
自分自身がちょうど切りの良い年齢になったと言うこともあるのかもしれませんが、今年はやけに「40」という数字が気になるようになりました。
ユーミンも今年デビュー40周年だそうですし、
同い年でもあるファイターズの稲葉篤紀選手も、つい最近14歳年下の嫁さんもらったようですが、それに比べて
私のこの体たらくぶりたるやorz
それはともかくとして(汗)、ここのところ愛読している
オートメカニック誌も今年「創刊40周年」だそうな!
…最初に読み始めたのは高校生ぐらいの時でしたか。ちょうど通ってる高校の近くにRA40(?)セリカが放置されていて、
何とか引き取って路上復帰できんもんか妄想を膨らませていたときに出会ったのがこの雑誌でした。
結局、その夢は果たせませんでしたけど、おかげで割と早い時期から
「中古パーツ」や「リビルトパーツ」の存在を知り、
解体屋に興味を持つことが出来ました(^^ゞ
所謂「メカニック向け」雑誌というと、「自動車工学」と「カーメンテナンス」という雑誌もあるんですが、
正直どうにもガチガチに堅苦しくてあまり読む気にならんのですね。
その点、AM誌はそんなところは全くなくて読みやすいし、読んでいくうちに「これやってみたいなぁ!」と思わせてくるんで、時々買う
「オールドタイマー誌」と共に、読んでいてこれが結構楽しいんですね。
そして、現在創刊40周年記念となる12月号が販売されています。
…毎月8日発売なので、もうそろそろ店頭では売り切れか売れ残りの返品がかかる頃かと思われますので、
買いそびれちゃった…(´・ω・`)
という方は
内外出版社さんの通販サイトでバックナンバーを取り寄せできますんで、是非ご利用を。
さて、その40周年記念として、古くからAM誌をお読みの方には懐かしい企画が帰ってきました。
そう…。
「月まで行った山崎君とコロナ」ですっ!
…といっても、私もこの企画ちゃんと読んでるわけじゃなくて、自動車短大の学生の頃、図書館にあったAM誌でちらちら読んだ程度なんですが(笑)。
概略をご説明しますと、今から約四半世紀前、AM誌のライターでもあるハリー山崎氏が大学生時代に乗っていた
33万Km(!)走行のタクシー上がりYT140コロナのレストア企画で、最終的には全バラシを敢行。
画像は手持ちの140系コロナ・GXエクストラのカタログをスキャンした物で、タクシー仕様とは一部異なります。
あくまでもイメージとして(^^ゞ
当時
4年30万Kmほどで廃車になっていたタクシーの状態は一体どういう風になっているのかというのを検証したというものです。
しかし、あれから四半世紀もたつと耐久性も良くなったことから、最近では
6年70万Kmが廃車の目安になってるんだそうな!
考えてみれば、現在も中古車で10万Km越えの物件となると不安を感じる方も多いと思いますが、その
3倍も7倍も走ってると言うことになれば、ちょっと興味がわいてきません?
そこで、
68万Km実走行のタクシーを全バラシしてみて、その状態を検証しようというのがこの企画。
そこで、今回供出された
生贄ドナーは…。
皆さんおなじみ
トヨタ・コンフォートのLPG仕様で、掲載されていた写真のアンドンから、札幌のタクシー会社
「東邦交通」で2006年に新車で導入され、廃車になった物と思われます。
余談ですが、いつの間にやら
日産クルーが生産終了してて、札幌で言うところの
「小型タクシー」って
今やトヨタの独壇場なんですね。
道理で、今までクルー使ってたタクシー会社がこぞってコンフォートに乗り換えてると思ったら…。
個人タクシーだと、プリウスやアリオンの4WDが幅をきかせてる感じではありますが、中には日産ラティオとか
BL5レガシィB4のGTなんてのも走ってますよ(^^
レガシィに関しては、一昔前に
小樽でLPG仕様に改造された初代セダンをベースにした車両が実際にタクシー会社に複数台導入されてましたけどね。
でも、つくづく
東京の個タク協会のフリーダムさがうらやましいです…。
搭載エンジンは、
2000ccOHVの3Y-PEエンジン。
ちなみに現行ではEFI制御となった、同じくLPG仕様の1TR-FPEへ換装されてます。
このY型エンジンが登場したのが昭和50年代半ば頃だったと思います。1.6Lの1Yがハイエーストラックに搭載されたのを皮切りに、1.8Lの2Yとこの3Yと開発され、主に商用車を中心に搭載されました。
とりわけ、2Y・3Yに関してはキャブ仕様の他にEFI仕様もあって、当時のトヨタ1BOX車やハイラックスサーフにも搭載されていたこともありましたね~。
以前にもちらっと書きましたけど、
ハイエース初の4WDモデルは3Y-Uが搭載されていたんですよ。
そんな経緯もあることから、AM誌の掲載されていたエンジン断面図の部品名称なんて、
昭和末期頃のトヨタの新車解説書や修理書によく見られた「拗音・促音」の区別がない記述だったりするんです。
つまり、どういうことか?このY型の動弁機構であるOHVを説明する文章を作ってみるとこんな感じです。
タイミング チエンを介してクランク シヤフトの回転をカム シヤフトへ伝え、カム シヤフトの回転によつてバルブ リフタとプツシユ ロツドが持ち上げられる。
プツシユ ロツドが持ち上げられると、シリンダ ヘツドのロツカ アームが作用し、吸気・排気バルブが押し下げられることで開閉する。
なお、バルブ リフタには油圧ラツシユ アジヤスタを内蔵しており、サービス性の向上を図っている。
とまぁ、こんな感じです。
訳わかんないでしょ?
