全開走行専用非所有型セカンドカー? @ Nordschleife (Y2007) :D
生産台数 4,581 (LHD 3,529 / RHD 1,052)
【E86 Z4 M Coupe Press Release (Long version) @ Jan., 2006】
1. BMW Z4 M クーペ: 真の個性派のための究極の駆けぬける歓び
「究極のドライビング・マシン」- BMW Z4 M クーペほどこの言葉に相応しいクルマはかつてありませんでした。2シーターとは、新次元の運動性能を完全に制御下においた運転を楽しみながら、常に自分の個性的なスタイルを証明したい熱烈なファン向けにて設計・製造されるクルマだと考えられています。
この純粋なスポーツ・カーは、BMW Z4 M クーペのハンドルを握ることができる幸運な人だけの感情を強烈に掻き立てるわけではなく、寧ろ、この卓越したドライビング・マシンであるニュー・モデルを日々目にした人全てが称賛するような、純粋で人目を引く存在です。エキサイティングでありながら全く飾り気のない外見は、 熱心なスポーツ・カー・ファンだけでなく、真の成功を収めた個性あるカー・デザインを強く支持する人たち全てに感動を呼び起こすのです。この新型クーペはひと目見ただけで典型的な BMW だと分かりますが、同時に比類ない高性能スポーツ・カーであることを明確に主張しています。そのデザインからも、BMW Z4 M クーペはそのパフォーマンスを明確に主張しています。また調和のとれたボディ・ラインは、驚異的なエンジン・パワーを、滑らかに、安全に、本物のスタイルで路面に伝えることができる理想的なバランスのドライブ・コンセプトを反映しています。
また、BMW Z4 M クーペは BMW Z4 M ロードスターと密接な関係があることを明確に示しています。どちらのモデルも、フロント・エンドやリア・セクション下部に はっきりと類似性が見て取れます。しかしサイドから見ると、BMW Z4 M クーペ はロードスターとは明らかに違うフォルムが光彩を放ちます。人目を引くルーフ、 リア・サイド・ウィンドウ周辺の固定ルーフ・モデル特有のボディ・ライン、独特の表情を演出する大型テールゲートは、ひと目見ただけでこの高性能スポーツ・カーが力強いキャラクターの持ち主であることを示しています。
最高のパフォーマンスと比類ない俊敏性を通じて、BMW Z4 M クーペはオープン・ロードスターをベースにした固定ルーフ・スポーツ・カー・コンセプトが示す最高のポテンシャルを見事に証明します。間違いなく、この量産モデルは期待を裏切らないばかりでなく、むしろ 2005 年 9 月のフランクフルト・モーター・ショーに集 まった多くのスポーツ・カー・ファンに広がっていたBMW Z4 クーペ・コンセプトに対する期待を著しく上回るクルマになっているのです。
BMW Z4 M クーペのようなクルマが一般的な利用状況における実用性を証明しなければならないというのは極めて稀な現象ですが、自動車に関する評価が日常の走行にも大きく関係しているという事実は見逃すことができません。BMW Z4 M クーペはクラス最高の駆けぬける歓びを実現し、ドイツの有名なサーキット、 ニュルブルクリンク北コースで特別なキャラクターを証明するだけでなく、田舎道をゆっくりと走行しているときにも見せる魅力的な俊敏性や、エンジン・パワーと動力性能についてもほぼ無限の可能性があることを立証しています。一言で言えば、 BMW Z4 M クーペの外観、エンジン・パワー、運動性能は、全てあらゆる点で細部まで実に魅力あるパーフェクトな成り立ちだということになります。

2. BMW Z4 M クーペのデザイン: よみがえる感動
極限まで追い込んだときでさえ優れた安全性を発揮する高性能スポーツ・カーとして普通にその運動性能を楽しむのか、それともレーシング・カーにしか見られないパフォーマンスを操るのか、BMW Z4 M クーペは経験豊富なドライバーに選択権を与えます。同時にこの比類ないツー・シーターは、そのデザインにおいて、 最高のスポーツ性能と申し分のない美しい外観がかつてないほどの調和を見せています。ダイナミックな走行特性と俊敏性を明確に示す BMW Z4 M クーペは、 パワフルなフォルムとバランスの良いプロポーションによってその魅力をアピールしています。BMW Z4 M クーペは、純粋なスポーツ・カーを象徴する迫力の外観と、非常に魅力的なデザインが渾然一体となっているクルマです。
(印象的な顔を持つアスリート)
BMW Z4 M クーペを正面から見ると、躍動感あふれるパフォーマンスを予感させる独特の表情をしています。「標準」モデルのBMW Z4 クーペと同様に、エンジン・フードのラインは全てキドニー・グリルに向かって流れる一方、下からキドニー・グリルまで伸びるエア・インテークのラインは、見る人の目をさらに車両下側の幅広いトレッドへと誘います。
これらのラインとエア・インテーク・ラインによる「X」シェイプのフロントは、ダイナミックで非常に存在感があり自信に満ちた表情をしています。路面を確実に捉え続けるBMW Z4 M クーペは、文字通り路面に張り付いたように見えます。中央のエア・スクープと両側にある2個のエア・インテークは、エンジンとブレーキに大量の冷却用エアを供給すると同時に、逞しいボディに途方もないパワーが秘められていることを明示しています。
エンジン・フードにの印象的な 2 本の正確なラインは、さらにパワフルなフォルムを与えています。このラインに挟まれるように形成される曲面は、エンジン・フード の下にとりわけ高性能のパワー・ユニットが隠されていることを物語っています。
この2本のラインはエンジン・フードの運転席と助手席付近からエンジン・フードを通ってフロント・エンドに深く埋め込まれたキドニー・グリルまで伸びており、エンジン・フード全体を「標準」モデルよりも長く見せています。ホワイト・ターン・インディ ケーターはカーブを描いてデュアル・ヘッドライトの下へと回り込み、ライト・リングのポジション・ライトは M クーペに BMW 特有のデザインを夜間に演出します。
(パワーと丈夫さを明確に物語るボディ・デザイン)
A ピラーから後方へと伸びたルーフは、ゆるやかなカーブで優雅にテールへと流れています。BMW Z4 M クーペのルーフ中央は、多くの著名なスポーツ・カーがそうであったように、内側が低くなった独特の曲面を持っています。この伝統的な特徴をモダンなスタイルに解釈し直し、極めて低い姿勢と躍動的で俊敏な表情を与えています。
サイド・ビューは、スポーツ・クーペ特有のシルエットです。低いルーフは後方に向かって優雅な曲線を描いてリア・サイド・ウィンドウのBMWの特徴である「ホフマイスター・キック」まで達し、BMW Z4 M クーペに独特な視覚的効果をもたらしています。
この印象はさらに後方に移動されているキャビンによって一段と高まります。サイドから見ると、ボディにしっかりとはめ込まれた BMW を代表するデザインのリア・サイド・ウィンドウによって、BMW Z4 M クーペの印象的なウィンドウ形状が強調 されます。フロント・サイド・パネルに描かれる斜めのラインを強調する白と青の BMW エンブレムには、ホワイト・ターン・インディケーターが組み込まれています。 このBMWロゴのすぐ横にある「M」のエンブレムが、この比類ないスポーツ・カーの血統を証明しています。
