先日、友人T氏からこんな電話が…。
「社外マフラー付けたんだけど、これってサイレンサー要るんだべか?」
「車のいじくりに関しては全く興味のない彼がずいぶんと珍しいことを…」なんてなことを思いながら、その取り付けたマフラーのメーカーを聞いてみると、
「メーカーわかんないんだけど、エヌ・ユー・アールって書いてあるんだわ~」
えっ?
「エヌ・ユー・アール」って、ブリッツのニュルスペックやんけ!
ブリッツのニュルスペックって、基本的に人気車種以外はラインアップされてないはずで、
100系3兄弟用は1JZ-GT搭載車用しかない。
確かに、10年ほど前だったか、ブリッツには
「リアライズTT」というマフラーがあって、それこそチューニングベースとしてメジャーな車種だけでなく、
それまでマフラーメーカーがラインアップすることはなかった車(たとえばE100系カローラセダンなど)にまで幅広く設定がされていたわけですが、
すでに生産・販売は終わっています。
それに、
以前このブログで取り上げたように彼の車は
100系クレスタ。しかも、
後期から追加になった1G-FE搭載の4WDであるGX105型。
マークII3兄弟って基本的にFRが主体になるため、
4WDって降雪地以外では滅多に見かけることはないというニッチな仕様で、これの上級となる
1JZ-GE搭載のJZX93やJZX105だと、
数は少ないものの数社からマフラーが販売されているわけですが、GX105となるとちょいと記憶にない。
ということで、ひとまず見せてもらうことに。
10分ほどして我が家に来たクレスタを見てみると…。
あら!
あの下向きで貧弱すぎる純正のテールから、
ずいぶんと立派になったこと(笑)。
話を聞くと、彼の勤務先で100系マークII・ツアラーVのお客さんがセンターパイプをひん曲げてしまい交換したため廃棄するつもりだったのを合わせてみたら、うまくくっついたらしい。
砲弾型のテールで、ドナーとなった車は触媒後から換えてたようなので、おそらくは
Nur-R(現行モデルでいうNur-RX)の1JZ-GT用と思われます。
しかも…、
この絶妙な収まり具合。まるで専用品かのよう。
もっとも、触媒からすべてを移植できたわけでなくテールピースのみではあるんですが、
一切加工することなく取り付けできたとのこと。
触媒からすべてを交換するタイプのスポーツマフラーの場合、作業性を考慮して
純正の分割位置やフランジの角度などが異なる場合が多いわけですが、
偶然にも純正の位置とぴったりだったらしいですな。
…ということは、
テールピースのみ交換するタイプであれば、
100系FR車用のマフラーが使えそうですね~。
肝心のマフラーの音ですが、
純正のそれにほどよい低音がプラスされた程度で、この車のキャラクターらしいジェントルな印象で、聞いてみた感じでもおそらくこのままの状態でも車検は大丈夫だと思います。
…我が家に来た日も、
携帯で呼び出されるまで気づかなかったくらいで(^^;
一昨日この車を運転する機会があったのですが、
正直劇的に性能が上がるわけではないにせよ(笑)、
決して爆音ではなく、乗っていて気持ちのいい音でした。
これは純正のセンターパイプが残っていることもさることながら、本来2.5Lのターボ車に取り付けるべきものであることから、排圧と排ガスの流量が少ないことも関係しているのかもしれません。
ただ、難点が2つほど。
まず、
マフラーの出口が純正より4cmほど下がるということ。
むろんサイレンサー部も純正より太くなりますから、
縁石などに引っかけやすくなったり、車高を下げる場合は注意が必要ですね。
もっとも、薄めのリアアンダースポイラーを取り付ければ、バランスがとれると思いますが…。
そして、これが肝心なところですが、
すべての100系用スポーツマフラーが流用できるとは限らないということ。
今回はたまたま長さやフランジの角度が合致したことで取り付けが可能となったわけですが、前述のように、純正の分割位置とは異なる場合がほとんどのため、必ず現物を確認する必要があります。
このため、一番てっとり早いのはリアピースのみを交換するタイプを選ぶことなのかもしれません。
この記事を読んで流用を検討される際は、以上の点を注意しましょう。
ちなみに…。
GX105用で触媒から交換するタイプのマフラーが、
実はあるのですよ!
webで調べた限りですと、
札幌のマテラスというメーカーさんが作ってくれていて、これが
唯一の専用対応品となるようです。値段が高いのがネックですが(^^ゞ
このメーカーさん、他車ではまずラインアップにしてもらえない「生活4駆」系の車両(たとえばスターレットEP95用や、ラウムEXZ15用など)の設定もあり、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう?
100系三兄弟も数が少なくなり、程度のいいものはロシアなどに輸出されるケースが多いとも聞いています。
とかくツアラーVやルラーンGに注目が集まりがちですが、程度のいいものの出やすさから考えれば、グランデ・アバンテ・スーパールーセント系が俄然優位ともいえます。
2.5Lも捨てがたいのですが、税金や維持費が安く済む可能性の高い1G-FE搭載車って、そう考えると美味しい存在なのかもしれないですね。
…遅いけど(^^ゞ
Posted at 2012/10/13 22:20:53 | |
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