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ひろくん@北海道のブログ一覧

2013年07月07日 イイね!

「音」が紡ぐ物語

突然ですが、「妙に懐かしさを憶える音」って有りますよね?
言葉や音楽なんかもそうですが、「音」が人間の記憶や心理に与える影響力ってのは決して馬鹿に出来ないものがあると思うのです。

例えば、昔良く聞いていた曲が不意にラジオなどから流れてきた時に、妙に懐かしさがこみ上げてきたりとか、歯医者の診察室から聞こえてくるリューターの音を聞くと、待合室で順番待ってるだけなのに妙に歯が疼くような錯覚を覚えてみたりとか(^^;
まじめな話をすると、全然泣き止まない赤ちゃんに心臓の音や血流音を聞かせると、とたんに泣き止むことがあるそうで、胎児として母親の胎内にいるときに聞いていたものを潜在的に記憶しているらしいという学術的な研究結果もあるそうな。

つまり、音というのは過去に経験した記憶や心理状態を探すためのインデックスの役割を持っていて、精神的なダメージの度合いによって「思い出」もしくは「トラウマ」として脳に刻みつけられるという訳なんですな。
…こういう解釈であってるかどうかは別として(笑)

ところで、私にとっての「懐かしさを憶える音」はこれです。



これは、1970年代前半辺りまで生産されていた日産ディーゼル製バスのエンジン音。
当時、この特徴的なエンジン音を轟かせて走っていたことを懐かしく思い出される方も少なくないでしょう。
ここ札幌でも例外ではなく、私が住む札幌市南区をテリトリーとするじょうてつバスにもまとまった数が在籍していました。

…いや、正確には「在籍していたはず」になります。

というのも、リアウィンドゥの上に「定鉄バス」とややかすれた赤文字で書かれていた、上の動画のサムネイルと同じモデル(と思われる車輌)後ろ姿を、小学校低学年ぐらいの頃辺りに「チラッと」見た程度でして(^^ゞ
しかも、それが最初で最後になってしまいました。

歴史をたどると、私が生まれた1972年、その前年に一部開通したばかりの地下鉄南北線の輸送力調整のため、当時じょうてつが運行していた路線と所有していた車輌の一部が札幌市交通局に譲渡していて、このとき日産ディーゼル製の車輌が相当数移り、じょうてつに残った車輌も早々に引退したものと考えられるのですが、あのエンジン音だけは私の脳裏に強烈に刻み込まれました。

しかし、「記憶の断片」しかない手がかりを基にしても、こうして「懐かしい音」に巡り会え、さらにその音の根源についてさらに深い知識が得られる事に、今更ながらインターネットの便利さを実感させられます。
勿論、音や文字といったデータをネット上にアップした方がいたからこそではあるんですが…。

そこで、このバスの搭載されたエンジンについて調べてみると、これが実に面白く、興味深いものであることがわかりました。

このエンジン、「ユニフロー掃気ディーゼルエンジン」といって、なんと、今や希少となった2サイクルなのです(^^



上の画像は、同じ機構を持つアメリカ・デトロイトディーゼル製の直3エンジン「3-71」型の断面図で、日産ディーゼルの前身である「民生デイゼル工業」がこのエンジンをライセンス生産し、国内唯一の「自動車用2サイクルディーゼルエンジン」として1955年にデビューしたのが「UDシリーズ」となります。

国産で唯一無二のエンジンというと、やはり、



このロータリーエンジンが余りに有名ですね(^^;
正直、UDシリーズはその影にすっぽりと隠れてしまう訳ですが、ロータリーにせよ、ユニフロー掃気式2サイクルエンジンにしろ、大本は外国の技術で有り、その技術を日本で熟成させたという点に加え、技術面から見ても特筆すべきハイライトが多数あったことは言うまでも無いことです。

そのハイライトとは、2サイクルエンジンというだけで無く、その機構にあります。



上は一般的な2サイクルガソリンエンジン4サイクルエンジンユニフロー掃気2サイクルエンジンの概念図を並べてみたのものです。

「2サイクルエンジン」といっても、ガソリン・ディーゼルを合わせると数種類あり、今回取り上げているユニフロー掃気タイプは2サイクルディーゼルエンジンのうちの一つで有り、2サイクルのガソリンエンジンによく使われているタイプ(上図左上)は発明者の名を取って「デイ式」と呼ばれています。

デイ式2サイクルの場合、ピストンの上下運動により掃・排気ポートを順次開閉させることで4サイクルの「吸排気バルブ」の役割をしているのに対し、ユニフロー掃気式にはシリンダ頭頂部に4サイクルエンジンのようにバルブが設けられていることが特徴で、4サイクルエンジンと同じようにカムシャフトを介して開閉されます。
しかし、これはあくまでも「排気側」のみのバルブであり、掃気ポートはデイ式と同様にシリンダ側面部に有り、シリンダ内の空気の流れは「下から上へ」の一方通行となります。これが、「ユニフロー(単方向)掃気」と呼ばれる所以です。

ちなみに、掃気を促すためにルーツ式ブロア、即ち「スーパーチャージャー」が使われているわけですが、あくまでも「強制的に新しい空気をエンジンに送るための装備」であって、今日、一般的に理解されている「出力向上目的」という位置づけではないようです。
尤も、「排ガスを素早く外に出し、新気をいかに素早く詰め込むか」というのは出力向上策の基本でも有り、「パワーアップのためのスーチャー搭載」と理解してもあながち間違いではないのですが(^^ゞ