(後ろから見ても極めてパワフル)
後ろ側から見たとき、ルーフ中央部分が低くなっていることも魅力のひとつであり、 この新型スポーツ・カーのレーシング・スタイルを強調しています。その他の特徴としては、横長のハイマウント・ブレーキ・ライトや、左右から覗くクロム仕上げのデュアル・テールパイプ、その間には水平に配置されたディフューザーがあります。 こうした全てが連携し合い、BMW Z4 M クーペに紛れもなくスポーティで独特の表情を演出しています。
グリーンハウス(キャビン部分)はダイナミックにリア・セクションへと流れ込み、パワフルで迫力あるホィール・アーチを強調しています。テール・ライトは Z4 M ロードスターと同様に導光ロッドを使用し、ハイマウント・ホワイト・ブレーキ・ライトと視覚的に一体となり、特に夜間では車両の幅広さを強調します。
最大容量 300 リッターを提供するラゲッジ・ルームは、スポーツ・カーとしては実に広々としています。ここには、例えば中型ゴルフ・バッグ 2 個を楽々と収納する ことができます。プライバシーを保護するために、一体型ロールアップ・カバーで容量 245 リッター分のラゲッジ・ルームを覆い隠します。
テールゲートは車両後部のBMWロゴに内蔵されたハンドルを使って開きます。ここにはラゲッジ・ルームのロック機能も用意されています。
(M デザインによる 18 インチ・ホィール)
ダイナミックなホイール・アーチは、BMW Z4 M クーペと M ロードスター専用に開発された軽合金リムを力強く際立たせています。ホィールはこのクルマのボディ全 体に漂うデザイン・イメージに基づき 5 本ダブル・スポークを採用。BMW M ファミリーとの関係を明確に示しています。見るからに軽そうで、18 インチのブレーキ・ ディスクまでがほぼ見通せる端正なシルエットのホィールは、BMW Z4 M クーペの高性能を強調します。
(スポーツ志向のインテリア)
BMW Z4 M クーペのインテリアは、スポーティで純粋さを感じるモダンな雰囲気を漂わせると同時に、非常に洗練されたデザインとスタイルを備えています。このインテリア・デザイン全体がインテリアの機能と連動して、調和のとれた総合的なコンセプトを実現しています。例えば魅力的なM レザー・ステアリング・ホィールはリム部分が力強い曲線で構成され、親指が確実にフィットするような形状をしており、常に安全なグリップと正確なハンドリングを約束します。
スピードメーターとレブ・カウンターは、非常にくっきりと読み取りやすい丸形メーターを採用しています。メーターの配色も BMW M の哲学をよく表しており、赤い指針と白色のバックライト照明が見事に調和しています。さらに、アルミ製のエントリー・トリム、レザー・ヘッドレスト、ステアリング・ホイール、照明付きシフト・レバー・ノブにもM ロゴが施されています。「標準」モデルとの違いは、エア・コンディショナーのベンチレーター・グリル、ドア・オープナー、ドア・ハンドルにパール・ グロス・クロム仕上げが施されている点です。
(カラーおよびデザイン・バリエーション)
インテリア・カラーはブラック、イモラ・レッド、セパン・ブロンズ・ライト、セパン・ブラウンの4 色が用意され、仕上げ方法の異なる2種類のソフト・ナパ・レザー・トリムから選択することができます。この 2 タイプのレザー・トリムは、完璧に仕上げられた専用ステッチ・パターンによって高級感を演出しています。
インテリアの装飾トリムでは、ヘキサゴン・アルミニウムの他にオプション装備のマディラ・レッド・ブラウン・ウォールナットやブラック・カーボン・ストラクチャー・レザーから選択できます。ルーフ・ライニングはアンソラジット・カラーの高級ファブリック製で、ルーフ中央の低くなった部分の曲面が、非常にスポーティな雰囲気を与え ています。
フロント・ウィンドウ上部には便利なサングラス・ケースがあります。リア・バルクヘッドの中央部分は、ルーフの窪みを反映して少し内側に湾曲させています。これにより後方への視界を改善しており、さらに室内を広く、オープンな印象にします。
ラゲッジ・ルームは洗練されたアンソラジット・カラーの高級ベロア仕上げになっていて、ロールアップ・カバーはブラック仕上げです。
セパン・ブロンズ(メタリック)、インテルラゴス・ブルー(メタリック)、イモラ・レッド (ソリッド)の 3 種類の専用 M エクステリア・カラーは、BMW Z4 クーペから受け継いだ 5 種類の標準エクステリア・カラーとともに、広範な選択肢を提供します。これらのエクステリア・カラーとインテリア・カラーが完璧に補完し合うことで、熱狂的なファンにとって全ての点で個性的な BMW Z4 M クーペにカスタマイズすることができます。
3. BMW Z4 M クーペのパワートレイン: ほとばしる情熱
BMW Z4 M クーペが最もスポーティで最もダイナミックな BMWの新型ツー・シーターであることに間違いありません。このクルマがおそらく最も有名な高性能 パワー・ユニットからパワーを得ていることを考えると、このことは驚くに値しません。そのパワー・ユニットとは、世界中のプロフェッショナルが真に卓越したエンジ ンとして認める、「M」の文字を誇らしげに身に付けたエンジン、つまり、BMW M3 にも搭載されている 3.2 リッター・ストレート・シックスです。卓越したサスペンション、クロス・レシオのトランスミッション、高回転・高出力のエンジンは、軽量・高剛性のボディシェルと完璧に連動して、最適なパフォーマンス、最高のダイナミズム、 真の卓越した俊敏性を発揮します。また、高回転型 M エンジンは、滑らかに、し かもタービンのようにダイナミックにパワーを立ち上げます。このサイズの量産エンジンとして、BMW Z4 M クーペに搭載された6気筒エンジンと同じ圧倒的な推進力を発生するエンジンはありません。
(高回転型 M エンジン・コンセプト
エンジン界の「オスカー」を 5 年連続受賞)
高回転型Mエンジン・コンセプトは、エンジンを高回転にすることで巨大なパワーと推進力を発生します。実際にBMW の 3.2 リッター6 気筒エンジンは、クラス最高のエンジンとして5年連続して「エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。結果的に、自動車業界のエンジンに関する「オスカー」を堂々と持ち帰りました。
このクルマの性能データは、M クーペの長く優美なエンジン・フードの内部に真のスーパー・アスリートを秘めているということを示しています。総排気量 3,246 cc の 6 気筒エンジンは、最高出力 252 kW(343 ps)/ 7,900 rpm を発生し、エンジン最高回転数は 8,000 rpmです。特に重要なことは、この桁違いのパワーとパフォーマンスを広い有効回転数域を通じて発生する点にあります。最大トルクの 80%にわずか2,000 rpmで達し、4,900 rpmで最大トルク 365 Nm を発生しま す。
リッター当たり出力77.6 kW(106 ps)を誇る 3.2 リッター・ストレート・シックスは、この点でも新しい次元に入っています。リッター当たり3桁を超える出力は、これまで純粋なレーシング・エンジンに限られていました。
(強烈なパフォーマンス)
