ちょっと前になるんですが、みん友の町山絢香が書いた
この記事にコメントを入れてきた訳ですが、今回はその時書き漏らした部分を含めたお話を。
ここのところ、
札幌市内中心部勤務でマイカー通勤OKという
「超激レア求人」の面接が続きまして、先日もそのうちの一社に行ってきまして、現在結果待ちです。
いかにも「すすきのならでは」という場所の中心ぐらいに事務所がありましたが、ちゃんとした会社でしたので念のため(^^ゞ
先方との話の中で「マイカー通勤」の話になり、そこで出たのがこの条件。
「一応許可制で、立体駐車場に入る車であればOKですよ」
ちなみにこの会社では駐車場も何カ所かで持っているんですが、そのすべてが
「タワー型駐車場」。
たぶん、普通だったら別に不思議に思うこともないことですし、正直これまで私も深く考える事がなかったのですが、いざこの条件で中古車情報を探ってみると、思いの外高いハードルになっていたことに今更ながら気づかされます。
基本的に通勤がメインになるので、狙い目としては軽自動車かコンパクト系の格安物件狙いなのですが、
ギリギリ「アウト」なクルマのなんと多いことか…。
国内にあるタワー型パーキングの平均を取ってみると、対応できる車両寸法が
全長5m以下、全幅1.8m以下、全高が1.55m以下というところが多いそうで、
日本で初めてタワーパーキングを製作・納品した
「IHI運搬機械株式会社」のサイトを見ても、
「背高のっぽの大型車」に対応できるタワーパーキングはラインアップされておらず、機械式パレット移動型か自走式の立体駐車場でようやく対応できる
(かな?)という程度だそうな。
そういえば、最近建設される商業施設では平地か自走式の立体駐車場が併設される事が多くなったなぁと感じてたところですが、こうした要因があったのですね。
それに、大型車やRV・SUV系に対応できるスペースがあるところでは、そちらばかりがすぐ埋まるようになったとも…。
カリーナEDやマツダ・ペルソナのヒットがきっかけとなって、
昭和末期から平成初期にかけ「背の低い車」がウケたわけですが、2000年代に入ると一転してだんだんと背が高くなり、ミニバンはともかくとして、
「タワーパーキング不可」なクルマが主流となっています。
しかし、我が
札幌市中心部で主流なのはタワー型で、立体駐車場の数は私が覚えてる限りだと
一桁台という競争率の高さ。
これに通勤で必須となる
「月極契約」を条件に含めると、
選択肢はさらに狭まるのです。
ところで、国内で登録される車には寸法や排気量が法律(道路運送車両法)によって規定されていて、その数値をまとめると以下のようになります。
流石に「普通車規格」ギリギリの大きさの3ナンバー車となると、それこそ
ストレッチリムジンとかストレッチ霊柩車ぐらいなもので、乗用車として最大級の大きさとなるとハイエースやアルファード辺りかと思われますので、参考値として付け加えてみました。
ちなみに、日本人の青年男女の平均身長は、
男性で170cm、
女性で158cmとのこと。
先に述べたように、タワー型では
1.55mが対応できる最大の高さであることが多く、立体駐車場でも
概ね1.7~2.0mの高さ規制が掛けられていることがほとんどですから、女性の場合、タワー型に駐車する時は頭がぶつかるかもしれませんな。
しかし、この規格寸法にはちょいとした
「からくり」が存在します。
これはP10プリメーラ(I型)のカタログ巻末に掲載されている寸法図。
コイツをよく観察すると、上の一覧表が「車両本体の寸法」であり、
ドアミラーやラジオアンテナの分が含まれてないことがわかると思います。
別にこれは手を抜いたわけではなく(笑)、国交省令で
サイドミラーやアンテナを取り外した状態で寸法測定を行うこととなっているためで、
車検証やカタログ等に記載される寸法もまた同じです。
即ち、実際の車体有効寸法は、カタログや車検証の寸法より、
全幅でおよそ60cm、全高でおよそ15~20cm加えたものになるため、車を運転する際や駐車場を探したり、車庫証明を出す際はこの辺を頭に入れておく必要があります。
それはともかく、車内の居住性を向上させるためには寸法を拡大させるのが手っ取り早い方法ですが、全長と全幅に関してはあらかた決まってきて、
伸ばす余地がある程度残されてきた全高に注目が集まり、結果「タワー型不可」な車が増えたとも言えそうな気がします。
特に、規格ががっちり決まっている
軽自動車では特に顕著で、それまで1BOX型やジムニー辺りでようやく「背が高い」と思っていたものが、
気がつけばその辺のミニバンとまるで遜色ないぐらいの高さがある軽自動車が幅を利かせているという状態になってしまいました。
初代タントを初めて運転したとき、
旋回時にヨーモーメントをハッキリ体感できる程でしたし(^^;
ただ、このような最近の傾向に対し、正直
「やり過ぎ」感は否めませんな。
東京・大阪・名古屋といった
「大都市圏」であれば、JR・私鉄を含めた鉄道路線やバス路線などの本数が多く、路線自体もかなりきめ細かく対応しているため、
特段自動車の必要を感じさせない部分も有りますが、所謂
「地方都市」となれば、車はまだまだ
生活の一部。
札幌もその例に漏れず、中心部や、最近再開発が進む「創成川イースト」と呼ばれる一帯(下図の水色部分辺り)、地下鉄の駅周辺ぐらいでようやく「車無くても、何とかなるかな?」という程度。

そこからだんだんと離れていくに従い車の重要度が増し、郊外ともなれば、通勤はともかく
家の近くのコンビニに行くにも車で行かないと不便ということも珍しく無いのです。
…えぇ、
我が家がそうですよ(笑)
たばこ1個買うのも車で行きますよ(´・ω・`)
例えば、中心部に用事があっていくにしても、
駐車場代より交通機関の片道運賃の方が高かったりしますが、かといって
駐車場探ししながら、ただでさえ混雑してる中心部を自家用車で走る気にもならず、仕方なく往復で1000円札がすぐなくなろうともバスでいくことになります。
それに、仮にタワー型が使えない車を所有していたら
余計選択肢も少なくなる事になりますから、
いくら室内の広さが自慢の車に乗っていても逆に不便すぎると言うことにもなりかねないのです。
確かに、タワー型に入れる車が全くなくなったわけじゃありませんし、あえて立駐に対応できる全高に抑えた車もあるわけですが、同じタワー型でも古い機種になれば最大で全高1.5m以下、全幅1.7以下という場合もあるようですから、
真の意味での「立駐対応サイズ」の車がもう少し増えてくれればいいのになぁ、と思う次第です。