
2011年の年末のニュースの中でも、アメ車好きやクルマ好き(特に変態な人)はこの姿に目が行った人は多いのではないでしょうか。
2011年12月に急逝した朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)の指導者金正日氏の葬儀パレードで使用されたリンカーンコンチネンタル。
▲途中から映像・音に乱れがあります

▲産経新聞より。このクルマだけFミラー・バンパーにフォグランプ付き

▲ベンツの先導車の前には北朝鮮のパトカー。初めて見ましたが意外と近代的。
朝鮮中央放送で放送された様子を見ていると先頭のパトカーに続き、アメリカンな回転灯を付けた古めのベンツ(私には車種がわかりません)、リンカーンコンチネンタル3台(金正日氏の大きな遺影を掲げた1台と葬儀花輪を載せた1台、報道関係者を載せたオープンカー)、そして金正日氏の棺を載せたリンカーンコンチネンタルが走っています。後ろには金正日氏が好んで乗っていたというベンツがなんと30台も。他にも軍用車がいますが、興味ないのでここでは触れません。
このコンチネンタル4台は、Fifth generationですね。やはり映像を見ているだけでも大きさが良くわかります。
特に棺を載せていたコンチネンタルは他のと違い、1台だけフェンダーミラーとドアミラーの4つ体制。変態な方はやはり注目したところではないかと思います。金正恩氏がフェンダーミラーをずっと持っていたせいか明後日の方向に向いていたのが印象的。グリルのデカさから見て、1975か1976モデルかと。
日本にかつて輸入された正規輸入車のアメ車達はフェンダーミラーを装着して販売されましたが、このクルマも日本を経由して北朝鮮に行ったんでしょうか。今はどうだかわかりませんが、実際に日本にいた車が北朝鮮に流れていたということはあったようです。
また、このクルマとオープンカーはライトカバーが映像を見る限りではシルバーになっています。本国の画像を探しても、ここがシルバーの個体は無いですね。リムジンに改造したコーチビルダーが変更したのかどうかはわかりませんが、他のクルマも同じ仕様になっている可能性があります。ご存じの通り、ライトが点くとカバーが開いてしまうので分からなくなってしまうんですよね。
ちなみに今回棺を載せたコンチネンタルは、金正日氏のパパである金日成氏が1994年に死去した際、7月19日に行われた葬儀パレードでも使用された車。神と崇める人の棺を載せたクルマですから、特別な存在にはなりますよね。
▲金日成葬儀パレード 今回のパレードの参考にしたようです。
金日成氏は生前、米フォード社のクルマ(要はリンカーン)が好きだったようで、それで北朝鮮に敵国が造ったアメリカ製のリンカーンが居るんでしょう。記念館にはリンカーンが展示されてるそうですし(もしかしてこのクルマ?)。それにしても、あんなに反米教育してる北朝鮮なのに肝心なところではアメリカ製のクルマが使用されるというのは何とも・・・
ちなみに金正日氏の葬儀パレードの映像を見ているとタウンカーのSecond generationの姿(1995~1997モデル)が映ってます。年式からしてリンカーン好きな金日成氏は既に死去した後ですので、リンカーンフリークがいなくなった北朝鮮ではレアカー(車自体少ないか)かと。映像ではカメラを構えた人たちが、サンルーフから飛び出して撮影していたので、報道車的な扱い?
金日成氏はリンカーン、金正日氏はメルセデスベンツが好きでした。さすがパレードでも前述の通り、ベンツ30台が走行。いずれも黒色なのは金正日氏がこの色を好きだったため。最新型のベンツも走ってましたね。政治的・人間的な面は別として、好きな車を何十台も所有できるのはちょっと羨ましい・・・
ちなみにパレード後ろの方には白いクルマたちが。金正日氏は白いクルマを嫌ったようですが、金正恩ン氏の指示により白いクルマが参列したようなことが書かれていました。映像を見ると白いクルマはフォルクスワーゲンでしたが、金正恩氏はワーゲンが好きなんですかね。だとしたら庶民的なクルマの趣味のような(車種にもよりますが)。
これで北朝鮮は新体制となるわけですが、鎖国的な政治のやり方や挑発的な姿勢はいつまで続くんですかね・・・ 拉致問題も進展してもらいたいですが。
最後は金正日氏の素敵な笑顔でお別れします。

Posted at 2011/12/29 21:46:52 | |
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