最高出力343 psを誇るBMW Z4 M クーペの場合、1馬力あたりたった4.1 kgの重量を移動させるだけです。これだけでもこのクルマの卓越した走行性能がわ かるというものです。その結果、BMW Z4 M クーペは静止状態からわずか5秒で時速100キロに達し、80–120 km/h の追い越し加速(4速ギア)は5秒という極めて俊敏な性能を実現しています。最高速度は250 km/hに制限されています。
(高回転型パワー・ユニット - 最高の運動性能を実現する完璧なコンセプト)
エンジン技術の分野において最適なパワーとパフォーマンスを実現するには、いくつかの方法があります。第一の選択肢は、エンジンを大排気量化してエンジン出力を引き上げるという最も単純な方法です。しかしこの方法には車両重量が増加し、車両寸法が大きくなり、俊敏性が制限されるという面もあります。第二の可能性は、ターボチャージャーまたはコンプレッサーを使用する方法です。この場合、一般的なターボ過給式エンジンやスーパーチャージャー付きエンジンは、自然なレスポンスという点で多くの課題を残すというデメリットがあります。つまり、アクセル・ペダルの動きに対する迅速なエンジン・レスポンスが課題となります。しかも、これらのエンジンの燃料消費量が比較的多くなることは言うまでもありません。
残るのは第三のアプローチです。つまり、コンパクトで高回転型の自然吸気式エンジンというコンセプトです。実際のところ、極めてスポーティな特性を備えた全てのBMW M エンジンにとって、高回転域を使ってエンジン出力を高めるというこのコンセプトは、常に理想的な解決法でした。
このコンセプトの場合、自然なレスポンス、最高のパフォーマンス、最高のエンジン効率に関する多くの要求事項を満たすと同時に、車両全体の俊敏性をも最適化できます。それでもなお、エンジンが毎分 8,000 回転で作動しているときにピストンは秒速24メートルで動いているという事実を考えると、高回転型エンジン・コンセプトは技術的な要求事項も多く、したがって実際には困難な課題が多くあるということに変わりはありません。例えば F1マシンのパワー・ユニットは毎分18,000 回転以上に達しますが、ピストン速度は秒速約25 メートルで、BMW M シリーズの量産エンジンよりわずかに速いだけです。ここで考慮すべき重要な点 は、F1用エンジンが週末の2日間だけ使えれば良いのに対し、Mエンジンは長 い耐用年数を作動し続けることが求められている点です。つまり、長期間にわたり使用されるMパワー・ユニットに求められる信頼性とはほとんど比較にならないのです。
(単なる数値だけではないパワー)
自動車のパフォーマンスを判定する際に一番重要となるのは、駆動輪に伝達される実際のパワーと推進力です。この大事な要素はエンジン・トルクとトータルのギア比によって得られます。つまり、高回転型エンジン・コンセプトは、最適なギア比と最終減速比を完璧に連動させなければならないのです。
(高強度パーライト鋳造製クランクケース)
高回転・高燃焼圧力下で作動する必要があるため、BMW Z4 M クーペに搭載されているエンジンのクランクケースは高強度パーライト鋳造製です。グラファイト・ コーティングが施されたアルミ鋳造ピストンは、ピストン・クラウンに機械加工が施されており、オイル・スプレー・ノズルから噴射されるオイルで冷却されます。コネクティング・ロッドは鍛造スチール製の破断式です。
(ローラー式フォロワー付きのシリンダー・ヘッド)
一体成形による4バルブ・シリンダー・ヘッドは、BMW ランツフート工場の軽合金鋳造所でスチール製金型を使って鋳造されています。このシリンダー・ヘッドには、 触媒コンバーターを素早く暖機して最適な効率を得るために必要な二次エア噴射用エア・ダクトが組み込まれています。また、バルブは非常に正確なローラー・タイプのロッカー・アームによって制御され、バルブ・クリアランスは法定点検時にのみ調整する必要があります。つまり、走行状態にもよりますがメインテナンス・インターバルは最大40,000 kmごとに行えばよいのです。
(最適なエンジン・マネジメント)
BMW Z4 M クーペに搭載された高性能エンジンの機能は、全て専用に開発されたエンジン・コントロール・ユニットで制御します。この最新のシステムは、高速32 ビット・マクロコントローラーと 2 個のタイミング・コプロセッサーを使用して、複雑な機能データ、特にエンジンの最高回転数データを処理します。またこの高性能 エンジン・マネジメントは排出ガス値の改善にも役立ち、1 秒間に6,400 万回以上の命令を処理する能力があります。
吸気側と排気側の両方のカムシャフトを無段階調整するシステム(ダブル VANOS)は、システムに完全統合されています。統合されているその他の機能としては、高圧オイル供給、常時モニター可能なオイル・レベル・コントロール、電子制御式イモビライザー、エレクトロニック・スロットル・バタフライ・マネジメント、メンテナンスおよびサービス時期を詳細に判定する診断システムなどがあります。こ のコントロール・ユニットは、各シリンダーの点火タイミング、作動ストローク、最適な燃料噴射量、理想的な噴射タイミングを処理します。その後、最適なカム進角が計算され、それに沿ってカムシャフトが調整され、他のすべての作動条件への同期を行います。
(最適な充填サイクルを実現する高圧ダブル VANOS)
BMW のダブル VANOS 可変カムシャフト・マネジメント・システムにより、6 気筒 エンジンに最適なガス充填サイクルが実現されるため、極めて短時間で調整可能になります。実際に、これはパワーの増大、トルク曲線の改善、最適なエンジン・レスポンス、燃費の改善、排出ガスの浄化を実現しています。
(吸気側エア・フローの最適化)
レーシング・テクノロジーを反映して、各シリンダーには独立したスロットル・バタフライが装備されています。低回転時でもエンジンは滑らかに敏感に応答する一方、 ドライバーが最大出力を要求したときはどんな状況でも常に自然なレスポンスを維持するため、スロットル・バタフライは電子制御されています。そのため 2 個の ポテンショメーターでアクセル・ペダルの踏み込み量を読み取り、受け取ったデータを毎秒 200 回も評価しながら制御されています。
エンジン・マネジメントは作動状態が変化してもすぐに対応し、それに応じてスロットル・バタフライの開度を修正します。ちなみに、スロットル・バタフライはわずか 120 ミリ秒で全開位置に達します。また、電子制御スロットル・バタフライにより、 オーバーラン(惰走)状態から部分負荷状態へ移る際やその逆も完璧に調整されます。
(ツイン・チャンバー・エグゾースト・システム)
エグゾースト・システムの2個のファン・タイプ・マニホールドは、どちらも全長、直径が同じサイズに設計され、背圧を最小限に抑えています。エグゾースト・システム全体は 2 個のチャンバーを経由し、サイレンサーからBMWのMモデルを象徴する4本出しのテールパイプに達しています。
もう1つの重要なポイントは、BMW Z4 M クーペがこの種のクルマに期待される種類のサウンドを、特にリアの4本出しのテールパイプで創り上げている点です。 このエグゾースト・システムは、BMW Mの純粋なパワーを象徴するパワフルで迫力あるサウンドを発します。