このエンジン、2サイクルエンジンの特徴である「コンパクトで単純な構造」に加え、吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程を行うのにクランクシャフトを2回転させなければならない4サイクルに対し、2サイクルはクランクシャフト1回転で済ませられる、つまり、単純に言えば燃焼回数が4サイクルの倍に増やせる事もあり、4サイクルより少ない排気量で、遜色ない出力が得られるという利点は変わリません。
このため、他社が4サイクルの大排気量エンジンを投入する中、日産ディーゼルはユニフロー掃気式2サイクルエンジンで渡り合うことが出来たのです。

また、ユニフロー掃気の場合、デイ式2サイクルで行われる「クランクケース内での予備圧縮」行程が不要で、クランクシャフト等への潤滑のために従来必要であった「専用オイルの必要性」と「燃料とエンジンオイルの混合」が不要となるため、4サイクル用のエンジンオイルと共用でき、コストやメンテナンス面にも非常に有利になっています。

こうして、3気筒から始まったUDシリーズは4、5、6気筒とマルチシリンダ化していき、最終的には、



この「国鉄ハイウェイバス」にも搭載され、「国鉄専用型式」となったV8RA120型搭載のV8や、公道外ダンプなどに搭載されたV12にまで拡大することになりますが、排ガス規制が強化された1974年、すでに同時並行で開発・搭載が始まっていた4サイクルディーゼルエンジンにバトンタッチするように、登場から数えて20年ほどの歴史を刻み自動車用エンジンの第一線から退くことになります。

余談ですが、UDエンジンのベースとなったデトロイトディーゼルの「シリーズ71」は、日産ディーゼルが生産を終えた後も改良を加え「シリーズ91」に発展し、アメリカ名物で有り、私らアラフォー世代には懐かしい鈴木英人氏のイラストでおなじみのグレイハウンドバス(これ、バスの車名だと思ってたら、アメリカのバス会社の名前なのね…)の長距離路線用バスにも搭載され、最終的に1990年代まで生き残ることになります。
全くの偶然とはいえ、根本が同じエンジンがアメリカと日本で長距離バス専用車両に搭載されていたって言うのも不思議な縁を感じますね~。

…と、ここまで読んでいただいた車好きの方には何となく察しが付いてる思うのですが、日産ディーゼル製トラック・バスに必ず付いていた「赤丸にUDの白文字」バッジの由来でして、ボルボグループと日産グループの一員となった現在の社名、



「UDトラックス」へとつながっていくことになります。

元々はUniflow-scavenging(ユニフロー掃気) Diesel-engine」を意味していたUDは、4サイクルエンジンへ移行後も日産ディーゼルの象徴として、そして、「Ultimate Dependability(究極の信頼)」という意味に変わった現在も、その伝統は連綿と受け継がれているのです。
2013年06月30日 イイね!

何故このタイミングで?

何故このタイミングで?今日は年に一度の「ロ(6)澪(30)の日」ですゼ!

…という事で(^^;

早いもんで、あと数時間で2013年の半分が過ぎ去ろうとしています。
つい先日まで、雪かきの日々だったような気が未だにしております(笑)
会計年度で考えてみても、第一四半期が終わる日でもありまして、何かと「節目の日」でもありますな。
節目と言えば、来月早々に迎える誕生日でついに40の大台を突破することになり、嬉しいと言うよりは余り笑えない状況でもありまして(^^ゞ

さて、なんだか物騒な事件が連鎖するように続いた先週でしたが、その影に隠れるように、車好きのみならず、国内すべての自動車ユーザーにとって由々しき事態の割には、余り目が向けてられないニュースがありました。

政府が、自動車取得税廃止の代わりに自動車税と軽自動車税の値上げを検討するって話ですよ。

私がみんカラにやってきて間もなくだったと思うのですが、時の民主党政権下でも同じような話が出てきて、「もしかすると、軽自動車税は今の4倍になるかも…」なんて話もささやかれていたのですが、その最中に東日本大震災が発生し、この話も立ち消えになったと記憶しています。

それが、ここに来てゾンビのごとく墓から蘇ってくるってのも、また妙な話です。
しかも、国会が終わり、永田町界隈は間もなく公示される参院選モードへすでに突入済み。
周りを見渡せば、候補者ポスターの掲示板がしっかり用意されているという中で、まるで降って湧いたように飛び出してきた事に、怒りと言うより不気味さを感じますな。
だって、増税って話になれば素人目に見ても選挙にゃ不利な話ですし、ただでさえ車の保有台数が多く、増税の影響をもろに受けてしまう物流や交通業界とか、それこそ自動車業界には与野党含めて支持団体ってのは必ずあるはずなんだけど…。

関連する話をざっくりと読んでみた感じ、争点は「軽自動車税」の模様ですな。

一時とはいえ軽自動車を所有し、かつ、その恩恵にあずかったこともある私が言うのもなんですが、やはり軽自動車って、何かと優遇されすぎだと思うんです。
特に、安全面の関係でサイズアップした事もあって、一応「軽の一分」はとりとめているものの、見た目と車重がコンパクトクラスと遜色ない程度までになってるのに、ナンバープレートの色が違うだけで税金から自賠責の料金から天と地程の差があるってのもおかしな話なんですよね。

