
去年のGWに続き、今年も東北地方を旅してきました。
「三陸」とは、陸前(宮城) 陸中(岩手) 陸奥(青森)を指します。
ただ、三陸の定義は存外に曖昧で、三陸海岸を指す言葉としての定着もあるそうです。
実際のところ、去年のメインだった青森県は未訪問なのですが、計画当初のタイトルでブログを書こうと思います。
(※運転中の撮影は、バイザーホルダ改+リモートスイッチを使用)
1日目 … 5月3日(水)
四日市JCTは渋滞名所。

でも午前2時台という深夜の渋滞は想定外。
GW後半の初日とあって、午前1時の予定を2時間繰り上げて出発しました。
今年は首都圏を突き抜けるため、渋滞は覚悟の上なのですが、今にして思えばこれが前兆だったのかもしれません。
日本平に到着。

奥に見えるのは静岡県の集約電波塔、
日本平デジタルタワー。
ここまでの行程は約530km
全行程(約1,170km)の半分にも達していないのに、余裕綽綽の寄り道です。
茶畑越しに清水の街と港。

奥には富士山が控える有名な撮影スポット。
続いて
湘南平に寄り道。

ここには
平塚テレビ塔があります。
今回の目的の一つがタワーの神様バッジであり、ついでにタワーと一緒に車の写真を撮る事でした。(※撮影後すぐに移動しています)
余談ですが、自分的ハイドラの鉄則。
それは
取り捨て選択を徹底すること。
特に遠方を訪れる際は、道中はバッサリと切り捨てる。
しかし今回はタワーという理由を付けて、その鉄則に反してしまったのです。
話を戻して、次のタワー?は牛久大仏。
そして今年のGW最大の難所である首都圏突入ですが、ここまでで貯金が約3時間。

少々の渋滞にハマったところで、これだけあれば余裕でしょう。
牛久大仏に到着。

平塚から牛久まで
4時間以上かかりました\(^o^)/
3時間あったはずの貯金が、一気に40分の貯金にまで減少。
精神力も大幅に減衰。
そもそも、別に今回の旅でタワーの神様を獲る必要はなかったのですよ。
ついでに言うと、
何で初日の宿が自宅から1,100km以上も離れた宮城県なのか、この計画を立てた当時の自分を問い詰めたい。
愚痴っても仕方がない。
再度貯金を作れるよう頑張って走ろう。
大洗マリンタワー

大洗の那珂湊おさかな市場周辺が大混雑する事は、事前にリサーチ済み。
ただ、ICからタワー周辺、水族館周辺広域からICまでもが大混雑なのは完全な誤算。
ついに貯金から借金生活に転落。
ホテルまでまだ300km近くもある。
このままだと寝る時間が減る一方です。
だからと言って今更タワーを諦めるわけにもいかず、代わりに日立市周辺の予定CPを4箇所断念。
いわきマリンタワー

予定を短縮したおかげで、旅程のペースには復帰。
精神的には敗残兵。
仕事から帰宅後、2時間程の睡眠で自宅を出発して
22時間。
宮城県名取市のホテルに到着。

走行距離 1,170km
2日目 … 5月4日(木)
混雑回避のため、仙台市内のCPは早朝に回収します。
大年寺山テレビ塔

近過ぎて収まりきらないの巻。
トリシャイン

だんだんと写真が適当になってきた。
ここから先は、昨日のトラウマを振り払うよう一心不乱に走ります。
今年のGWは舐めてたら死ねる。
ただ、この日は順調に行程を消化でき、予定通りに
達谷西光寺を訪れました。
ここはお寺なのに鳥居がある一方、神域の毘沙門堂と達谷西光寺境内は厳密に区別されているそうです。

写真は、高さ35mにも及ぶ崖に埋まるように建てられた
達谷窟毘沙門堂。
次は
毛越寺の予定で、当日の何シテル?にも書いたのですが…。
到着すると駐車場がオーバーフローしており、道路上に長い車の列が出来ていました。
非常に残念なのですが、この後に控える夜間通行止め(17:00~8:30)の道路が最優先のため断念。
そして2日目のメイン、秋田県と岩手県をまたぐ
八幡平アスピーテラインにやって来ました。
写真は標高1,260mの源太岩。

朝廷から賊軍征伐の勅命を受けた征夷大将軍坂上田村麻呂が、家来の源太忠義と忠春に偵察を命じ、ここから敵の様子を探ったと言われているそうです。
源太岩から先は徐々に積雪量が増えていき、見応えのある景色が続きます。

天気も景色も最高で、歴代でもトップクラスの爽快ドライブでした。
アスピーテラインの最高地点、標高1,613mの
見返峠に到着。

そしてこの絶景。
ホテルの場所がすぐ近くなので、時間を気にせず楽しめたのも良かった。
十分に満足出来た頃、ふと来る途中に気になる場所があった事を思い出し、せっかくなので行ってみようと駐車場を後にします。

