
たまたまヒストリーチャンネルの"究極のクルマ「四輪駆動車」"を観る機会があった。
こう言った生い立ちモノとか開発談モノが大好物な自分にとって、凄く衝撃的な内容でした。
四輪駆動の思想は1800年代後半に既にあった事。
しかし、開発費とコストの為普及するまでに数十年も掛かっていた事。
そう言えば、ターボやスーパーチャージャーも1900年初頭に飛行機用エンジンの為に開発されたシステム。
とは言え軍事目的が色濃い事ではあるが。
元々四輪駆動システムに発想が行った理由は、当時、道路が全く整備されておらず、少ない整備された街中の道は馬車の為にあるモノで、数の少ない車は郊外を走るしか無かったそうです。
結果、↓の様に

スタックするのは当たり前・・・
って、現代の車だって大半がスタックする道だよな(苦笑)
そこで高い走破力が求められ、考え出された賜物だった訳です。
実に単純明快かつ、重要な事に当時の開発者達の思想は到達していた。
先駆者達に脱帽です。
さて、サムネの車両が1899年に四輪駆動システムが開発された世界初の車だそうです。
ただ、当時は「もの珍しい車」と言う扱いだったそうです。
その後1906年にアメリカから2気筒14馬力の四輪駆動トラックが民政用として発表。
続いて1908年に本格的な蒸気エンジンの四駆を開発。

この車両を制作した兄弟が優れた機械工で技術を格段に押し上げる事になる。
1909年、この車両は4気筒45馬力エンジンに換装されパワーアップ。

バトルシップと呼ばれたそうですが、二駆の倍の金額と言う事から素晴らしい性能を持っていても売れたのは7台のみだったそうで、消費者にはその真価が伝わらなかった。
しかし、意外な所がその価値を見出す事になる。
アメリカ陸軍です。
1911年に馬車に変わる移動手段の選定を行っていて、四輪駆動車に注目した訳です。
第一次世界大戦より、ヨーロッパでは二駆・四駆問わず多くのトラックを採用し、アメリカ軍は1940年にはダッジVCシリーズ・ミリタリートラックが採用され、ついに馬車と別れを告げる事になったそうです。

しかし、このVCシリーズは大きく動きも鈍重で戦闘には不向きだったそうです。
ここからが、実にドラマチックな展開になっていきます。
そこで軍は小型偵察車両が必要と感じ小型専門メーカー、バンタムに目を向けました。
バンタムはアメリカでは全く売れていない小規模メーカーと言う事もあり、何とか軍と契約を結ぶ為に必至だったそうです。
起死回生の事業だけに、バンタムの努力は凄かったんだと思います。
135社もの入札の中、バンタムは見事勝ち取り試作車両の開発へ。
軍は試作一号の出来に満足はしたが、上層部は小規模会社のバンタムに量産能力があるか疑問を持っていたそうです。
大規模工場を持たないバンタムには短期間で万単位の量産は荷が重過ぎるととらえ、ウィリス・オーバーランドとフォードにバンタム社の設計図を与え、3社体制でこの偵察用小型車両の量産に挑む事になりました。
しかし、最終的には長年軍に物資提供をしていたウィリスに大量生産を依頼し、ウィリスはフォードと提携して小型偵察車両『MB』を提供する事になります。
この『MB』は誰もが性能を認める車両だったのですが、正式名称が有りませんでした。

そして最終的に命名された名前は
「Jeep」
です。
ジープ(←Wikipediaより)
戦士の頼れる相棒となった「四輪駆動車」
その後、農作業向けにオプションを増やし発売。
しかし、おかしな現象が起きました。
購入者のほとんどが戦場を共にした「帰還兵」であった事。
その帰還兵が道無き道を進む楽しさを肌で感じていた「経験者」であった事。
まさか、今日に繋がるクロス・カントリーの文化がここで構築された事。
実に感慨深いノモがあります。
・・・俺だけですかね?(笑)
1949年に四駆のステーションワゴンが登場し、家族をどこにでも導いてくれる車両でありSUVが誕生した瞬間となります。
そんなJeepの大活躍も、脅かす存在が登場します。
初めから農家向けに登場した「ランドローバー」でした。

すぐに人気が爆発し、消防や警察・軍にまで採用され、冒険家にも愛用される事になります。
その為、世界の人口の4割が初めて見た車がローバーだったとか(笑)
そして、ここからまたおかしな事になります。
オフロード愛好家が増える
↓
車の限界に挑戦したくなる人が増える
↓
もっと過酷な地にチャレンジしたくなる
↓
改造が必要
↓
テクニックが上がり、更に過酷な地を目指す
↓
改造が必要
↓
更にテクニックが上がり
↓
改造が必要
↓
気が付けば原型を全く停めず車検に通らなくなる
↓
公道を走れなくなりトレーラーで目的地まで運ぶ
・・・何かに似てね?(笑)
結局の所、探究心って共通してるんだね(笑)
しかし、見終わって思った事。
車の文化が発生して既に100年以上経ち、ようやく内燃機関からモーターに駆動力を変える進化が始まりました。
ここ急激に進化をしてきた文明で、車の進化って遅過ぎやしないか?
先駆者のお陰でこんなにも楽しめる生活を送れているのに、変な利権等でその先駆者の想いに泥を塗ってやしないか?
ふと、その想いにモノ思う次第であります。
最後に、こう言った番組とかの感想って著作権うんぬんに引っ掛かるなら早急にこのブログは消去しますので、ご指摘頂けると幸いです。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2013/01/27 09:24:47