大変お待たせいたしました。
先週告知しましたように、モータージャーナリスト・町山絢香さん主催
「第17回 わたしの五選」の発表です!
今回は
「後編 ・ベストカーオブザイヤー」としまして、エントリー車の中から
「2012年ベストな一台」を決めてみようというのが趣旨となります。
エントリー車および、レギュレーションは関連情報のリンクをご参照ください。
こちらでも
前編として「ワースト・オブ・ザ・イヤー」として先週1日に発表させていただきましたが、主催の町山さんを始め、参加者の皆さんの意見が割れに割れまして、結局
上位にランクインした車種を対象に「二次選考」までもつれました。
ちなみに結果はこちらです。
今回も、すでに投票は始まっていて本日が最終期日なんですが、早くも二次選考までもつれそうな勢いになっておりますよ(^^ゞ
では、前回と同じようにカウントダウン形式にて発表します!
☆第5位…日産・NT450アトラス
今回のエントリー車の中で、あえて特別枠からこの車を選んだため、画像もOEM元になる「三菱ふそう・キャンター」の物を掲示していることをご了解いただきたい。
というのも、この車の元になるキャンターが現在の2tクラストラックのトレンドを見事に反映しているのだ。
ようやっと国産乗用車でもダウンサイジングの兆候が見え始めてきているが、国産車全体で見ると、この動きは意外にもトラックから始まったといえる。
キャンターもこれに習って、なんとプジョーの関連会社と共同開発によるエンジンを搭載。
これに、ランエボXの「デュアルクラッチSST」のような2ペダルMT「DUONIC」を採用するに至った。
ちなみに、先代キャンターは4~5Lクラスのディーゼルエンジンを使っていたが、現行は全車3Lディーゼルターボとし、排気量は変えずに過給圧の加減で先代並みの性能を確保している。
これこそ、まさしく「ダウンサイジング」の考え方そのものなのだ。
こういった先進性があったのか、なんと従来国産乗用車だけが取り上げられてきたモーターファン別冊「ニューモデル速報」において、トラックとして初めて書籍化される快挙を達成している。
使い勝手チェックに登場した吉田由美さんが、ことのほかサマになっていたのは内緒だ。
…って、本人見てないよね(笑)みんカラユーザーだけど(^^ゞ
後は、OEM供給とはいえ、三菱が背負ってしまった「リコール隠し」という十字架を、どれだけ
跳ね返すことが出来るかが勝負の分かれ目ではないだろうか。
☆第4位…マツダ・アテンザ
BMWを目指したというか、個人的には最近のアストンマーチンっぽくも見えるし、ここのところのマツダの顔となった、往年のサバンナRX-3に似たフロントマスクも印象深いが、最大のトピックはやはり自慢のスカイアクティブだろう。
特に、これまでSUV・RVのみだったクリーンディーゼル搭載の乗用登録車にあって、4ドアセダン・ワゴンにも登場したことは、非常に意義と意味があることだと思う。
考えてみれば、国産セダン系にディーゼル搭載車というと、120系カローラで途絶えた以来だと思ったので、実に10年ぶりの登場ということになろうか…。
RV系にディーゼルというのもイメージとしては合うんだが、すべてのユーザーがRVに乗りたいわけでもなし、都市部での使い勝手を考えると一般的な車の方が良いし、選択肢が増えると言うことは大いに大歓迎。
CX-5では評価も高いようだし販売面でもディーゼル車が多いと聞いているから、アテンザの今後の躍進に注目したい。
ただ、個人的には6.4万KmでAT本体(トルコン)不良に見舞われた我が家のファミリアを考えると、信頼性と耐久性にどうしても不安が残る。
あと、これで4駆があればなぁ…。
☆第3位…フォルクスワーゲン・UP!