各エグゾースト・ラインには、トリメタル・コーティングが施されて排気ガスの流れを 最適化したメタル・キャタライザーが2個装備されており、圧力損失を最小限に抑え、機械的強度と剛性に優れているだけでなく、冷間始動後のエンジンの応答時 間を短縮しています。もちろん、排出ガス値はヨーロッパのEU4基準をクリアしています。また、全体的なエンジン効率が高いため、最高の出力とトルクだけでなく 優れた燃費も実現しています。卓越したパフォーマンスを示すにもかかわらず、 EU テスト・サイクルにおける燃費は 100 km 走行当たりわずか12.1リッターです(無鉛プレミアム・プラス使用時)。
(ボタンを押すだけでさらなる運動性能を獲得)
エンジンを始動したあと、いつでもBMW Z4 M クーペを純粋なスポーツ・カー特有の極めて滑らかで繊細な調整のできるセッティングに切り換えることができます。 その際はドライバーがスロットル・バタフライ・コントロール用の SPORTスイッチを押すだけです。これにより、アクセル・ペダルのストロークとスロットル・バタフライの開度との関係がさらにスポーティな設定になるように制御マップを切り換えます。また、このとき電子制御エンジン・マネジメントのダイナミック・トランジション機能もさらに自然なレスポンスとなるように切り換わります。ドライバーはこのモードにより、アクセル・ペダル操作に対して BMW Z4 M クーペが一層自然に反応するというメリットを享受します。
(6 速トランスミッションによるシフトする歓び)
エンジンと適切なトランスミッションとの組み合わせは、高回転型エンジン・コンセプトにとって常に極めて印象的で良好な結果をもたらします。確かに、突出したエンジン・トルクを最適な推進力に変換するには、クロス・レシオのギアボックス以外にありえません。
6速マニュアル・ギアボックスは、こうしたニーズを全て完璧に満たします。この6速トランスミッションとファイナル・ドライブが組み合わされることにより、エンジン回転数の全域を通じて最適なパフォーマンスを発揮します。ショート・ストローク、小気味良く決まるシフト・フィール、クロス・レシオの 6 段ギア、これらはこの卓越したトランスミッションを代表する特徴でもあります。
4. BMWZ4Mクーペの シャーシおよびサスペンション: 駆けぬける歓びを限界まで
BMW Z4 M クーペは、高性能エンジンのもたらすパワーとトルクにより新次元の 運動性能を発揮します。これには類まれなエンジン・パワーだけでなく、完璧に対応できるサスペンションが必要です。
BMW Z4 M クーペのシャーシおよびサスペンションは、基本的なコンセプトや構造においてBMW Z4 M ロードスターと同様に設計されています。ただし、剛性や 曲げ強度に優れたボディシェルがもたらすプラスの効果を考慮して、Z4 M クーペ専用に造られています。これによりエンジンとサスペンションの相互作用はまれに見る完成度に達しました。
ドライバーがこの駆動コンセプトによるハーモニーをどれほど強烈に感じ、駆使し、 楽しめるかについては、全長約 20 キロにもおよび、世界で最も過酷と評される伝説のニュルブルクリンク・サーキットの北コースで実証されています。
この有名なサーキットをBMW Z4 M クーペが全速で攻めると、かつてBMW M3やBMW Z4 M ロードスターがマークした驚異的なラップタイムさえも凌駕します。 運動性能面で見た場合、Z4 M クーペは真に最高のパッケージを提供する一台 です。そのオールラウンドな走りは、サーキットだけでなく日常の走りでも絶対的な魅力を放ちます。
(卓越した安全性能を誇る完璧なハンドリング)
このモデルの開発にあたり BMW M GmbHの技術陣は、前後方向および横方向の運動性能を強化すると同時に、あらゆる点で最適なハンドリングを実現することに重点を置きました。そのためこの BMW Mモデルは、驚異的な速さと安全性を両立しています。BMW Z4 M クーペのシャーシを構成するコンポーネントは、 こうした強みを実現するための理想的な条件を備えています。
BMW Z4 M クーペは、BMW M3のシャーシとサスペンションから多くの装備や特徴を受け継いでいます。この中にはリア・アクスルの M ディファレンシャル・ロックも含まれています。ただし、ブレーキ・システムにはスーパー・スポーツ・アスリート BMW M3 CSLのものを装備しています。
BMW Z4 M クーペの基本的なサスペンション・ジオメトリーおよび寸法は BMW Z4 M ロードスターと同様で、トレッドはフロントが 1,486mm、リアは 1,516mm と なります。
BMW Z4 M クーペは、Z4 クーペよりも車高が約10mm 低く設計されています。 やや大きめのネガティブ・キャンバー設定にしたことで、高水準の運動性能や高い負荷にも対応する完璧なセッティングを実現しました。
(後輪駆動 - 究極の運動性能のための単純かつ完璧な構成)
重心を低くして後輪を駆動する構造は、調和の取れた挙動、突出したトラクション やパフォーマンスのためだけでなく、高速コーナリングに求められる最適な条件も備えています。そのため BMWでは、エンジンをフロントに搭載し後輪を駆動するという古典的な駆動コンセプトを採用しています。その理由は単に伝統を守るとい うよりも、この方式がもたらす物理的なメリットにあります。
後輪駆動方式のメリットは、安定性と俊敏性を完璧にバランスできる点にあります。 これら2つの性能は、車両の慣性モーメントによって決まります。慣性モーメントを左右する要素は、車両重量と重量配分です。BMW Z4 M クーペでは、この2つの要素が決定的な役割を果たしています。車両自体の軽さに加え、コンポーネントの中で最も重いエンジンとトランスミッションを重心に極めて近い位置に配置したことでバランスの良い重量配分を実現しています。また後輪駆動方式の場合、 駆動力の影響が直接ステアリング・システムに作用しないため、このモデルをはじめ全ての BMW に卓越したハンドリングをもたらすメリットとなります。
(突出した俊敏性と自然なレスポンスのためのバランスの取れた軸重量配分)
ドライバーの運転操作に対して俊敏で自然な反応を得るには、バランスの取れた 前後軸重量配分が前提条件となります。このようにパワフルなスポーツ・カーで俊敏な走りを安全に引き出すためには、常に4 輪が確実に路面と接している状態を維持する必要があります。BMW Z4 M クーペの重量配分が前後のアクスルにほぼ50対50の割合で配分された理由は、ここにあります。こうした完璧な軸重量配分は、トラクションばかりでなく、ブレーキング時の制動効果もさらに高めます。
(俊敏でアクティブな走行特性 - どこまでも BMW)
低重心、後輪駆動、バランスの取れた軸重量配分、ロング・ホィールベース、ボディの高いねじり剛性、ボディ・サイズに比べてワイドに設定されたトレッド。これらは俊敏性と安定性に優れたサスペンションに不可欠な要素です。これらが一体化されたことで、BMW Z4 M クーペは俊敏性と運動性能の両面で、このクラスにかつてない基準を確立しました。
(新開発のフロント・アクスル)
