
本当は「ですます調」で書きたかったのですが、
書き溜めてた関係で「である調」で書いてます。。
2018年12月
2月の国内披露宴に向けての準備が忙しい中、現実逃避でカーセンサーを見る日々。シロッコを買い換えたいと思う自分がいた。
シロッコのDSGは大変素晴らしいし、見た目もかっこよく、文句などない車だった。しかし、完璧すぎたが故に愛着は薄く、乗らされてる感が強かった。
嫁はシートヒーターに満足していたし、普段使いも文句なし。懇意にしていたディーラーも対応は素晴らしく、何一つ不満などなかった。ドライビングプレジャーを除いて。
そう、楽しさは日に日になくなった。年末に久しぶりに奥多摩に走りに行ったとき、シロッコと一体化できない自分がいた。たぶん、自分の技量が足りず下手くそで、シロッコがだいぶ高い次元にいたからかもしれない。
とにかく奥多摩の山奥を100km走り回ったが、楽しくなかった。人車一体感はなかった。
2018年1月
披露宴目前、色々と忙しくなってきた。仕事も連日の残業祭り。唯一の楽しみは移動中のカーセンサー。
次に買う車はマニュアルと決めていた。オートマを2台乗り継いだが、結論、自分には合わなかった。ドライビングプレジャーがないことが原因。
また、買うからにはリセールバリューの高い車を買おうと決めていた。4人乗りであることも条件につけた。
車=趣味だが、際限なく金があるわけじゃない。だからリセールバリューの高い車を持つことで車をただの趣味で終わらせない。いざという時に現金化して回収できることは重要だ。
マニュアルでリセールバリューの高い車は限られた。シロッコの比較対象としてメガーヌがいるが、中古車市場は飽和状態。300万円代で買えるものの買ったら最後、多分リセールは半分以下。
プジョーRCZ Rもあるが、FFだったらシロッコの方が良いし。ミッドシップのロータスエヴォーラ も気になったが、スーパーチャージャー付きのエヴォーラ Sでないと、3.5リッターNAでギヤ比がダメだということを知り、候補から除外。
ということで、リセールバリューが高いポルシェ 911にたどり着く。
辿り着いてはいけない領域にたどり着いてしまった。
みんなの憧れポルシェ 911、いつかはポルシェ 911を30歳で乗ろうとしている。
しかも、マニュアル。
完全にクレイジーだ。
911全体数は多いが、マニュアルのタマは少ない。2004年以降の911に絞ってみると、全国で100件。さらに、好きな997に絞ってみると85台。
997のGT3やターボ、991は余裕で1000万越え。上限を600万までにしてみると、29台。
ポルシェ 911の中古車が全国に929台ある中で29台が候補。約3%だ。
3%を覗いてみたら、2004年、2005年の911が多い。
理由はすぐにわかる、インタミ だ。
996後期〜997前期はインタミ に致命的な爆弾を持つ。サービスキャンペーンをPCJがしているとはいえ、避けたいのが消費者心理。
またマニュアルのうち素カレラが多く、ついでカレラSが多かった。
中古車だからオプションは選べないが、スポーツクロノパッケージ、PASM付きのいずれかがついた車両はあっても、両方ついているのは稀で、あってもカレラだけだった。
僕はカレラSを狙っていた。色はバサルトブラックかキャララホワイト。カレラではないのは単にカレラを買っても、カレラSへの未練が残るから。エンジン出力もブレーキローター径も違う。
2018年2月
披露宴までいよいよ10日。直前ならではのバタバタが続いてた。
現実逃避に僕は毎日のようにカーセンサーを更新する日々。新しい出物がないか。
気になる車はあったが、躊躇していた。カレラS、バサルトブラック、スポーツクロノパッケージ付き。走行6万。オプション19AWがつき、見た目にも良かったが、年式が2005年だった。
店にインタミ 対策を確認すると、PCJ柏でキャンペーン実施済みとのことだった。
でも、なんとなく嫌だったのはインタミ 以外にエアコンスイッチの塗装がハゲハゲになっていた点。もちろん、ここがハゲることは知っていたが、3万でリペアできることも知っていた。
そんな状態で乗り続けた前オーナーに違和感を感じた。その直感は正しかった。
数日後、その車は売れたorオークションに流したようで、カーセンサーから居なくなった。
候補車0に戻った。
またカーセンサーを更新する日々が始まった。
2018年2月3日