雪の壁はこの辺りが一番高かった!
焼走り熔岩流

1719年の噴火で、岩手山中腹から流出した溶岩流により形成された岩原だそうです。
現在でも風化が進んでおらず、学術的にも貴重な場所とのこと。
1km程の遊歩道がありますが、歩き難いので足元にはお気を付けを。

広大な駐車場にて撮影。
ここは八幡平温泉郷へと繋がる道路。

岩手山をバックに撮影。
八幡平ロイヤルホテルに到着。

今回の旅は、この2日目のホテルが最高でした。
3日目 … 5月5日(金)
見事な青空の朝です。

この日の岩手山もとても美しい。
3日目は今回のタイトルでもある、三陸海岸沿いがメインのルートです。
カシオペアメッセ・なにゃーと

神様バッジ獲得条件である、69箇所目のタワーに到着。
ここから先は国道281号で久慈市に抜け、宮城県に向けて三陸海岸線を南下します。
国道45号から岩手県道44号に入って間もなく、
太田名部防潮堤が現れました。

岩手県下閉伊郡普代村にある、高さ15.5mの防潮堤。
計画時に「高すぎる」との批判が渦巻く中、当時の和村幸得村長が明治時代の津波を教訓に、絶対に15m以上を譲らなかったそうです。
反対を押し切って建設した結果、東日本大震災において内側の住宅の浸水及び死者はゼロ。

世界中から喝采を浴び、各メディアが絶賛した
普代村の奇跡。
今回の旅で必ず訪れたい場所の一つでした。
普代村から先の陸中海岸シーサイドラインは、快適快走のワインディングロード。
去年も走った道ではありますが、今年は道中の景勝地に立ち寄りました。
北山崎(北山崎展望台)

200m級の断崖が続く三陸海岸の景勝地です。
日本交通公社の全国観光資源評価「自然資源・海岸の部」で、最高ランクの特A級に格付けされたとのこと。
さすがの見応え十分でした。
鵜の巣断崖(鵜の巣断崖展望台)

崖の中腹に「ウミウ」の巣があることが名前の由来。
こちらは200m級の断崖が5層に連なり、巨大な屏風とも例えられるそうです。
売店など全くない静かな場所でありながら美しく整備されており、強く印象に残った場所になりました。
次は宮古市の
浄土ヶ浜なのですが、第1~第3まである駐車場は全て満車。
一応車列に並んだものの、全く動く気配がないので早々に断念しました。
こういう時、GWに動くのは本当に損だと思いますが…まあ仕方がないですね。
さらに南下を続けて大槌町に到着。

大槌湾に浮かぶ
蓬莱島は、NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった島なのだそうです。
ここも東日本大震災で被災し、防波堤が破壊され灯台も根元から倒壊。

それでも弁天神社の弁才天像は流出を免れ、2016年の4月に一連の復旧プロジェクトが完了。
風が強いとちょっと怖いかもしれませんが、訪れる価値のある場所だと思います。

実際に歩くと結構な距離です。
ここからは国道283号で西に移動し遠野市に到着。

田んぼが続く風景に、突然小さな茅葺き屋根が現れると、そこが目的地の
荒神神社でした。
名前とは裏腹に素朴で落ち着く風景です。
次は遠野市で行きたかった場所その②を目指します。
道中はそれなりに狭くて荒れており、GWだからか意外なほど対向車があって大変でした。
高清水展望台に到着。

パノラマ状に遠野市を見渡せる絶景スポット。
こういう景色は大好物なのですが、9月下旬から11月初旬にかけて早朝に現れる雲海は、もはや言葉が出ないほどの素晴らしさだそうです。
元の道に戻ってからは、遠野市で行きたかった場所その③を目指して北上を続けます。…が。

完全に想定外というか、出発前に岩手県の道路規制情報を調べたけど、ここの規制は載ってなかった(はず)
これは単純に困るというよりも、予定が破綻するレベルの不意打ちでした。
後ろから来た軽トラ(関係者)の方に聞いたところ、通り抜けは出来ないけど目的地までは行けるとの事。
ここまで来た以上、せめてそこまでは行きたい。
荒川高原牧場

牧場の中を抜けて行く快走路でした。
とても気持ち良く走れたのですが、惜しむべくは動物の姿がなかったこと。
ここは夏に来ると、より一層楽しめると思います。
この先でUターンして来た道を引き返します。

そして国道340号、立丸峠から宮古市に。
この迂回のため予定では27kmの区間を、60km以上も走らされました。
4日目 … 5月6日(土)
花巻市のホテルから大船渡市へと移動し、
碁石海岸に到着。
この日は雨の予報ですが、楽しみの多い一日なので空に祈りながらの進行です。

