フロントアンダーパネル装着による冷却系への影響　その１

フロントのアンダーパネルを作ったのでまずは冷却系への影響を検証してみたいと思います。（ダウンフォースの検証は次の整備手帳でやります）

DC5は設計が古い車の為、アンダーパネルが付いていない車種なので、これだけ大きな開口部を塞いだ際の影響がどうなるか検証してみましょう。

手始めに水温から見てみましょう。

水温の計測はOBD２からスマホにデータを飛ばしてログが取れるトルクプロを使います。

トルクプロではCSVでデータログが取れるのでパソコンにデータを移してExcelでグラフにするとこんな感じ。

データを取った日は8月頭位の気温30℃越えの真夏日です。

いきなり高速道路に乗る度胸は無いので、手始めに街乗りだけですが水温の上がり方、最高水温ともに目立つような差異はありません。

じゃあ効果が無いのか？というとそうではありません。

車にはエンジンを適温に保つために、サーモスタットや電動ファンが付いておりオーバーヒートしないような作りになっています。

また水温や吸気温度によってはリタード制御が入る為に燃料噴射量が変わるので発熱量自体は常に変化しています。

その為性能評価としては水温だけ見るのは不十分なのです。

ではどうするかというと水温以外の評価項目としてして”ラジエター通気率(通風率)”というものがあります。

これは車速とラジエターを通過する風速の比率の事で、エンジンルームの空気抵抗を示す数値になります。

例えばラジエターコアの厚みを上げたときには、コアの厚みが増えた分通気抵抗が増えてこのラジエター通気率は低くなります。
逆にこの数値が1に近づけば通気抵抗は減っており冷却性能が向上していることになります。

写真は林義正先生著のエンジンチューンを科学するP120から

ラジエーターに入ってくる風速の測定はアマゾンで4000円くらいで売っている風速計を開口部に設置しました。

上の三枚目の写真のグラフに写っている赤い線はこの風速計の数値です。

この風速計もBluetooth接続でタブレットに送信することが出来るのでこれもデータログを記録します。

トルクプロと風速計はどちらも現在時刻とデータが1秒間隔で記録されるので、ExcelでそれぞれのCSVファイルからコピーして時刻を合わせてやれば写真の様なデータが取得できます。