国内披露宴1週間前だ。挨拶の準備なんか時間はとれず、以前としてバタバタしていた。
カーセンサーを更新する日々は変わらないが、ある時、1台件数が増えた。
確認して衝撃を受けた。
2007年式、911カレラ4S、6MT、バサルトブラック、スポーツクロノパッケージ、PASM、シートヒーター、19 AW付き、6.8万キロ。
まさかのど真ん中が現れたのだ。
即店にコンタクトした。車両掲載翌日のことだ。
予想外は4Sであることだが、3.8リッターエンジンで、よりワイドボディな4Sは、その見た目が最高だった。
そこから担当者とのやりとりが続き、動画までとってくれた。仕事柄電話をリアルタイムで取れないことが多く、LINEでやりとりできたのはありがたかった。残念なのはお店が福岡にあること。気軽に行ける距離ではない。
車はど真ん中だが、シロッコの下取りが低い場合は諦めざるを得なかった。しかし、そこも裏切られた。そこまで大きなお店ではないが、外車オンリーのお店だったため、シロッコをまさかの300万買取で提示してきた。
一番高い業者で270万だったことを考えると驚きを隠しきれなかった。
ほぼ、僕の気持ちは買うに傾いていた。
ただ、現車確認したかった。
行くしかない、そう心に決めた。
2018年2月10日
国内披露宴当日、緊張しながらも無事に終わり、友人と散々酒を飲んで帰宅したのが25時。
11日朝9:15分の便で福岡に向かった。
世の中の人で、結婚披露宴の翌日に単身で福岡にいく男が何人いるか。
嫁はまたかという顔で呆れてたが、そういう男だ。許して欲しい。
2時間30分のフライトを終え、ついに福岡にきた。
店までは福岡空港から電車で30分の古賀駅まで行かなきゃならない。
地下鉄とJRを乗り継ぎ、古賀駅についた。
何にもない田舎の駅だった。
そこに顎髭のカッコいい店の方がいた。後でわかったが店長だ。
「遠いところからお疲れ様です」と、会話がスタートし、会話は絶えることなくお店に到着。
そこにカレラ4Sはいた。
写真では画面に穴が空くほどみた車両だが、間近で見るとオーラがハンパない。
そして、内装も外装も綺麗な状態で使用感がほぼない。もちろんエアコンスイッチもバッチリだ。革の匂いも残っており、幸せな気持ちになった。
乗り込んでみる。シロッコとは違い、運転席が広いわけではないが、狭いわけでもない。ちょうどいい。
6MTの入りも、気持ちよく決まる。
試乗の勧めを受け、走らせることにした。
久しぶりのマニュアル車、エンストを恐れたがなんてことなかった。太いトルクの恩恵で発進は楽勝だ。
発進後、2速にあげて、少しガスペダルを踏み込んでみた。
強烈な加速を伴いながら、ドロドロという水平のサウンドが次第に同調し、澄んだサウンドになっていくのがわかる。もっと楽しみたいが、
すでに法定速度。この車、免許がいくつあっても足りないかもしれない。
さて、乗って感じたのはボディ剛性の高さと特徴的なブレーキフィール。ブレーキは驚いた。シロッコと同じ踏み方をしたら、全く効かない。踏み込んで効き始めた。宇宙一のブレーキたる所以は宇宙一扱いやすいブレーキなんだそう。
割と踏み込まないとならないから、足腰鍛えられるだろう。
ちなみに足回りは硬いが不快感はない。
PASMつきの恩恵かは不明だが、シロッコよりも突き上げ感は少ない印象だ。シロッコと同じ19インチを履いていたにも関わらず、乗り心地がここまで異なるとは思わなかった。
直線的な試乗コースだから、ハンドリングは試せなかったが、911の力は十分に感じた。
このカレラ4Sはマフラーがスポーツエキゾーストに変わっていた。でも、コンソールスイッチはないから、恐らく後付けだろう。ディーラーOPで40万の代物だ。
スポーツモードに切り替えると、明らかに排気音が変わった。これは嬉しい誤算だ。
ど真ん中の4Sに
・シートヒーター
・スポーツクロノパッケージ
・PASM
・スポーツエキゾースト
と主要OP全部載せ状態。
買わない理由はもはやなかった。
ただ思い返せば、なぜか買いますとは言わなかった。買うという発言が怖かったのだと思う。
具体的な話をと、店の中に入り説明を受けた。
直前までの点検記録簿はあるが、クラッチ交換歴はなかった。故にもうすぐ寿命。
転ばぬ先の杖でクラッチディスク交換、レリーズベアリング交換をお願いした。工賃はサービスしてくれた。
さらに、車検が2018年8月であることをうけ、納車前に車検を2年つけてくれると言ってくれた。
至れりつくせりに驚いた。