車税なんて、軽貨物車なら1.0L~2.0Lクラスの乗用車で支払う税額の1/10でOKだし、軽乗用にしても1万円を切る
それに、白・緑ナンバーであれば一定期間を過ぎれば10%上乗せされるのに、軽自動車はその規定が無いってのも、不公平感を煽ってる要因の一つだと思います。

かといって、じゃあ諸手を挙げて増税に賛成できるかと言えば、それも違う
先述のように、保有台数が多い物流やバス・タクシー業界からは間違いなく突き上げがあるでしょう。
それに、自動車業界から早くも反論が出ているようです。
増税されるのがわかってて車買う人間って、よっぽど必要じゃ無い限りいないわけですし、そうなればメーカーや販社の売り上げがガタ落ちになって共倒れしかねないわけですから

それよりも、一番影響が出るのは地方在住者でしょう。
私が住む札幌といえど例外じゃ無く、地方都市の場合、移動手段の主役はやっぱり自家用車であり、生活必需品でも有ります。
最近じゃ、「クルマ持ってない」というと露骨に嫌な顔されたりとか、「自己所有車持ち込み大歓迎」って言う求人も珍しく無いですし…。

そして、地方自治体の多くは、慢性的な財政難に苦しんでいます。
そんな中、地方税として自治体の懐に入る自動車税や軽自動車税が増税されるということになれば、車の買い控えが始まるのは当然として、その結果税収入が減り、ますます台所事情が厳しくなるって事は目に見えてあきらか、なはず。
この国の「基幹産業の根底」だけじゃ無く、ひいては国全体をも巻き込んでとんでもない事になるのは言うまでも無いでしょう。

何というか、藪を突っついたらアナコンダが鎌首上げて20匹ぐらいゾロゾロ出てきそうなぐらい不利な状況に陥るのがわかってそうな気もするんですが、それでもあえて自民党がこの話を持ち出すと言うことは、カウントダウンが始まった「消費税増税」という爆弾を抱えながらも圧勝した東京都議会選挙の結果以外に、不利な状況を大逆転できる程の何かしらの「裏打ち」があるんでしょうけどね…。
2013年06月22日 イイね!

私的「一発屋」五選!【第三極編】

どもども!前回のブログから随分間隔が空いてしまいました。
ようやく落ち着いてきたところですし、いつまでも湿っぽい話ばかりなのも何ですので、今回は雰囲気をがらっと変えるべく、町山絢香さんの恒例企画「わたしの五選」いってみます!

24回目となる今回のお題は、前回に引き続き「一発屋選手権!」
前回は、トヨタ・日産車における「No.1一発屋」褒めてるんだか貶してるんだか(笑))を決定しようという企画だったわけですが、なんと票が割れに割れて「二次選考」に突入(^^;
結局、こちらの通りの結果となりました。

そこで今回は、「トヨタ日産以外・第3極の一発屋選手権!」という事で、「ホンダ・マツダ・ダイハツ・スズキ・いすゞ」の「第三極」の中からエントリーしたクルマ達の中から、前回同様、栄えある「No.1一発屋」を決めてみよう、という趣向です。
エントリー車種につきましては、関連情報のリンクからどうぞ。

では、私が選んだ5台を発表します!

■第一位…スズキ ツイン



一位を決めるに当たってエッセと迷いに迷ったが、ここはツインに軍配を上げることにした。
「軽自動車初のハイブリッド車」というエピソードもあるが、私が重視したのは「潔さ」
確かに、エッセのパッケージングにも潔さが垣間見えるが、やはりツインのそれは他をも凌駕
してしまう程の勢いを感じる。

街中を行く車を見ていると、大概乗車しているのはせいぜい2名程度である。
「それならば」と、大人2名が移動するのに最低限必要なものを揃えたのがツインという車であり、パッケージングも、「移動手段として」のまさに必要最低限を貫いた物になっている。

つまり、軽自動車の使われ方を徹底的に追求し、その結果得られた「シティコミューター」としての役目を果たすために開発された究極の車

これこそがツインの本質であり、同時期にスズキから発売されていたスクーター「チョイノリ」のいわば4輪版でもあったのだ。

私が初めて見たときは、恐らく外回りの営業マン用や、一部のデリバリー系職種用として歓迎されるであろうと思ってはみたが、その意に反して商業的には成功せず、登場から3年を待たずに姿を消した。
大排気量で使いもしない2列目以降のシートをもてあましているミニバンを「良し」とする日本国内のマーケットの幼稚さでは理解されないパッケージングではあるが、「移動手段の本質を極めた」この車の価値を理解出来る人間が少ないと言うことは、大いに憂うべき事態である。

でも、衝突安全性等を加味すると、今の基準じゃこの車と同じようなコンセプトの車は作りにくいだろうなぁ…。


■第二位…ダイハツ エッセ



さて、そのエッセにご登場願おう。
元々、ミラの下位に位置するエントリーモデルとして登場したエッセであるが、この車も「軽自動車のあるべき姿」を具現化したモデルだったと言えよう。
 
フランス車にも通じる洒落たデザインを持ち、5ドア4名乗車という軽自動車にありがちなパッケージングではあったが、エントリーモデルとするために徹底的なコスト削減策が図られ、この車もまたセンターメータを採用していた。
ツインの倍の乗車定員を持つエッセもまた、その成り立ちは「移動手段としての究極の形」であったと思う。
しかし、このコストダウンによるシンプルな構成が、思わぬところで威力を発揮する。
このシンプルさが功を奏して700Kg代に抑えられた車重に組み合わされたのが、当時のダイハツ最新鋭エンジンであり、58PSを発揮するKF-VE型これで面白くないわけが無い(笑)
かくして、当時行われていた「ダイハツチャレンジカップ」(通称ダイチャレ)を中心に、モータースポーツ界に登場するまでには、さして時間がかからなかった。
これで、エッセカスタムのエンジンがターボ付だったら、アルトワークス以上のウェポンになっただろうに…。