初めてこの車のCMを見たときは、久保田利伸が出ているとは全然気づかなかった「流星のサドル」世代の私だが(笑)、見た目はともかくとして、コンパクトカーの今後の有り様を示した車だと思う。
何せ、このクラスで「自動ブレーキ」を全車に採用した意義はとてつもなく大きい。
人間が作り、人間が運転する以上「ヒューマンエラー」はつきものだが、取り分けてこのクラスは幅広い客層を持つこともあって、安全性確保は最大限の配慮をしておくに超したことはないと考える。
しかも、それらを追求して尚、価格は国産コンパクトに引けをとらないと来ているから、ある意味では非常にお買い得でもある。
むろん、自動ブレーキ等のデバイスが万能というわけじゃないが、国産車の場合、どうしても価格面ばかり注力しがちで、こうした面はおざなりになりがちという印象が強い。
故に、今回UP!が見せた方向性は是非とも見習うべきであろう。
ただ、最近為替相場が円安傾向にあるから、果たしてこの値段がいつまで続くのやら…。
☆第2位…トヨタ・86
まぁ、なんだかんだ言っても、2012年の国産車シーンを語る上では外せない存在だと思う。
確かに、フェアレディZもマツダロードスターもあるわけだが、世間がエコだ何だと浮かれてる最中に、あえて逆行するイメージの強いスポーツカーのニューモデルを出してきたことは車好きにとっては超ビックニュースだし、メーカー側も相当な大博打だったに違いない。
「2.0LでFRのニューモデル、しかも話題先行」となると、正直「アルテッツァの悪夢再び」がよぎってしまったのだが、どうも余計なお世話だったようだ。
しかし、販売面では圧倒的に有利なトヨタ車。この車にしても全チャネル取り扱いで、しかも「AREA86」という専門コーナーまで設ける施策があることを考えると、兄弟車のBRZを販売するスバルにとっては不利な状況ともいえる。
やはり、AE86をルーツに持つならカローラ店とネッツ店に絞った方がいいと思うが…。
それに、ちょっとでも車高を下げると保安基準適合外になってしまうフロントのウインカー位置も考え物。
だいたいにして、こういう車買えばいじりたくもなるし、必然的に車高だって下げるだろうから、その辺わかっていたんだろうか?TRDというスポーツブランドを持ってくるくせに…。
この点は、次回の年次改良で是非とも修正を要望したい。っていうか「年改」やるの?
この辺を鑑みて、あえて2位にしてみた。
☆第1位…スバル・BRZ
私自身、所謂「スバリスト」でもないし、この際「試乗したことがあるから」という個人的な事情は置いておく。
しかし、86が販売面・イメージの面で圧倒的有利な中、あえてBRZをナンバーワンとしたい。
「んなもん、同じ車じゃねぇか!」と言われれば確かにそれまでだが、そもそも「超低重心コンセプト」自体スバルがこだわってきた部分だし、長年熟成に熟成を重ねたいわば「お家芸」である。
スバルにとって、あのアルシオーネ以来となるこの2ドアスポーツは、いわばスバルテクノロジーの集大成なのだ。
常日頃、「技術者の顔と想いが見える車が好き」と言い続けている私だが、足に地が付かず、どこか浮ついた車が多い中で、久しぶりに理想に近い車に出会えたように思う。
しかし、販売面で見ると、正直86の陰に隠れしまっている印象はぬぐえない。
ぶっちゃけた話、AE86レビン・トレノというしがらみがある86に比べれば、まとわりつく地縛霊がない分、スバルらしさを発揮した全くのブランニュー・モデルといえると思う。
だから、余計にがんばってほしいのだ。
ということで、2012年のベスト1はこの車に決定!
…ということで、いかがだったでしょうか?
実は、ワーストの部で86とBRZを選出する方が多かったのですが、数ある中で、私は今年最大のエポックはこの2台だと思うのです。
確かに、環境問題云々言われている昨今ですが、それにもかかわらず好評を得ていると言うことは、たぶんにそれだけマーケットでは切望されていたという証ではないでしょうか?
ユーザーに迎合するのではなく、本当にユーザーが欲している物を作る。
これが、すっかり冷え込んでしまった自動車業界再燃へのきっかけだと思います。
さ~て、今回も割れるぞぉ(笑)。
Posted at 2012/12/08 12:51:42 | |
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【元】車屋のへっぽこ整備士、かく語りき | クルマ