シングル・ジョイント・フロント・アクスルには、マクファーソン式スプリング・ストラットが装備されています。これはBMW Z4 M ロードスターとBMW Z4 M クーペのために専用開発されたもので、鍛造アルミ製トラック・コントロール・アームを採用し、ばね下重量を最小限まで抑えています。シャーシのコンポーネントとボディをつなぐマウントは、強度に優れるだけでなく重量も最適化されており、かつてないほど高いレベルのステアリング精度、ひいては正確な走りをもたらします。
フロント・アクスルのサブフレームには、ステアリング・ギアボックス、アンチ・ロール・バー、トラック・コントロール・アームが取り付けられています。このサブフレームは U 字構造になっており、厚さ 3mm のアルミ製パネルで補強されています。 このパネルでボディ構造全体の横剛性を強化しています。これによって常にスムーズで正確なレスポンスを得られ、俊敏性が向上し、ホィールの動きを最も高い効率でボディに伝えることが可能になりました。その結果、大きな横方向加速度下での応力を最小限に抑え、運動性能と車両の挙動をさらに改善することがで きました。
スプリングとダンパーのマウントを組み込んだフロント・アクスル・サポートは、精密なホィール・ガイダンスを実現し、路面の荒れた箇所や凹凸の影響を効果的に除去する役割を果たします。マウントとサポートを的確なジオメトリーに従って配置したことで、ホィールの角度変化を抑え、キャスター角を大きくすることができました。こうしてBMW Z4 M クーペは快適性を損ねることなく優れた俊敏性を発揮するとともに、ドライバーへ路面の状態を的確にフィードバックできる一台となりました。
(安定性に優れたリア・アクスル)
セントラル・アーム式リア・アクスルは、片側に2本のトラック・コントロール・アー ムと1本の縦方向アームを備えた設計で、ツイン・チューブ・ガス封入式ショック・アブソーバーとアンチ・ロール・バーを装備しています。アッパー・トラック・コント ロール・アームはアルミ製で、縦方向アームは左右いずれもボディ中央部に固定されています。またリア・アクスルからボディシェルのフロア部分にかけて、補強用 の V 字バーが装備されています。これらが一体となった精巧な設計によって、 BMW Z4 M クーペは安定性の高いハンドリングを実現すると同時にステアリング操作によって用意にクルマの姿勢をコントロールできるようにしています。
スプリング、ダンパー、アンチ・ロール・バーは、スポーツ性を重視した固めの設定 になっています。これによって常に高水準のロードホールディング性能を発揮するとともに、ドライバーに対して路面の状態をダイレクトにフィードバックします。また高剛性ボディは不安定な動きや振動、ロール、ピッチングを最小限に抑え、高速でダイナミックに駆けぬけるときでもドライバーに安心感と確かなフィーリングをもたらすばかりでなく、瞬時に加速し、すばやくコーナーを立ち上がることも可能になります。
ワインディング・ロードを走るときやコーナリング中にブレーキをかけたときのよう に荷重移動の激しい状況でも、BMW Z4 M クーペはヨーイングに対する極めて高い安定性を発揮します。このため高速走行中でもダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)を作動させる必要がないほどの高い安全性を提供します。走行快適性と静かさの点でも平均を大きく上回っています。
(ステアリングがもたらす究極の精密さ)
BMW Z4 M クーペには、油圧式ラック・アンド・ピニオン・パワー・ステアリングが装備されています。油圧によるアシストによって、ドライバーは素早くダイナミックにステアリング操作ができ、スポーティな走行スタイルに相応しいメリットを得ることができます。BMW M モデルに求められる高い基準に従い、フロント・アクスルは運動学に基づいた特殊な設計が施されているため、ステアリング・システムにおいても高い精密さや方向安定性、ドライバーに路面の状態を最適に伝える能力、 ドライバーの操作に対する自然なレスポンスを実現しています。
(最高の制動力を生み出す高性能 18 インチ・コンパウンド・ブレーキ)
ダイナミックに駆けぬけるには、必要なときにいつでも強力な制動力を発揮できな ければなりません。BMW Z4 M クーペがBMW M3 CSLの極めてパワフルなブレーキ・システムを採用している理由はここにあります。このシステムは、フローティング・キャリパーを採用した18インチ・サイズの高性能コンパウンド・ブレー キ・システムです。ねずみ鋳鉄製ブレーキ・ディスクのベンチレーテッド式フリクション・リングは、鋳込まれたステンレス製のピンによってアルミ製ブレーキ・カバーにフローティング・マウントされています。これによりブレーキ・ディスクに作用する熱負荷が減少し、ディスクの寿命を伸ばしています。 こうした設計の結果、高速でダイナミックに走行する際、作動温度が高く、極端に大きな負荷が作用する状況の中でもフェードを起こさない優れた安定性を実現し ています。またフローティング設計であるため、ブレーキ・ディスクの歪みや、それ を原因とする制動力の大幅な損失に伴うトラブルを防止しています。このため、ディスクが振れてキャリパーに接触することもなく、最適な制動能力を実現するためのメリットを提供しています。
システム全体を最適に冷却するため、ブレーキ冷却用エアはボディ外側に設けられた2ヶ所のエア・インテークからフロントのエア・ダクト経由で、システム中最も高熱の発生する箇所へ流れます。
フリクション・リングにはドリル・ホール加工が施されているため、ディスク重量はフロント側で0.7kg、リア側で0.8kg軽量化されました。これによってばね下重量がさらに軽減されるため、シャーシとサスペンションのスムーズで優れたレスポンスがいっそう強化されます。
また、ディスクに施されたドリル・ホールの配置と形状は、長い期間をかけて入念 に繰り返されたテストによって最適化されたもので、ドライ、ウェットいずれの路面でも卓越したブレーキ性能を発揮します。
ブレーキ・ディスクはフロントの直径が345mm、厚さが28mm で、リア側の直径は328mm、厚さが 20mm です。これにより卓越した制動力が生み出されます。 BMW Z4 M クーペのブレーキ・システムには、10インチのマスター・バッグが装備されているため、時速 100 キロからでもわずか34mで停止できます。このようにBMW Z4 M クーペは、生粋のスポーツ・カーが競合するセグメントで制動力でもトップクラスの座を占めます。
(専用デザインのホィール)
BMW Z4 M クーペには、フロントに18インチの8Jホィールと 225/45 ZR18タイヤ、リアも18 インチの9Jホィールと255/40 ZR18タイヤが装着されます。ラバー・コンパウンドおよび寸法は、路面がドライ、ウェットのどちらの場合でも、左右・前後方向へより大きな力を最適かつ精密に伝えるために考案されたもので、 ダイナミックなスタイルで走らせるドライバーに対し、的確に路面状況をフィードバックします。
軽合金製ホィールは、BMW Z4 M クーペとBMW Z4 M ロードスター専用開発品です。パワフルな造形美に精密なラインが一体化され、BMW Z4のボディが放つ目を見張るようなデザインにマッチしています。BMW M モデルならではダブルスポーク・デザインです。