何でこういう書き方なのかは未だに謎ですが、初めて読んだときは何がなにやら(^^;
そのくせ、
車両の取説は普通の書き方だったりするわけで(笑)。
コツ掴んじゃえばなんてことないんですが、トヨペット店勤務時代は、こういう文章の資料をよく読んだものですよ。
さて、随分前置きが長くなりましたが、分解した結果はというと…。
あれ?思ってたより、随分まともじゃないの!
詳しくは本誌をご覧いただくとして、確かに
超過走行による影響が見られる部分や、
車体には北海道特有の「融雪剤」による車体腐食が見られるものの、
全般的に走行距離からは考えられないくらい良好な状態をキープしていたのです!
とりわけ、
ミッション内部(5速MT)に関しては、ほとんど無傷!で、
エンジンも軽いオーバーホールと部品交換ぐらいでまだまだ使用可能というすばらしさ。
しかも、
廃車まで一度もオーバーホール歴がなく、所謂
基本的なメンテと予防整備程度だったと言うんですから驚きと言うより他はありません。
むろん、元々耐久性重視のエンジン仕様だったと言うことや、燃焼時にカーボンの発生しにくいLPG車、生産技術の発達等というファクターもありますが、何より重要なのは、やはり
日頃からいかに「車の面倒を見ているか?」につきると思います。
とりわけ、常にフル稼働状態にさらされるタクシーであることから、早め早めの的確な整備が功を奏しているということを、まざまざと見せつけられた格好となりました。
そういえば、前に乗っていたミラバンも16万Km走行という過走行車でしたが、元々リース物件で頻繁にメンテナンスしていた形跡があったため、若干オイル上がり気味ながらも走行距離からは考えられないほど好調だったことを思い出します。
やはり、車はただ乗ってるだけでなく、どれだけ手をかけてあげられるかだと考えます。
つまり、
定期的な油脂類の交換や点検整備を、それぞれ適切な時期にしっかりと行うこと。消耗部品も、これまた然り。
車を長持ちさせる一番の特効薬はこれに尽きるわけで、チューニングしてる車であれば尚更なこと。
ややもすると、
見た目だけ・聞き心地が良い面な面だけに注目しがちとか、
「最近の車は丈夫!」という妄信にとらわれ、後は乗りっぱなしなんてパターンが多く、
いざ故障すると「この車は…」なんて言い出す方が残念ながらみんカラ内でも多く散見され、某掲示板でさらし者になったりすることも多々ありますし、整備の現場でもそういう場面を幾度も見てきました。
だけど、
いつまでも健康で病気やけがをしない生物なんてのがいないのと同様で、
機械である以上、車を生かすも殺すもオーナー次第であり、
チューニングだのモディファイだの、ドレスアップだのってのは二の次なんですよ。私に言わせれば。
いくら着飾ったところで、本人が不健康ってんじゃ、何にもならない。
人も車も、それと同じです。
そういった意味でも、もし書店で今回のAM誌を見かけたら、
是非手にとってお読みいただきたい!
もしかすると、愛車を長持ちさせるヒントがそこにあるかもしれないのですから。
う~ん、40周年記念で「月まで行った山崎君」の総集編を臨時増刊で出してくれないかな~。今回の分含めて。
これを読んだら、元々の企画をちゃんと読んでみたくなったんで(笑)