<2022/02/03更新>一部画像追加
イヴォークに限らず全てのメーカーに置いてそうだと言えそうなのですが、シートについてははっきりと本革・合皮・ファブリック等の記載があるにも関わらず、ダッシュボードやドアトリムと言った部分の素材がなんであるかは、一切説明がないものが多いように思います。
そうは言っても、新車価格500万以下であれば基本ハード素材、良くてソフトパッド(合皮)であり、グリップやシフトレバー、ステアリングと言った随所に本革が使われることはあるものの全体的にレザーである、といったインテリアはほとんどなく、ましてや炎天下では最もダメージを受けやすいダッシュボードにおいては本革が使われることはおそらくありえません。
4桁を超える超高級車のダッシューボードは逆に、基本的に車庫保管であり常時紫外線にさらされる駐車環境にないことがさも前提であるかのように本革であることが多いのですが、問題は500~900万台の超がつかない高級車と呼ばれるクラスにあります。
特に最近は合皮であってもステッチがアクセントとして縫われているものが多く、またぱっと見た感じでは本革にしか見えませんし、通常一般的にはそこまでダッシュのマテリアルがなんであるかは気にも留めない人が大半だと思いますので、だからこそカタログにもわざわざ「ここは合皮です」なんて書くことはないように思えます。
しかし、私のように「これ本革なの?合皮なの?」というところに異常なまでに気にする民にとっては不親切どころかクレームものレベルの記載のなさに怒りを覚えつつ、そうは言ってもディーラーに聞くのも消極的な性格上困難を極めるし、むしろ簡単にはわからないからこそ今回のようにカタログを集め隅から隅まで読み、カーセンサーの登録車両の画像を何百倍と拡大し凝視し、Youtubeの紹介動画をリモコンの巻き戻しボタンが擦り切れるまで再生し真実を突き止めることに楽しみを見出す次第となります。
前置きの3行目からそっ閉じする人が大半であろう中ここまで苦痛に耐え読んでくれた方には申し訳ないのですが、以降もまた長い長い本題、しかも画像なしが続きます。
そう、これは「オックスフォードレザーって何?」という疑問から始まり「イヴォークのシート以外の素材って結局なんなの?」を個人的に調査した結果を共有したいという趣旨のブログになります。多分、ここまでイヴォークのダッシュボードに関心を示しまとめた記事は世界中どこ探してもないと断言できます(笑)

イヴォークの2012YMのカタログにて、Pureグレードの説明欄には「パーシャルレザー」と「フルグレインレザー」を用いているという記載があります。
また、標準シートの説明には「Diamicaおよびグレインレザーシート」と記載があり、写真や実車を見ると2素材のツートン仕様となっています。
Diamicaとは、調べると旭化成の人工皮革と出るのでそれかと思ったのですが、仏のカタログに伊のMIKO社の商標登録であるという記載がありました。アルカンターラ調の合皮のようです。

また、ダッシュボードとダッシュ横(ミッドセクションと表記)には「ソフトタッチ素材」と記載があり、こちらも合皮であることがわかります。記載はありませんが、ドアトリムも同素材かと思われます。近くで見るとツブツブ感のあるパターンがはっきりとわかる見た目をしています。

Pureグレードはオプションでシートをフルレザーにすることができ、これにより「グレインレザー」シートとなりますが、このオプションでもダッシュボード周りとドアトリムは本革仕様にすることができないようです。
一番最初に出てきたパーシャルという単語の意味は「部分的」ですが、これは「ソフトタッチ素材」のことを指して言っているのかと思いました。というのも、この「ソフトタッチ素材」はベースは合皮ではあるものの、本革のチップを混ぜ合わせたものですので、部分的にレザー、という意味でパーシャルレザーなのかもしれません。
しかし、シートの中でDiamicaとグレインレザーをそれぞれ部分的に使っていることを指してシート全体をパーシャルレザーと言っている場合も考えられ、どちらが正しいのかは資料からはわかりませんでした。
ただ、このDiamicaですが2013YM以降のカタログ(日本仕様のカタログが手に入らなかったので、英・米を参考にしています)には設定がないように思われます。にも拘わらず、随所でパーシャルレザーの記載があることから、前者の推測で正しいように思えます。
また、2013.2(2014YM?)とある英のカタログを見ると、パーシャルレザーに注釈で「グレインレザーとオックスフォードレザーには、特定の耐衝撃性のあるいくつかの非レザー素材が含まれている」とあります。オックスフォードレザーも差すのであればなぜパーシャルレザーに対してのみ注釈を入れているのかは謎でそうなると本革チップを混ぜたソフトタッチ素材=パーシャルレザー説が崩れてしまうのですが、この記事でこんなに素材の解明に苦労するくらいに定義は曖昧なので良しとすることにしました(笑)
ちなみに、車のシートは本革と名乗っていてもどんなに高級車でも現代の車は表面はほぼ革ではないので、オックスフォードレザーにおいてもこのような表記がされることは納得はできます。米だと本革じゃないじゃないか!ってクレームきそうですしね(笑)

Prestageでは一転、ダッシュ周りとドアトリムを含むソフトパッド部分は全てオックスフォードレザーとなります。オックスフォードレザーはオックスフォード近郊で生産されたものと解釈しているのですが、オックスフォードが指すものは生産地であって、オックスフォードレザーもグレインレザーの一つです。にも拘わらず、Pureで使われる本革をグレインレザー、Prestageで使われるレザーをオックスフォードレザーと明示的に記載を分けているということは、違うレザーが使われているのだと推測できます。
実際、Pureグレードのシートにおけるグレインレザー部分はシボがはっきりとしているもの、prestageグレードのシートを見るとシボがなくしっとりとした見た目をしています。

DynamicもPureに近く、基本的にシートはグレインレザー、ダッシュ周り、ドアトリムは「ソフトタッチ素材」になります。ただしDynamicのレザーは頭に「パーフォレイテッド」がつき、これは直訳すると「穴あき」という意味で、その名の通り規則的に穴が開いた模様となるレザーとなります。
また、カタログ上にはDynamic Plusというグレードもあり、こちらはPrestageと同じくシートもダッシュ周りも「オックスフォードレザー」となり、さらに「パーフォレイテッド」仕様となります。しかし、2013YMのニュースリリースを見ると、このYMから初めてDynamic Plusが”パック(オプション)”として導入されたようで、日本に置いてはグレード扱いされていないようです。このDynamic Plusはカーセンサーやグーネットなどの中古車販売サイトにおいてもグレードの選択肢にはなく、Dynamicで括られていることからもわかります。
上記3グレードとも、ステアリングは全て「オックスフォードレザー」であることが明記されており、またDynamicにおいてはやはり「パーフォレイテッド」仕様となっています。
前期モデルについてまとめると、私のように「インテリアにおいても真のフルレザーじゃないとダメなんだ」という方はプレステージorダイナミックのPlusパック付の2択となります。
続きます。
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2022/02/01 23:15:33