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2011年09月01日

チャップマン・ストラット

チャップマン・ストラット あっという間に月末になっちまった…
さて、今日も、昨日の続きというか、連想ゲーム状態で1ネタ書いてみたいと思う。

革新的なアイデアで、たくさんのレースカーやスポーツカーを世に送り出した、ロータスの創設者「コーリン・チャップマン」だが、ロータス12(F2)に始めて採用したのは、マグネシウム・ホイールだけでなく、自身の名前を冠した「チャップマン・ストラット」もその一つ。
開発当初は、リヤアクスルがリジッド・タイプのド・ディオン式を採用したが、このチャップマン・ストラットに変更された。

ストラットというと、マクファーソン氏が発明した「マクファーソン・ストラット」が一般に知られるところだが、「チャップマン・ストラット」の最大の特徴
はハーフシャフト(ドライブシャフト)をサスペンション・アーム(ロア・アーム)として使ったもの。

元々ストラット式サスペンションはフロント用として開発されたらしいが、それをリヤに初めて使ったのが、チャップマンだったという話もあるから、フロント用=マクファーソン、リヤ用=チャップマンという広義の捉え方もあるらしい。
これはなんかウソくさいな。と個人的には思う。

ちなみにロータス12はデュアルリンク式と言って、ハブの前後方向の動きを規制するのは、一本のラジアス・アーム。

同1957年にFRPモノコック構造のスポーツ・クーペとして、衝撃のデビューを果たしたロータス・エリートは、当初デュアルリンク式だったものが、その後、シリーズⅡへの以降の際、逆ウイッシュボーンタイプのAアーム式になったことで、ハブキャリヤの前後を拘束し、トー変化をより少なく対策している。

そして、写真はロータス・エランのモノ。
1962年にエリートの後継として開発されたスポーツ・カーだが、FRPボディーの中に鋼板バックボーン・フレームが仕込まれ、安価に高性能を実現している。
リヤ・サスペンションもモディファイをされ、エリートと同様のアルミ製ハブ・キャリヤを基点とするストラット方式ではあるものの、ハーフシャフトをアームとする方式を改め、ロアアームは台形構造となって、前後左右の動きを規制するものになっている。
その証拠に、エリートのハーフシャフトはクロスジョイント式、エランはゴム製のカップリング(ラバー・ドーナツ)を使っているから、ジョイント部にアームとして使える剛性はない。

つまり、もしも…
駆動軸がサスペンションアームとなっている方式が、「チャップマン式」というなら、エランはチャップマン・ストラットではない。
さっき、リヤ用に使ったら、「チャップマン式」という話もあったが、これは…??
だったらトヨタ・MR2も、ダットサン・S30Zもチャップマン・ストラットになっちまう。

あくまでも、個人的見解だが、チャップマンが考えて作ったリヤストラットはチャップマン・ストラットなんじゃないかな?と…
だいたい、チャップマン本人が「これはチャップマン・ストラットって命名!」って言ったわけじゃないんでしょ?誰かが後付けしたんじゃないのかね?


ちなみに、某大規模辞書サイトで、ロータス・ヨーロッパがチャップマン・ストラットかのように書いているが、ヨーロッパはストラットじゃないから!
確かに、アッパーアームとしてハーフシャフトを利用しているけどね。

それから、いろんなところに、「チャップマン・ストラットは駆動がかかると動きが悪くなる」的なことが書かれているけど、ホントにそうなのかね?
そうならないように、余計なアームを付けなかったんじゃないのかな?

詳しい方、屁理屈しか言えない小生にどうかご教示を!

今日はちょっと毒舌してみました。(^^)
ブログ一覧 | 英車 | クルマ
Posted at 2011/09/01 02:02:15

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この記事へのコメント

2011年9月1日 9:21
SEVENのフロント・アッパーアームとスタビに共通するところがありますよね。
諸説は色々ありましたが、挑戦的な発想や独創性に取り組む姿勢が好きです。。。(笑
コメントへの返答
2011年9月2日 1:30
super7starsさん、こんばんは。