しかし、上位に当たるミラと同等か若干下という価格設定もあり、客層が見事にバッティングしたため、商業的にはとっちらかった印象が強い。
また、エアバッグこそ装備されたもののABSが全車オプションだったり、後に統一されるとはいえ、4ATの設定が上位グレードにしか無いといった点を加味すると、少々「潔すぎ」であることが決め手となり2位とした。
ここ10年近く続く「軽自動車人気」の中で、昨今「プレミアム軽」に注目が集まりだしている。
確かに「選択肢の一つ」としては否定しないが、そんな今だからこそ「ものの本質を見極める」事が尚更重要では無いだろうか。

少なくとも、ツインとエッセは、我々にそのことを教えてくれる教科書的な存在と言えよう。



■第三位…ダイハツ ストーリア



「リッターカー」の代名詞と言えば一般的には日産マーチのイメージが強く、ダイハツと言えば、やはり軽自動車メーカーとしてのイメージが強いだろう。
しかし、小型車分野においてもダイハツが際立っており、その最たるものが「シャレード」であり、その後継として登場したのがこのストーリアである。

シャレードがまだ現役の頃、業務提携先で有り、後にダイハツがグループ傘下の仲間入りをするトヨタをして、シャレードの販売への影響を加味して、同じクラスにあったスターレットの国内モデルには1.0Lモデルを投入しなかったという話もあるが、後にシャレードにも1.3Lモデルが登場し、グループ内で共存することになる。
結果として、販売力に勝るトヨタの圧勝ではあったが、ストーリア登場に当たり、排気量を当初1.0Lのみに絞り発売した。
しかしながら、その個性的なフォルムが徒になってしまったのか販売はイマイチふるわず、バッジエンジニアリングでトヨタへOEM供給し「デュエット」という名で発売したとたん本家を差し置いてそこそこの販売成績を残したという珍しい現象をも引き起こした、いわば「不遇の車」でもあった。
しかも、その頃にはスターレットの後継モデルで有り、ラインアップ中に1.0Lモデルがあるヴィッツまでもが存在していたにもかかわらず、なのだ。
結局、デュエットと同時に1.3Lモデルが追加される事にはなるのだが…。

一説には、時の700系ミラがベースになったとされる車体は、重量増になりがちな4WDモデルでも1tを切る車重に抑えられ、1.0Lエンジンにしても、搭載されるEJ系のベースとなったEF系エンジンのターボモデルでようやく達成できる60~64PSという出力を、その排気量差によりNAで発揮でき、車格的にも必要にして十分といえる性能を有している。
加えて、さらに高出力となる1.3Lモデルは、クラス屈指の走りの良さという定評もあるし、何よりも、デュエットには供給されなかったラリーウェポン「X4」の存在も大きい。

でも、この車の本質を見いだすとしたら、やはりシャレードから脈々と受け継がれた1.0Lモデルでは無いかと考えるし、安価な維持費用や、所謂「生活四駆」とはいえ、数少ない「1.0Lの4WD車」として、個人的には「超注目株」の一台である。

X4があった頃のように、もう少しアフターパーツが充実していると、さらに楽しめるのだが(^^ゞ


■第四位…三菱 ジープ



今でこそ「クロカン」や「SUV」、総合的に見た場合は「RV」という用語が浸透しているが、それらの言葉が出てくる以前、4WD車全般を指す言葉として広く使われていたのが、この「ジープ」という言葉。
元をたどれば、現在はクライスラーのブランド名で有り、その昔存在したアメリカ・ウィリス社の商標となるのだが、軍用車をその祖としてアメリカからやってきたこの車の走破性や耐久性は、敗戦後の日本人の目には脅威に見えたのかもしれない。

戦後日本の自動車業界の復興は、戦勝国であるアメリカやヨーロッパ各国の車のノックダウン生産から始まった訳だが、そのうちの一台にウィリス・ジープが有り、世に言う「いざなぎ景気」を呼び込んだ朝鮮戦争の物資補給のため、当時ジープのノックダウン生産を請け負っていた三菱自動車が作り上げた「三菱ジープ」警察予備隊(現・自衛隊)に採用されたことがきっかけとなり、この島国で独自の深化を遂げることになる。
ちなみに、「ジープ」という名称は三菱自動車のみに使用を許されており、同じように警察予備隊用車輌の入札に参加したトヨタはこの名称を使うことが出来ず、やむなく「ランドクルーザー」という新たな名称をつけたという逸話があるぐらいだ。
 
ジープの特徴と言えば、まるで骸骨を彷彿とさせる特徴的なフロントマスクであり、「質実剛健」を絵に描いたような、まさに「道具」に徹した無骨さにある。
こうしてクロカン4WDのパイオニアにして代名詞ともなったジープは、基本となる幌付きのオープンタイプからメタルトップ、5ドアの「デリバリバン」に至るまで様々なバリエーションを展開し、自衛隊を初めとする官公庁はもとより、民間にもファン層を拡げていくことになる。
その後、日本上陸から生産終了まで実に40年余りの間、フルモデルチェンジを行うこと無く第一線で活躍を続けてきたジープも、最終的に安全面等の問題をクリアできないとしてひっそりと第一線から身を引くこととなった。
これは、同社製のセダン「デボネア」以上のロングライフでもある。
そして、この間弟分のパジェロを産み、そのコンポーネンツを使い、クラス最強の走破性を身につけたデリカ4WDが登場し、ジープの血統は、現在も脈々と受け継がれている。