この専用ホィールは見るからに軽そうな外観ばかりでなく、内側の大径ブレーキ・ディスクがほぼ完全に見えており、BMW Z4 M クーペのキャラクターである高性能を強調しています。同時にこのホィールは内部にも優れた特徴を備えています。 空気圧が低下したときにタイヤが脱落しないように、ショルダー部はエクステンデッド・ハンプ(EH)と呼ばれる特殊な形状になっています。BMW M モデル独特の「安全に止まることができる」という原則を確かなものにする特徴です。
(タイヤ空気圧警告システムを標準装備)
タイヤ空気圧警告システム(TPW)は、回転するタイヤの空気圧を継続的に監視し、空気圧が減少を始めるとドライバーに警告します。タイヤに穴が開いた場合でも、直径が6mmまでならばMモビリティ・システム(MMS)で修理できます。 MMSは小型コンプレッサーと速乾性シーラントで構成されており、ホィールを交換することなく最高 80km/hの速度で最寄りのワークショップまで走行することができます。MMS が付属することでスペア・ホィールやジャッキを備える必要がなくなるため、さらに20kg 軽量化することができました。
(究極の駆けぬける歓びを限界速度付近まで提供するダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC))
BMW Z4 M クーペのシャーシ・コントロール・システムは、BMW の一貫した哲学に従って設計されたもので、サスペンション機能をサポートするためのものではありません。あくまでも限界速度付近で走るドライバーが、危険な状況を克服できる ように支援することを目指したものです。その理由は、M モデルのシャーシ自体がすでに安全性の面で大きなゆとりを備えており、その機能をさらにサポートする必要がないためです。
BMW Z4 M クーペには、さらに洗練度を増した最新世代型のダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)が装備されています。DSCはこのクルマに内蔵された電子制御ユニットのまさに「中枢」で、自動車技術のあらゆる電子制御機能が組み込まれています。
(DSC に内蔵された高い効果の付属機能)
DSC は当初、必要に応じて各輪に個別にブレーキをかけ、滑りやすい路面を走 るときや路上の障害物を避けるために急ハンドルを切ったとき、コーナリング中に 姿勢が不安定になり始めたときなどの走行安全性を高めることを目指して開発されたシステムです。それ以降、このシステムとその機能はスポーティーなパフォー マンスや安全性、快適性をさらに強化するため、大幅に強化されてきました。その1つの例が DSC に内蔵されているオートマチック・スタビリティ・コントロール (ASC)です。ASC はエンジンの出力を抑えることで走行中のスリップを制御し、スリップしようとする駆動輪のブレーキを個別に作動させることで姿勢を安定させます。DSC に含まれるもう1つの特殊機能がコーナリング・ブレーキ・コントロール(CBC)です。CBCはドライバーがコーナリング中にブレーキをかけたときに発 生するオーバーステアを防ぐために、対角線上のホィールにブレーキ圧を作用させます。
これらの重要な機能の他にも、最新世代型の DSC には効果の高い特徴が数多く組み込まれています。例えばスタートオフ・アシスタンスは上り坂での発進時、ごく短時間自動的にブレーキを作動させ、車両が後退することを防ぐ機能です。ドライバーはハンドブレーキを引く必要はありません。
またダイナミック・ブレーキ・コントロール(DBC)はドライバーが大きな制動力を必要として急ブレーキをかけた際に、その制動力を最大限まで高めるための機能です。
(解除機能付き DSC)
DSCの機能のほとんどは、BMW Z4 M クーペ特有の特性に応じて特にスポーティな走りに求められる条件の全てを満たすよう特別に改良されています。例えばエンジンの自然なレスポンスと究極のダイナミズムにクロス・レシオのトランスミッションを組み合わせるためには、エンジンおよびブレーキのマネジメントに素早さと繊細さが求められます。
そのためにまず、摩擦力が低く滑りやすい路面でもヨー運動を制御することができなければなりません。次に必要な条件は、バリアブルM ディファレンシャル・ ロックによってBMW特有の駆けぬける歓びや躍動感を損ねないことです。ある 特定の状況下でドライバーがDSC による支援を得ずに走りたい場合は、システムを解除することができます。
(DTCに代わるディファレンシャル・ロック)
BMW Z4 クーペのDSCに内蔵されているダイナミック・トラクション・コントロール(DTC)に代わり、BMW Z4 M クーペではエンジン回転数感応式のバリアブル M ディファレンシャル・ロックが装備されます。このシステムは運動性能をさらに高い水準へと引き上げるために、走行中の挙動や走行特性を制御するものです。
DTCでは時速70キロでの走行時にごく平均的な横方向加速度が作用する場合、 または約0.4G程度の横方向加速度が作用する場合に限り、リア・ホィールをスリップさせやすくします。その一方でM ディファレンシャル・ロックは、必要に応じてロック率を増加させることができます。経験の豊かなドライバーが平均以上の 摩擦力のある道路をスポーティでダイナミックに走りたい場合、後輪駆動が備える 運動性能と最適なパフォーマンスのための長所をさらに強化します。
(トラクションを強化する M ディファレンシャル・ロック)
従来のエンジン回転数感応型ディファレンシャル・ロックでは、実際に路面へ伝えられる駆動力の水準は、路面との摩擦レベルが比較的低いホィールを基準に制御されていました。このため例えば雪道のように路面の摩擦力が非常に低い場合、こうした種類のディファレンシャル・ロックでは推進力が上がらず、トラクションがもたらすメリットにも限りがありました。対照的に M ディファレンシャル・ロックは、 例えば車両の左右で路面と駆動輪との摩擦力に大きな差がある場合など、過酷な路面条件でも最大限のトラクションを引き出すことができます。
(あらゆる状況で究極の駆動力を提供)
バリアブル M ディファレンシャル・ロックがもたらすもうひとつのメリットは、左右の駆動輪間で回転速度差が増加すると、瞬時に強力なロック動作が発生する点です。一方のホィールのトラクションが完全に失われた状態(例えば険しい山道を コーナリングしている際のイン側ホィール)でも、トラクションや駆動力をまったく路 面へ伝えられなくなるわけではありません。このため厳しい条件でもトラクションを維持することができます。
(最大 100%のロック率)
バリアブル M ディファレンシャル・ロックでは、駆動輪の一方が路面から離れたり、 滑りやすい路面を走行中に左右の駆動輪に回転数差が生じたりすると、せん断ポンプによって瞬時に圧力が生成されます。この圧力がピストンによって多板クラッチに伝えられると、回転数差に従い、グリップの強い側のホィールに駆動力が伝えられます。
極端な場合にはエンジンの駆動力の全てが路面との摩擦力が強い側に伝えられます。左右の駆動輪の回転差が少なくなるとポンプの生成する圧力もこれに従って低下し、ロック率が減少します。