写真は
碁石岬灯台奥の展望台にて撮影。
ここも迫力があって良かったのですが、出来れば
穴通磯が見たかった。
船でしか無理だと思っていたのに、どうやら陸からも見れると知って今更ながら後悔しています。
次に向かった陸前高田市は、数多くの傷跡を現在でも残していました。

あの日あの時以来、ここは時間が止まっています。
写真で見た事があったとはいえ、実際に見るとショッキングです。
奇跡の一本松

高田松原の約7万本の中で、たった一本だけ津波から耐えた奇跡の一本松。
その後の塩害によって自力での生息が不可能になったとはいえ、その存在は紛れもない奇跡だと思います。
場所は変わって、ここは宮城県宮城郡七ヶ浜町の
多聞山。
松島四大観のひとつに数えられる景勝地で、隠れ名所とも言われているそうです。

北端・代ヶ崎の毘沙門堂裏手から眺める松島の景色。
この後は、三陸自動車道、仙台南部道路、東北自動車道を走ります。
次の目的地は、この旅で裏のメインとも言える場所です。
宮城蔵王キツネ村

夢にまで見たキツネ村にやって来ました。
6種・約250頭が飼育されており、人間がキツネの檻の中に入るという一風変わった施設。

普通に足元を歩いていたり通路で寝ていたり、イヌ科だけあって犬っぽい。
でも身体能力は非常に高くて2m近い跳躍も可能。
猫みたく高所でも平気で寝ています。

白い個体はホッキョクギツネですね。
専用の餌やり場にはキツネがいっぱい。

下のキツネは、餌めがけて今まさにジャンプしようとしています。

目が合ったキツネに餌をあげました。
喧嘩が勃発。

キツネの喧嘩は相手を噛むのではなく、組み合って押し合う相撲のようでした。
見ていて勝敗はわかりませんが、彼らの中では判定が付いてるのかな。
唯一の入り口付近で睨み合うキツネ達。

ドアを開けることが出来ず、入る人も出る人も困っていました。
争いが終わり、ようやく人の通行が許されました。

ここではキツネ達の方が地位が上のようです。
それにしても楽しい時間でした。
さあ次は因縁の場所。

過去2回の訪問は濃霧と通行止め。
三度目の正直を願い
蔵王エコーラインに突入です。
山頂は雲が掛かっているけど青空も見える。
例え一瞬でも良い。御釜が見られればそれで満足。

気持ちの良い新緑のトンネル。
高度が上がると寂しい景色になってきました。

なんか小雨が舞ってるけど、きっと大丈夫。
さらに登ると蔵王版、雪の壁が現れました。

なんか雲が目の前だけど、きっと大丈夫………のはず。
ホテルの部屋からの景色です。

キツネ村は楽しかったし、蔵王の温泉は気持ち良かった。
一部記憶が飛んでいますが、今日も良い一日でした。
5日目 … 5月7日(日)
宮城蔵王ロイヤルホテル

最終日は前日と打って変わって良い天気。
というか蔵王に泊ったのだから、予定をちょっとだけ変えれば、もう一度行く事だって可能。
この天気なら御釜も拝めるはず。

実際のところかなり悩んだのですが、予定表の進行を優先することにしました。
それにこの日だって2年前のリベンジがあるのです。

念願の
磐梯吾妻スカイラインを初走行。
前回は火山性ガスのため通行止めでした。

って、この人大丈夫?
浄土平の光景は、凄いというより、凄まじいという表現が近いかもしれません。

一往復半してレストハウスに立ち寄り後、帰宅に向けて下山しました。
これにて今回の旅は終了。
帰りの北陸道はとても快適な流れで、予定よりも早く帰宅しました。

少なく見積もっても満足度 90点は付けられる旅。
2011年の東日本大震災以来、2013年、2016年、そして2017年に東北を訪れています。
三陸の海岸線は、広範囲で大規模な堤防の建設が進み、以前よりも確かな形で復興が進んでいるのを感じました。
ただ、それは目にしやすい部分だけなのかもしれません。
応援というには余りに微力かもしれませんが、今後も機会を作って訪れたいと思います。
最後にこの画像を上げておきます。
左がCP履歴で、右はタワーの神様獲得済みの方からお借りしました。

実は69箇所を達成したにも関わらず、神様バッジが獲れていません。
この原因が単なる通信エラーのレアケースなのか、別の要因なのかは不明です。
個人的には
牛久大仏を疑っています。
何故タワーなのか。
何故
公式一覧から漏れているのか。
確かに登れるとはいえ、大仏をタワー扱いして関係者に怒られないのか(^^;
謎は深まるばかりです…。