■第五位…ホンダ NSX



1984年、トヨタMR2から始まった国内のミドシップスポーツの歴史は、1989~1991年に掛け再び節目を迎えることになった。
まず1989年に、始祖となるMR2がSW20型へモデルチェンジを敢行、その後、本田宗一郎が最後に見送ったとされるビートが1991年に登場。その間に挟まれる形で1990年に登場したのがNSXである。

90年代というと世はまさにバブル景気まっただ中であり、今の経済状況からは考えられない程の好景気は、自動車メーカーに潤沢な開発費用をもたらし、今なお名車として語り継がれる「夢のある車」が続々と誕生していた、日本の自動車業界が一番活気づいていた時代でもある。
そんな中にあって、今では考えられないような手法で作られた贅沢な一台の一つがNSXであった。
当時、いや、現代でも類を見ない「オールアルミ製モノコックボディ」は世界を驚愕させたし、搭載された新開発の3.0L・V6DOHCエンジンにはホンダの代名詞となった「VTEC」で武装し、当時設定されたばかりで、それまで過給器付きエンジンで無ければ達せなかった「出力自主規制値」限度いっぱいの280PSをNAで達成するという快挙を成し遂げた。
まさに、「エンジン屋のホンダ」の面目躍如である。
但し、その特殊性から一般的な「ライン生産」が出来ず、NSX生産専用の工場を新たに建設し、殆どの工程を手作業で行ったことから車両価格もおよそ800~900万円台にまで膨らみ、最終的には1000万円の大台を突破することになる。
それでも、発売当時は多くのバックオーダーを抱え、待ちきれない一部のユーザーは輸出仕様の「アキュラNSX」を逆輸入するなど、価格帯から見れば「狂乱」といっても過言では無いヒットとなった。

そうそう。かつて、私が勤めていた中古車販売店でNSX専用のコーナーを作って販売していたことがある。
当時の販売価格帯は大体400~500万年程度であり、流石に気軽に買える価格ではなかったが、覚えている限りで数台が売れていた。
場所も、現在J2リーグのコンサドーレ札幌の練習グラウンドに近く、選手もちょくちょく見に来ていたらしい。
そんなわけで、NSXに触る機会もあったのだが、パワステ非装着車のステアリングは同じミドシップであるAW11のそれより恐ろしく重く据え切り時に至っては鬼の形相でのステアリング操作を余儀なくされた。
そして内装も、インパネを中心にどことなくプラスチッキー名部分が多く、正直「1000万円台の新車価格だった車」の割に随分とチープな印象を覚えてしまった。
それまで「大衆車」を得意としてきたホンダだけにいきなり高級感を求めるのは酷な話だったのかもしれないが、どうにもこの点が残念でならなかったのが悔やまれる。

まぁ、バブル期の車ってのはそんなもんなのかもしれんが…。


今回はエントリー車種のなかから、個人的に気になっている車を選んでランキングしてみたのですが、前回よりは選びやすい上に思い入れもたっぷりだったりしてます(^^ゞ
その分、説明文がこれまでの五選参加のものと比べて随分長くなったような気がしてます(笑)

さ~て、今回も割れるだろうなぁ(^^ゞ
2013年05月22日 イイね!

素朴な疑問

素朴な疑問今回は、動画と画像多めです(^^ゞ

まずは、こちらの動画をご覧ください。



これが運輸支局での検査の様子です。
ホントは、これの前段に受付での書類確認と、検査後に書類を更新窓口に出して新しい車検証を受け取ればOKという流れになります。
 
最近はユーザー車検も盛んになり、それにちなんだ情報などもネットで簡単に入手できるようになりましたが、これが法律で規定されてる「車検」なのです。
ただ、あえて苦言を呈すると、ユーザー車検が「自己所有車の管理」という面より、対費用面ばかり(要は車検費用が安上がりになるってこと)に主眼が置かれてしまってることに、どうにも首をかしげてしまうのですが…。

まぁ、今回はこれが主題じゃないんで、この辺りで矛を収めますが(笑)、以前までの仕事で運輸支局の検査ラインに行くようになってから、

三輪車の検査ってどうやってるんだろう?

と考えるようになったのですよ。

三輪車と言っても…、



あぁっ、あやち愛しいよあやちBy花澤香菜(笑)
っていうか、三輪車がギシギシ言ってるよあやちw


合法ロリなこの人が乗ってる子供用じゃなくて(^^ゞ



旧車ファン&高速有鉛読者にはおなじみの某姐さんが見た瞬間、至る所を決壊させそうな(笑)、「オート三輪」と呼ばれたこの三輪自動車のこと。

数年前に検査持ち込みで札幌運輸支局に行ったときに、たまたま上の画像と同じマツダ製の3輪トラックを構内で目撃したんですが、運悪く、こちらは当時いた会社に戻るところに入れ違いで支局へやってきたため検査ライン上での三輪トラックの勇姿を拝むことが出来ず、それ以降も見かけることがなく今日に至ります。
一応、整備士としての経験も持ち合わせてる私ですが、如何せん触ったことがあるのは、トラックを含めて4輪車と自転車だけ…。
「旧車」と言っても、トヨペット転勤時に私がいた工場へT20系コロナが車検で入庫したことがありましたが、結局触ることが出来ずで…。
っていうか、正直悶々としてる部分も否めないんですが(^^;、あの時三輪トラックを見て以来、ずっと疑問に思っています。