この自己制御式システムはメンテナンスフリーで、内部には高粘度シリコン・オイルが充填されています。ドライバーにとって最も大きなメリットは、左右の駆動輪間で路面の摩擦力に大きな差がある場合でも、よりスムーズに発進させ、厳しい条件でも豊かなトラクションを生かした走りができる点です。またハンドリングと走行安定性も大きく向上させる点も、メリットです。
5. BMW Z4 M クーペのボディおよび パッシブ・セーフティ:強靭なアスリート
クルマのボディは、シャーシとサスペンション、ブレーキ・システム、ドライブトレインを結ぶ役割を果たします。BMW Z4 M クーペのような高性能マシンでは、エンジンのパワーを安全に路面へ伝えるために、ねじり剛性と曲げ強度の両面に優れたボディシェルが求められます。このため、ボディ自体が車両の運動性能を大きく左右します。BMW Z4 M クーペは、もともとオープントップ・スポーツカーとして設計されたBMW Z4 M ロードスターをベースにしているため、ボディ剛性にも優れています。実際にBMW Z4 M ロードスターは、高性能オープントップ・スポーツカーとしてボディ剛性面でもクラスをリードするモデルです。
固定式ルーフで得られるさらに高い剛性をメリットとして、可能な限り最高の成果を達成することは、BMW Z4 M クーペを開発する際の目標でもありました。ねじり剛性と曲げ強度の両面に優れた強靭なボディはその結果です。これらによって、 BMW Z4 M クーペは 32,000Nm/°に達する比類ないねじり剛性を実現し、セグメントに新たな基準を確立しました。
こうした究極の剛性は、ボディシェルによって生み出されています。このボディシェルにはYアームと呼ばれるエンジン・サポートが組み込まれています。Y アームはバルクヘッド前方から左右のサイド・シルとセンター・トンネルに向けて分岐する構造で設計されています。フロア下には補強のためのストラットとパネルが装備され、スプリング・ストラット・ドーム、フロント・ウインドウ・フレーム周りのねじり剛性をさらに高水準に強化する役割を果たしています。
BMW Z4 M クーペのもうひとつの長所はボディの軽さです。固定式ルーフと大型のリア・ウインドウを装備しているにもかかわらず、車両重量は 1,415kg と BMW Z4 M ロードスターと比較して5kg増に留めています。この軽さとエンジンの高出力により、パワー・ウエイト・レシオは 6.6kg/kW という驚異的な水準に達していま す。
(乗る人すべてのための優れた安全性)
軽さと強靭さを兼ね備えたボディにより、BMW Z4 M クーペは最適なパッシブ・ セーフティ性能でドライバーと同乗者を保護します。ここでも BMW Z4 M ロードスターとのつながりが理想的な原点となりました。BMW Z4 M ロードスターの場合、 横転時にロールバーの役割を果たすようにAピラーに超高張力鋼製チューブが 補強材として組み込まれていました。BMW Z4 M クーペではこの補強材に加えて、スチール製の固定ルーフが横転時に乗員を保護する構造部として機能します。
このボディ構造部全体は、バルクヘッドに極めて強力なクロスバーを組み込むこ とでさらに強化されています。またフット・サポート・エリアは衝撃時の最適な保護機能を備え、足元への侵入物を最小限にとどめる役割を果たします。
スチール製ボディシェルでは、バンパーを適正な位置に保持する目的で、フロントのサイド・メンバーに比較的長い変形エレメントが取り付けられています。これによって比較的軽度の衝突の際にボディへの損傷が最小限にとどまるため、修理費用を少なく抑えることができます。
(相互に連携するセーフティ・システム)
BMW Z4 M クーペにはフロント・エア・バッグとサイド・エア・バッグが合計4個装備されており、いずれもセントラル・セーフティ・エレクトロニック・システムによって 制御されています。またシステムの制御部は必要に応じ、衝突の状況や安全上の条件に従ってエア・バッグとベルト・ラッチ・テンショナーを作動させます。
セーフティ・モジュールは相互に監視しあい、それぞれに作用する衝撃や衝突の 状況を測定・検出すると、それに従って個別に作動します。事故が発生するとこれらのセーフティ・モジュールはセーフティ・バッテリー・ターミナルの接続を解除し、オルタネーターや燃料ポンプを停止させ、集中ロック・システムのロックを解除し、インテリア・ライトやハザード・フラッシャーを必要に応じて作動させます。
自動車電話とBMW製プロフェッショナル・ナビゲーション・システムまたはビジネス・ナビゲーション・システム装備車では、BMW アシスト・テレマチック・サービス が事故の際に緊急信号を発信して、最寄りのレスキュー・サービスに連絡するとともに、エマージェンシー・センターとの音声通話回線を接続します。
(走行安定性と卓越したパフォーマンスのための高度な精密さ)
BMW Z4 M クーペでは固定式ルーフが空力面にも多くのメリットをもたらしています。この高性能 2 シーターではアンダーフロア部にも、空力と洗練性の両面から最適化が施されました。またベンチュリー効果を生み出すように設計されたフロント・エンドは、フロント・アクスルに作用する揚力を低減しています。これによってアンダーフロア下に流入した空気は、最も効率良くトランスミッションとリア・アクスルを冷却します。またリア・エンドのディフューザーも、ファイナル・ドライブから空気を導き出すことで空力特性の向上に貢献しています。
6. BMWZ4Mクーペの装備品: 個性的で本物のBMW
BMW Z4 M クーペのシートは、このクルマで人生を楽しみたいドライバーと同乗者のためのもので、着座位置が低く設計され、クルマの重心と旋回軸の背後に位置しています。これは乗る人全てがクルマの動きをダイレクトに体感できるように配慮した設計です。急カーブのコーナリングは、駆けぬける歓びを強く印象付ける舞台になります。
ダイナミックでスポーティなスポーツ・カーの運転席にとってさらに重要なことは、情報伝達の点で大きな役割を果たさなければならない点です。運転席はドライバーに大切な情報を送ります。シートを通じて、走行状況や前後・左右に作用する重力加速度をダイレクトに伝え、乗り手にこれらを直感的に理解させます。躍動的な走りのための固めのセッティングが施されたスポーツ・カーでは、特に路面状況もシートからドライバーに伝えられます。
(あらゆる状況に適した形状で、ドライバーの身体を最適に支える
M スポーツ・シート)
BMW Z4 M クーペに装備されているM スポーツ・シートは、乗り手の身体を的確に支えます。各種の調節幅も広いため、ドライバーの体格を問わずシート位置を最適に調節できます。M スポーツ・シートは、快適さを提供すると同時にドライバーに路面や走りの状況を最適に伝えるため、クッションを固めに設計していま す。これらをバランスよく両立したことにより、ドライバーは疲労を感じることなく長時間走行を楽しむことができます。
シート本体の各種調節機能に加え、BMW Z4 M クーペではドライバーが最適なドライビング・ポジションを取ることができるように、ステアリング・コラムにも前後 および上下角度の調節機能が内蔵されています。また、M レザー・ステアリング・ホィールは最適なグリップ感を提供する設計です。正確なハンドリングと完璧なハ ンドリングを実現するために、リム断面を細身にデザインし、親指の位置する個所 に指の形状に合わせたくぼみを設けています。M レザー・ステアリング・ホィールには、ドライバーが運転に集中できるようにマルチファンクション・スイッチも用意されています。このスイッチで電話やラジオを操作できるため、ドライバーはステアリングから手を離す必要がありません。