何か裏があるとも思えず、素直に喜んだ。
それに、このカレラ4Sはもともと認定中古車だった。
2018年3月21日
待ちに待った納車の日がきた。
カレラ4Sはフェリーで福岡から有明港まで来る。その後、自走されて自宅まで来るという。
ドライバーから電話が入った。
「18:30ごろつきます」
いよいよだとと思う一方で、納車日の今日が土砂降りだったことを悔やんだ。
以前の944ターボも土砂降りの日の納車だった。
18:30を過ぎた頃、嫁が玄関を覗いてなにかを叫んだ。
「クルマ来たかもよ!」
急いで出ると何やら重低音が、住宅街に響き渡っていた。
いた。カレラ4Sだ。
福岡で見てから1ヶ月ぶりにみたカレラ4Sは、そのマッシブなボディがより強調されて見えた。
手際良く車庫に入れていただき、納車が完了した。
あらためて運転席に座ると、少し緊張した。
いやはや。ついに911かと。
我ながら大丈夫かなと思ったのは正直なところ。
キーを指し、エンジンを掛けてみる。
何回かのクランキングの後、爆音と共にエンジンが始動した。
思わず笑ってしまった。こういう演出は大好きだ。
嫁を呼び出し、911を見せると
「これは、あかんやろ笑」
となんだか上機嫌だった。
嫁もポルシェが好きだ。初代ポル子は大のお気に入りだった。色や居心地、フォルムの全てが気に入っていた。流線型の丸みを帯びたデザインが好きなようだ。また、何よりポルシェのエンブレムが好きだったりする。
そんな嫁を乗せ、初ドライブの目的地は実家だった。
5km程度なので大した距離ではないのと、土砂降りだったので911本来のパフォーマンスは味わえなかったが、不思議と運転は直ぐに慣れた。
この辺りがシロッコとは違うのかも知れない。残念な話、シロッコは最後の最後までポジションが合わなかった。私の調整力の無さなのか、シート形状なのか理由はわからないが、合わせることが出来なかった。
911は一発だった。クラッチ踏んだ時に若干膝が曲がる距離で座席位置を決め、ハンドルをメーターが見やすいように調整しただけだ。
これには感動した。
2018年3月24日
911が来て初めての週末。
少し遠出をしたいと思い、高速でアウトレットに行くことにした。
早速、最初の合流で3速ベタ踏みしてみた。
いや〜。あかんね笑
あっという間に前の車に追いついてしまう。
高速の安定感はシロッコの比じゃない。ふつうに100km/hで走ってる感覚で、その1.5倍くらいでてしまうのではないか(妄想)。
3.8リッターNAということもあり、2リッターターボのシロッコとは出力特性も違う。シロッコはフラットトルクで低回転から中速域まで加速はアホみたいに元気良いが、高回転での車速の伸びがなく、ちょっと気持ち悪い。
911は低回転から高回転に至るまでシームレスに回り、5000rpmを過ぎたくらいからの盛り上がり方が半端ない。とはいえ、6速3000rpmからアクセルジワ踏みでふつうに加速できるのは大排気量車の恩恵かなと。
燃費なんか語る車じゃないけども、ちゃんと測っていないので、感覚レベルだが意外に優秀。街中6、高速10くらい?シロッコが街中7、高速12だったので多少劣るくらい。
2018年3月25日
この日は免許更新のため府中へ911で。
道中、前日あまりいじらなかったスポーツモード、スポーツエキゾーストを試すことに。
まず、スポーツモードは激変という言葉がぴったりなくらいに硬くなる。段差をもろに拾うようになるが、不快な突き上げ感はなく、ユサユサされるだけ。
それとスポーツモードONでスポーツエキゾーストもONになると、いやはや楽しいですな笑
回しても楽しいのですが、低回転のときのサウンドが心地良い。フォンフォンフォンフォン言ってる。発進の都度、ニヤニヤが止まらない。音が聴きたくて、ついつい1速を引っ張ってしまう。
私はエキゾーストサウンドこそBGMな変態なので、このスポーツエキゾーストは最高。
そんな911の残念な点はウィングが見えないことかなあって思った。走ってる姿を見るのも好きなので、よくガラス張りに映る姿をみては「かっこいいなあ」とよくにやけてる。
と、長々と綴ったがまとめると、、、
・ポジション合わせは流石ポルシェ
・高速時の安定感は格別
・高回転エンジン大人しく乗れば燃費良し
・スポーツエキゾーストは街乗りが楽しくなる
・リアウィングが見えない反動で、ガラス張りに映る姿にさらに萌える
そんな感じでしょうか。
私の911デビューおしまい。