想像するに、整備作業に関しては、フロント部分でバイクの要素が関わってくる程度で、そのほかの部分は普通の4輪トラックと殆ど同じような感覚ではないかと。
また、検査に関しても、外見検査はともかく、ヘッドライト検査と排ガス検査は特に支障はないと思うんです。
そう。問題はこれ以外の検査項目をどうやっているんだろうって事。

車検での検査項目の内、直進性を検査するサイドスリップブレーキスピードメーター検査については、



このような複合型テスタ(ABSテスタ)を使い、車の前後それぞれの車軸ごとに検査します。
このタイプは運輸支局や軽自動車検査協会の検査ラインだけでなく、所謂「民間車検場」と呼ばれる指定工場の検査ラインでもよく使われています。
 
これだと、リアブレーキ・パーキングブレーキ検査とスピードメータ検査(オート三輪って後輪駆動ですし)は問題なく出来る(はず)ですが、検査時はテスタにまっすぐ乗り入れなければならないため前面中心にタイヤがあるオート三輪だと、テスタのローラーに乗り込めないため検査が出来ない様な気がするんですね。
確かに、車体位置を左右にずらすことも出来ることは出来るんですが、レーン幅がそのラインで受けられる車輌幅ギリギリで仕切られてるんで、せいぜいタイヤ幅一本分がいいところですし、それ以前に検査官から注意されますが。

それに、この複合型テスタの発展系である、



この「マルチテスタ」と呼ばれるタイプならなおのこと。
このテスタ、4輪同時にローラーが回転でき、4輪同時にブレーキ検査が出来るため、フルタイム4WD車の普及率が半端ない寒冷地・降雪地の検査場の必須アイテムです。
ただ、値段も半端ないんで、ディーラーでも持ってるところは少ないですけどね(^^ゞ

尤も、運輸支局には登録対象の2輪車用検査ラインってのもあるんですが、



こっちだと、今度は「リアはどうするのさ?」って問題が発生するはず。
っていうか、抑も、「2輪専用ライン」なので軽自動車でも入らないぐらい狭さでも有りますし、2輪にゃサイドスリップ検査がないわけで(笑)

そして、下回り検査の場合、



このように「半地下ピット」や、車を乗り入れたままリフトアップさせる事が出来るリフトが使われてることが多いのです。
…という事は、こういうところにオート三輪が乗り入れてしまうと、こうなることも考えられるわけで。



支局や軽協会曰く、ピットに車落として大変なことになった例は4輪でも結構あるとか…。

つまり、「左右にタイヤがある車」が受験することを前提に作られた検査ラインだと、三輪車にとって不都合な面があると思うんです。

だけど、「三輪専用検査ライン」とか、再検査受験時に項目を申告する際に操作する「申告ボタン操作盤」にも該当するスイッチは見たことがありません
それにもかかわらず、検査機器は既設のままで特に問題なく三輪車が受験してる訳ですから、たぶん何かしらの対策なり方法があるのではと考えてます。

う~ん…。他にやらないといけないことばっかりなのに、なんだか気になるf^^;
もし、この記事をお読みの三輪自動車乗りの方や、三輪自動車の車検をやったことがある方は、是非検査の様子を教えていただければ幸いです。
あ、勿論、検査員や検査官の方からのコメントもお待ちしてます(^^ゞ

余談ですが、1990年代後半、小型乗用車のナンバーで分類番号(ナンバープレートの上に書いてる数字)に「7」が割り当てられた時期がありました。
これは、本来であれば割り当てとなる「5ナンバー」枠において、一連番号(所謂ナンバーの4桁数字)の在庫が枯渇した事によるもので、ここ札幌でも1996年から、分類番号が3桁となる1999年にかけて登場し、今ではかなりのレア度を誇る物になっています。

この「7ナンバー」、元々は「小型三輪乗用車用」として設定されていたものなのです。
ちなみに、本来4ナンバーとなる「4輪小型貨物車」の場合、この枠が枯渇した場合、「小型三輪貨物車」用であった「6」が割り当てられることになってますが、未だかつて見たことも聞いたこともないですな。

それよりも、このままでいくと「3ナンバー」枠の方が枯渇するのが早そうな気がしますし、もし、そうなったときにどうなるのかに興味が湧くところではありますが。
2013年05月18日 イイね!

私的「一発屋」五選!(トヨタ・日産編)

みん友の町山絢香さんの恒例企画「わたしの五選」に、久々に参戦いたしました!
23回目となる今回のお題は、「平成トヨタ・日産の一発屋選手権」です!
詳しいレギュレーションやエントリー車種は関連リンク先をご覧頂くとして、気がつくと殿を勤めることになったようですので、早速発表しましょう!