(ドライバー志向に設計されたコクピット)
コクピットは一貫してドライバーのために仕立てられています。スイッチ類、計器類はすべて人間工学に基づきステアリング・ホィールまたはその周辺の最適な位置に配置されています。メーター・パネルは、丸型のスピードメーターとタコメーター で大部分が占められています。
これは古典的なスポーツカーの伝統であると同時に、フロント・ウインドウに光が 反射されるのを防ぐためのデザインです。計器本体には常時点灯式の白色ライトが内蔵されています。
タコメーターに組み込まれたイエロー・ゾーンとレッド・ゾーン表示は、BMW Mモデルにのみ装備される画期的な機能です。これはエンジンの油温に従い、必要に応じてエンジンの許容回転域を制限するためのものです。油温が上昇すると、それに従い許容回転域も上昇します。ドライバーはこの表示をもとに、エンジンの油温に配慮しながらアクセルの踏み込み量を加減することができます。
タコメーターとスピードメーターは、ブラックの盤面に白い文字が刻まれ、指針はBMW M モデルの伝統に則って赤色です。
スピードメーターにはオンボード・コンピューター用の液晶ディスプレイ、タコメーターには燃料計と油温計が組み込まれています。ダッシュボードのセンター・コンソールにはヒーター/エア・コンディショナー操作用として、魅力的なパール・グロス・クロム仕上げによる操作ダイアル 3 個が配置されています。このダイアル上 側には、オーディオまたは HiFiシステム用の操作パネルが設けられています。
(室内に用意された多彩な収納機能)
BMW Z4 M クーペでは、旅行に用いるあらゆる荷物・器材をその大きさにかか わらず運ぶことができるように、グローブ・ボックスやドア・ポケット、リアのバルクヘッドに設けられた容量約10リッターの大型コンパートメントをはじめ、多彩な収納スペースが設けられています。コンパートメント左右のバルクヘッド上にはさら に2個の収納ボックスが装備されています。容量はそれぞれ3.7リッターで、オプションのHiFiシステムを装備した場合にはサブウーファーが収納されます。ハンドブレーキ・レバーの背後には、駐車料金などを支払う際のコインや小物を収めるための小物入れがあります。またダッシュボードには、簡単な操作でさまざまな大きさのカップや缶に合わせて調節できる収納式カップ・ホルダーが内蔵され ています。
(視界を最適に確保するバイ・キセノン・ヘッドライト)
BMW Z4 M クーペでは、ロービームとハイビームの両方で前方を最適に照らし出すためにバイ・キセノン・ヘッドライトが標準装備されます。ハイビームとロービーム両方の光軸は必要に応じ、キセノン・バルブの前に取り付けられた電磁式回転シャッターによって最適かつ精密に調節されます。対向車に眩しさを与えることのないように、このシステムには自動光軸調整機能が内蔵されています。スモール・ライトは左右のライト・リングで構成されていて、BMWに特有のこの機能はBMW Z4 M クーペにも受け継がれています。
(さらなる安全性のための 2 段階点灯式アダプティブ・ブレーキ・ライト)
BMW Z4 M クーペには BMW の最先端技術として、2 段階点灯式アダプティブ・ ブレーキ・ライトが標準装備されます。これは走行中の車両安全性を格段に高めたシステムです。ドライバーがどの程度強くブレーキを踏み込んだかを後続車に対して正しいタイミングで明確に示すことができれば、追突の危険を大幅に少なくすることができます。このシステムは後続車のドライバーに対して、こうした情報を正確に伝える役割を果たします。ドライバーがごく普通の力でブレーキ・ペダルを踏んだ場合、左右のブレーキ・ライトとハイマウント・ブレーキ・ライトは通常の明るさで点灯します。強く踏んで急ブレーキをかけた場合、またはABSが作動した場合には、ブレーキ・ライトの点灯範囲が大きく広がります。これによって後続車のドライバーは急ブレーキがかけられたことを直感的に把握し、それに応じて強くブレーキをかけるため、後続車の停止距離を縮めることにもつながります。
(チャイルド・シートの装着も可能)
BMW Z4 M クーペには、ISOFIX 対応のチャイルド・シート・ブラケットがオプションで用意されているため、必要に応じてチャイルド・シートを助手席に取り付けることもできます。この際にはセンターコンソールのスイッチを操作して、助手席側エア・バッグの作動を解除する必要があります。作動を解除すると警告灯が点灯し、助手席側エア・バッグが作動できない状態にあることを知らせます。
(ハイエンド・HiFiシステムによる究極のサウンド)
市場調査の結果から、スポーツ・カーを購入するユーザーはオーディオ・システムにも最高の水準を求めることが明らかにされています。こうした要望に応え、 BMW Z4 M クーペには標準のシステムに加え、優れたサウンドと究極の性能を実現したハイエンドHiFiシステム 2機種が用意されています。音の忠実な再現性を保つため、アンプにはイコライザーが内蔵されています。
2種類の中のひとつは10チャンネル・アンプと室内の前後に装備された4個の40Wウーファー、ドアのフロント上側とバックレスト背後に全部で6個装備された25Wサブウーファーとツイーターで構成されます。
もう1つのプロフェッショナルHiFiシステムには最先端のカーバー・テクノロジーを採用し、左右のサブウーファーの音量を組み合わせることで、きわめて高い水準の音圧を作り出します。この効果を生み出すため、ウーファーにはパワフルな ターミナル・ステージを組み合わせています。このターミナル・ステージは、30Vの出力電圧を供給すると同時に、適正な信号処理を行うことで、スピーカーの破損を防ぐ役割を果たします。スピーカーの配置は前述のHiFiシステムと同様です が、サウンド・プロセッサー付 10 チャンネル・デジタル・アンプと、リアのバルクヘッドに装備される出力100Wのサブウーファーが含まれます。
(DVD ナビゲーション・システム 2 機種をオプション設定)
ビジネス・ナビゲーション・システムはダッシュボードに装備され、1 枚のDVDでヨーロッパ全土を網羅します。高速度プロセッサーを内蔵するため、ドライバーが所定のルートを離れたときでも、新たなルートをすぐに検索することができます。
この内蔵型システムでは、オンボード・コンピューター、ラジオ、電話の操作もできます。ナビゲーション用モノクロ・ディスプレイには、ショート・メッセージやニュースを表示させることもできます。CDプレーヤーとCDチェンジャーは MP3 フォーマットにも対応しています。
プロフェッショナル・ナビゲーション・システムの場合、格納式ディスプレイが装備さ れます。これはアスペクト比16:9の最新世代のカラー・ディスプレイで、ダッシュボード中央に装備されます。
表面のフィルム加工に新たな技術を採り入れたことによって、周囲の明るさにかかわらず読みやすく表示されます。また特殊な反射防止用フィルムによってフロント・ウインドウへの反射も防いでいます。これらのナビゲーション・システム2機種には、オプションで電話を組み合わせることもできます。