今がこんなに楽しい時代なのは、チャップマンをはじめ、たくさんの発明者が居たおかげですよね。
明日は、ド・ディオンアクスルについて書いてみますかね。
2025年8月7日 11:46
チャップマン・ストラットの画像を検索していて、たまたまこちらに来ました。
自動車工学の研究者で、専門は操縦安定性と懸架装置です。
15年も前の記事なので、読まれるどうか判りませんが、検索でここに来たヒトのために、ちょっと書き込んでおきます。

※チャップマンストラットとは。
 機構学的には、貴殿のご指摘通りです。
 ハーフシャフトをロアリンクとして使い、アッパリンクはストラットが担うものです。

※チャップマン・ストラットを『マクファーソンを駆動輪につかった例』と記述した書籍もありますが、間違いです。機構学の知識が無いヒトや、サスペンション・ジオメトリについて深く考えたことが無いヒトが書いたと思われます。

※初代エランのリヤは、ハーフシャフトがサスペンションリンクとして機能していないので、チャップマン・ストラットにはなりません。機構学的には、単なるマクファーソン・ストラットです。

※ロータスのサスとしてやたら有名なチャップマン・ストラットですが、市販車で使われた例は1台だけ、初代エリートです。
 非常に簡潔で完全に機能する素晴らしいサスですが(なにしろ使われているサスペンションリンクは、わずか1本です)、しかし機械設計が稚拙なため(つまり『設計ミス』が多いと言いうこと)、評判を落としました。

※もっとも。
 チャップマン・ストラットは、①ロールセンタがあまり下げられない ②ハーフシャフトとデフケースに想定していない力がかかる・・・と言う構造的欠点を持ち、設計ミス以前に汎用性(他車への展開性)は低いです。
 チャップマン・ストラットが生まれた背景に、当時はスイングアクスルが流行っており、引張/圧縮や曲げなどの力がかけられるハーフシャフトと、ケース自体に横力がかけられる『丈夫な』デフがあったから、と言う点が大きかったと思われます。
 現代のハーフシャフトに引張/圧縮など掛けたらすぐにCVジョイントが壊れ、デフケースが割れるでしょうね。

※ついでに言うと。
 ロータス各車の『強いニュートラルステア』『執拗なトラクション』『しかし限界ではオーバーステアに転じる』F1マシンみたいなハンドリングは、リヤのロールセンタが高く、柔らかいばねが使えることが理由です。(エスプリまでのロータスのリヤサスには、スタビライザは装着されていません。これはロールセンタがかなり高いことを意味します。)
 コーリン・チャップマンは、リヤのロールセンタを高めに設定することをハンドリングの特徴としており、ロールセンタが高めに出るチャップマン・ストラットは『うってつけ』だったと思われます。

※しかし。
 リヤのロールセンタを高め過ぎると、横転し易くなります。
 クルマの横転し易さは、’50年代~’60年代に社会問題化したほどの大問題となりましたが、ロータスでは、徹底した低重心化を進めて対応しています。
 ロータス各車の『異常な低さ』は、『ロータスのハンドリング』を得るためには必要不可欠だったということです。

※ヨーロッパ全モデルとエスプリS2までのリヤサスは、アップライトはハーフシャフトとロアリンクが『位置決め』しており、一方『ストラット』はアップライトの位置決めに関与していないため、つまり単なるダブルウィッシュボーンです。
 これらは『チャップマン・ウィッシュボーン』と呼びたくなりますが、ハーフシャフトをサスペンションリンクとして使うアイデアはヨーロッパ登場以前に存在し(有名なところだとジャガー・Eタイプのリヤ)、コーリン・チャップマンが発明したわけではありません。

・・・尚、最後に。
 チャップマン・ストラットを機構学的に正しく理解している(=正しく分析出来ている)ヒトは、評論家やジャーナリストではほぼ皆無で、ワタシの同業者(サスを設計したり研究したりしているヒト達)でも滅多に出会いません。
 今ではもう、デュボネやスライディングピラー同様『忘れ去られたサス形式』『知らなくていい知識』になってしまったってことなんでしょう・・・上記でしつこく言ってる『機構学』も、大学では既に教えなくなって久しいし。(機構学は、今では『新しい発見は生まれない、行きついた学問』とされ、大学の教育課程から外されています。ワタシ、某大学で『レーシングカー設計法』的な講義もやってますが、機構学を知らない学生にサス設計の『カンどころ』を教えるのは、結構難しいです。)

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