■第一位…日産 180SX



あれは確か高校3年の頃だった。
当時人気絶頂だったデュオ「Wink」のファンであった私は、これまた当時あった「FMステーション」誌に掲載されたインタビュー記事で、どういう展開だったか忘れたが「今車何に乗ってるの?」という展開になり、さっちんこと鈴木早智子さんの発言に目が釘付けになった。


「日産の180SXに乗ってます」

たったの一行だけだったのだが、これがこの車に興味を覚えたきっかけになった
…そう。当時の私はさっちん派で(^^ゞ、「いつかコイツを買うぞ!」と心に誓ったのだ。
確か、相方の相田翔子さんは初代のエスクードだったと記憶しているが…。

デビューするやいなや大人気となったS13系シルビアの兄弟車で有り、S110系からS12系にかけて存在したガゼールの後継モデルとして登場した180SX。
デビュー当時の時点でも「2ドアFRスポーツ」と呼ばれるモデルは少数派になりかけていた中にあって、あえてユーノス・ロードスター以来のFRレイアウト・2ドアというパッケージングでデビューしたS13系。
この車が登場した90年代の日産というと、かの「901運動」によって多くの名車が輩出されることになったが、S13系もその例に漏れず、フロントは従来のストラットながらも、リアには渾身の作であるマルチリンクに、オプション扱いだがHICASも装備できるという、実に贅沢な仕様であった。
エンジンラインアップも、NA/ターボの2本立てであったシルビアに対し、180SXは最終型にようやくNAモデルが追加されるとはいえ、当初はターボ一本に絞ったものであったことからも、いかに「走り」のイメージを強めたかったをうかがい知ることが出来る。

しかしながら、トヨタ・ソアラと並び「デートカー」としての需要があったシルビアに対し、180SXはどちらかと言うと余り日の当たる存在にはなり得なかったという印象がある。
その後、スポーツカー人気に陰りが見え始めると同時に、FRスポーツ自体もだんだんと数を減らす事になり、シルビアがS14、そして現時点で最終となるS15系へとモデルチェンジを繰り返す中、180SXはマイナーチェンジのみという待遇の差をつけられ、最終的にはほぼ「受注生産状態」となり、「901運動スピリット」を終生貫いたままひっそりと消えることになる。
そして、市場に生き残ったこの車の主戦場は「ドリフト」へと移り、今やマトモな個体を探すことすら難しい状況になったのは何とも悲しく、嘆かわしい

もし、所有することができるならば、ガキ臭いというか小便臭い外装になり果てた「後期型」より、断然初期モデルかSR20DETへ換装された中期モデルだし、できる限りノーマルに近い状態をキープしてきれいに乗ってみたい。
それもAT車で、のんびりと。
でも、この分だと一生難しいだろうなぁ(;。;)


■第二位…日産 ラシーン



風の噂に聞いたのだが、この車最近「静かなブーム」を呼んでいるようで、場所はどこだか忘れたがラシーン専門店まで存在し、カスタマイズやコンプリートカーまで製作しているらしい。
かのF31レパードは「あぶない刑事」での活躍がきっかけとなって、販売終了後にも関わらず熱烈な支持を受けたことは記憶に新しいが、特段そういったタイアップ等の要因があるわけでもなく人気が出ていると言うことは、今の車には見られない、この車が醸し出す独特な個性あってこそではないだろうか。
90年代のクルマシーンを振り返ってみると、スズキエスクードを発端とする「ライトクロカンブーム」が挙げられる。
その後、ホンダCR-VやトヨタRAV4を産むことになるのだが、この流れに乗った日産も思い切った方法で参画する。

「RFNB14」という型式が示すようにラシーンは時のF14サニーを母体とするのだが、元になったサニーが丸みを帯びたデザインなのに対して、上下観音開きのリアゲートと背面スペアタイヤキャリア、直線基調で角張ったデザインという、「出自が同じクルマ」とは思えない出で立ちで登場している。
こういう「デザイン重視」のスタイルだと使い勝手が犠牲になる場合があるが、確かに平べったい見た目なだけあって頭上空間に少々窮屈感があったのは否めず、特に前方上方の視界において、信号の確認がしにくい様な部分があったものの、見た目に違わず積載能力があり、リアシートを倒せば2段式の大型工具キャビネットを飲み込む程の容量を誇っている。
(上下のボックスを分割する必要があるが…)

当初、GA15DE+スタンバイ式4WDという取り合わせであったメカニズムも、モアパワーを望む市場からの要請でSR系エンジン搭載でフルタイム4WD「アテーサ」を搭載したモデルも追加されている。
以前、GA15搭載モデルに乗ったことがあるが、SR系搭載車の方がパワフルなのは言うまでもないにして、山道を含んだ通勤路でも特段不満に思うような事はなかったので、むしろバランスという面では1.5Lモデルでもいいような気がするのだが…。
それに、この車のキャラから考えて、目を三角にしてタイムと命を削って山道を走る車でも無い。
そういや、この車のCMキャラクターが現行クラウンと同じ「ドラえもん」で、イメージカラーはドラえもんの筐体色に近い水色。CMにも「どこでもドア」が登場している。
「ピンク色のアスリート」ばかりが話題に上るが、この車のCMソングのように「何処に行ったのだろう…」とならなければ良いのだが(笑)


