
フジトモからバトンタッチして、岡崎五朗が再びお付き合いをさせていただきます。さて、再登場第1弾の話題として、今回は電動パワーステアリング(EPS)と可変ギアレシオステアリングの話しを紹介することにしましょう。
EPSとは、従来の油圧式に変わって登場した、電気モーターでステアリングをアシストする仕組みのこと。油圧式パワーステアリングはアシスト用の油圧を常に確保しておかなければいけないため、油圧ポンプの常時駆動に必要なエネルギーがバカになりません。その点、EPSはステアリングを切ったときだけモーターに電流を流せばOK。結果として、3~5%の燃費低減効果を期待できます。また、制御の自由度が油圧式より格段に高いのもEPSの長所です。
とはいえ、一昔前のEPSはステアリングフィールに問題を抱えていました。原因は2つあります。一点目はチューニングの自由度が高いがために制御プログラムが複雑化せざるを得ず、最適解をなかなか見つけられなかったこと。あるエンジニアなどは「EPSの制御プログラム開発は悪魔的」とまで言ってました。
もうひとつは、コストとの戦いです。未熟な制御プログラムでもEPSのフィーリングを向上させる方法はわかっていました。サスペンション側でキャスターアングルを強くとると、ステアリングが中立付近に戻ろうとする力が強まります。その強い反力を大きく重く出力の高い大容量のモーターでアシストしてやることです。ゴルフとしては初めてEPSを採用したゴルフ5などはその典型例でした。
それに対して、コストを十分にかけられない日本のコンパクトカーは、フィーリングを見切って低コストを選択。ティーダや初代フィットのステアリングフィールが酷かったのはそのためです。
では、スイフトのEPSはどうなのか? 実はここに、可変ギアレシオステアリングと関係した深イイ話しが隠されているのです。
続きは次回!
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2010/11/21 22:05:01