅れそうだが。一方で、雑食で寿命が長いホンマス、ブラウントラウトなど数値が高い魚種を湖の中に残したままでいいのかという考えもある。高レベルの魚を取り除いた方がいいのではないか。そんなことを考える機運をつくりたい。
以前の釣りが楽しめる、一日も早い再生に願いを込めて。
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この世に生きる者は皆他者の生命を犠牲にして生きている。平たく言えば何かを食べるなりして生きている。それは必然であろう。
しかし食べもしない魚を釣って逃がす釣りというのは違う。釣りという自らの楽しみのために弱いものに苦痛を味あわせる行為であろう。
自らの命を繋ぐため生きるために釣るのは分かるが、娯楽のために釣るのは最悪だ。
Posted at 2014/03/09 09:23:47 | |
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