■第三位…トヨタ キャバリエ



「見た目はトヨタ。中身はGM」というより、エンブレム以外はGMだったという変わり種なこの車。
確か、貿易摩擦がどうとかっていう「政治的な理由」により、あのトヨタがGMからOEM供給を受けるという異例な形で登場したという経緯を持つ車であるが、個人的にはかつて警察の捜査車両用に大量導入された車というイメージが強い。
セダンと2ドアクーペが有り、GM製2.4LDOHCエンジンとFFのみと言うクルマだったが、輸入車によくありがちなハンドル位置の変更だけでなく、「日本市場」への適応を徹底的に進めるという、これまた異例なプロセスを経た車でもあった。
その変更は足回りのセッティング等という「見えない部分」に留まらず、ワイパーとライト・ウィンカーのレバー位置を日本車と同じとするという(輸入車は逆なことが殆ど)徹底ぶりであった。
そうそう、所ジョージ氏をCM起用しての大々的な宣伝活動であったが、トヨタ店の「お荷物車種」入りするのにはさほど時間はかからなかったようだ。

思うに、3ナンバーサイズな上に国内では受けが悪い「アメリカンデザイン」。それに元がアメ車だけに根強い「燃費が悪い」というイメージが災いしたのではないだろうか。
こうして、満を期してデビューした割には販売がパッとせず、大量に残ったであろう在庫の処分を含め活躍の場を全国各地の警察署に求めたのではないだろうか。
一応国内メーカー製であるとはいえ、捜査車両に大量の輸入車が使われたというのは、たぶんキャバリエが最初で最後になるのではないだろうか…。


■第四位…日産 クルー



今や「小型タクシー」と言えば、トヨタのクラウンコンフォートとコンフォートの寡占状態、というか、気がついたらタクシー専用車というカテゴリーにおいて、これまた生産期間が長いY31セドリックセダンとコンフォート系しかないという状況になってしまった。
つい最近まで、この車とコンフォートが全国の街角の至る所で見られたというのに…。
タクシー車輌の場合、定期的な代替が発生するのと、補修用の部品確保などの要因があって基本的にモデルライフが長期化する傾向にある。
一般的な乗用車から見ると異様にも思えてくるが、これが商用車の世界になると10~15年ぐらいのモデルライフはよくある話で、いつまで経っても古くさく見えないという利点がある。
このクルーにしても、細かなマイナーチェンジを繰り返されながらも、結局一代限りでいつの間にか消えている。
ただ、現場からの要望を細かく聞き入れ、「タクシーの理想型」を追求してきたかと言うことが、細かい点を見るとよく伝わってくる。
乗客が乗り込みやすい様な工夫がなされた結果、他のドアより開口部が広くなった左リアドアや、取り回しの良い車体サイズ、そして整備製の良さ運転席周りも合理的に、そして疲れにくい環境に配慮して設計されている。
確かに、モデル途中で「サルーンシリーズ」という一般向けモデルも追加になったが、考えてみれば長時間の運転環境に晒されるタクシードライバーが使いやすく疲れにくい作りになっていると言うことは、我々一般ユーザーにも使いやすいという事が出来るのではないかと思う。
そういった意味では、すべてのドライバーに対する「理想型」が、この一台に詰まっていたのかもしれない。


■第五位…トヨタアレックス



前身である「トヨタオート店」の頃から思っていたのだが、どうもネッツトヨタ店のラインアップってのはイマイチパッとしてないというか、中途半端なように感じてならない。
法人や官公庁関係に強く高額車輌が多い「トヨタ店」。比較的若年層向けのラインアップと金看板を持つ「カローラ店」。ターゲット層が幅広くバランスが取れた「トヨペット店」
という風に特色を持つ中で、ネッツ店にはこういう特色が感じられない。
後にネッツ店と統合される「ビスタ店」も似たり寄ったりではあったけれど、あそこの場合はクレスタ・ビスタ・ハイエースとそれなりに収益性が見込める車があっただけまだマシ。

そんなネッツ店の看板車種でもあったスプリンターがE110系からモデルチェンジする際に、トヨタは突然強烈な大鉈をふるうことになる。
なんと、スプリンターシリーズをすべて廃止し、このアレックスに統合するというモノだった。
このスプリンターにしても、カローラという輝かしく強固な兄弟分があったことで、突然変異型で誕生した「カリブ」以外はその陰に隠れた存在となり、あのAE86にしても、某豆腐屋漫画の影響で今でこそトレノの人気が高いが新車時は圧倒的にレビンの方が人気が上。
メーカーとしては、おそらくその状況を打開せんとしての大鉈であっただろう。

しかし、アレックスの持つ「5ドアHB」という車体形状は欧州市場では好評であるものの日本では全く受け入れられなかったという経緯がある。
しかし、2000年代に入るとその傾向がだんだんと薄れてきて、巷のコンパクトカークラスはむしろ5ドア車が売れるようになってきていた。
初代ヴィッツも3ドア・5ドアの併売であったが、2台目以降が5ドアに統一されたことがその証拠となる。

しかし、兄弟車のカローラランクスと共にこの流れには乗り切れず、結局売り上げは低迷したままで、後身をオーリスに譲ることになる。
まぁ、要因としてはいろいろ挙げられるとは思うが、トレノを含めたそれまでのスプリンターの顧客をこのクルマですべて賄おうと思ったところに無理があったように思うし、ネッツ店の特色がここでも如実に表れてしまったようにも思える。
尤も、似たような形状のフィールダーを持つランクスも好調に売れたとは言いがたい状況だけど…。


元々は「トヨタ車のみでの選考」という事だったのですが、途中からレギュレーションが変わって日産車も仲間入りしての選考となりました。
でも、結局日産車の方が多めになったのは、やっぱりそれだけ印象強く残っているものが多いって事なんですかね(^^ゞ

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