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ひろくん@北海道のブログ一覧

2012年12月25日 イイね!

はだしのゲン、逝く

日本の漫画界は、また一人惜しい人を亡くしてしまいましたなぁ…。

「はだしのゲン」の中沢啓治が逝去、73歳

「はだしのゲン」で知られる中沢啓治が12月19日、肺がんのため広島市内の病院で死去した。73歳。

中沢は1939年3月14日広島県生まれ。1963年、少年画報(少年画報社)に「スパーク1」が掲載されマンガ家デビューを果たす。1968年には初めて原爆をテーマにしたマンガ「黒い雨にうたれて」を発表し、1973年に週刊少年ジャンプ(集英社)にて、自身の被爆体験を元にした「はだしのゲン」の連載を開始した。

2009年には白内障による視力低下などを理由に、執筆活動を断念。葬儀は本人の意向により、家族のみで行ったという。

コミックナタリー 12月25日(火)16時13分配信


私が中沢氏の代表作「はだしのゲン」を初めて読んだのは、確か小学校高学年ぐらいだったっと思います。
今思い返してみても、これほどセンセーショナルな作品は読んだことがないですね。
作中にもありますが、ゲンの母親が亡くなって荼毘に付してみたら、ほとんど骨が残らず粉のようになってしまい怒りに震えるというシーンは、中沢氏が実際に体験した事であり、これが一連の原爆をテーマにした作品作りのきっかけになったそうな。
実際、現在までに様々な言語に翻訳されていて世界各地で読まれているそうですし、一時期アニメ化されたものが「平和教育」の教材として使われていたそうですが、爆発の瞬間のシーンがあまりにもリアリティにあふれていて、今は使われていないそうです。
私もyoutubeに上がってるそのシーンの動画を見ましたが、それも無理は無いと思いますし、現代の放送コードで果たして公共の電波に乗せられるかどうかは…。
しかしながら、今から約70年前に起きた実際の出来事で有り、それをありのままに受け止めることで感じる物は、決して少なくはないはずです。

私が一番大好きで、このブログでも時々書いている「機動警察パトレイバー The movie 2」の劇中、特車2課・第2小隊隊長の後藤と、防衛省の情報関連部局に所属する荒川(cvは竹中直人!)との密会のシーンで、こんな台詞があります。
押井守作品名物の「長台詞」なんで、文量が多いんですが(^^ゞ

荒川:
後藤さん。警察官として、自衛官として、俺達が守ろうとしているものってのは何なんだろうな …。
前の戦争から半世紀。俺もあんたも生まれてこの方、戦争なんてものは経験せずに生きてきた。
 
平和…。
俺達が守るべき平和 …。

だがこの国のこの街の平和とは一体何だ?

かつての総力戦とその敗北、米軍の占領政策、ついこの間まで続いていた核抑止による冷戦とその代理戦争。
そして今も世界の大半で繰り返されている内戦、民族衝突、武力紛争。
そういった無数の戦争によって合成され支えられてきた、血塗れの経済的繁栄。
それが俺達の平和の中身だ。
戦争への恐怖に基づくなりふり構わぬ平和。正当な代価を余所の国の戦争で支払い、その事から目を逸らし続ける不正義の平和。

後藤:
そんなきな臭い平和でも、それを守るのが俺達の仕事さ。
不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ。

荒川:
あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ。
かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで歴史の図書館は一杯だからな。

だがあんたは知ってる筈だ。
正義の戦争と不正義の平和の差はそう明瞭なものじゃない。
平和という言葉が嘘吐き達の正義になってから、俺達は俺達の平和を信じることができずにいるんだ。
戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。

単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる。そう思ったことはないか?
その成果だけはしっかりと受け取っておきながらモニターの向こうに戦争を押し込め、ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる。
いや…、忘れた振りをし続ける。
そんな欺瞞を続けていれば、いずれは大きな罰が下されると…。

後藤:
罰? 誰が下すんだ。神様か?

荒川:
この街では誰もが神様みたいなもんさ。
いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。
…何一つしない神様だ。

神がやらなきゃ人がやる。
いずれ分かるさ。俺達が奴に追い付けなければな。

私自身、所謂「戦争を知らない子供達」の一人な訳で、先の大戦については伝え聞きとか、現代までに残されている様々な記録や遺品などから計り知ることしか出来ません。
そして、今なお続く大小を問わない戦争やテロ、身近に目を転ずれば、今月の北朝鮮のミサイル発射や中国・韓国からの一連の挑発的な行為に代表される様な脅威にさらされています。
しかしながら、終戦後から日本国内において戦闘行為が起こったことは一度も無く、幸いにもその状態が続いていることは、同時に脅威自体を他人事のようにとらえてしまいがちになるという「無関心故の脅威」に変化させてしまうという危険すらはらんでいる。
最近、そう考えるようになりました。

そういう中にあって、実際に作者自身が被爆し、混乱の中を生き抜いた経験を余すところなく漫画という媒体にぶつけたこの作品は、後世に是非伝えていくべき「遺産」だと思います。

この偉大な遺産を残していただけたことに感謝しつつ、ご冥福をお祈り申し上げます。
Posted at 2012/12/25 23:15:09 | コメント(2) | トラックバック(0) | マンガ・アニメ関連 | ニュース

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