
本題の通り、この日付に私は事故の当事者になりました。
路線バス対自転車の接触事故だったんですが、バスは当然として幸い双方怪我はなく。相手の自転車は転倒してましたが、男子高校生だったのでうまく受け身がとれたのでしょう。これがお年寄りだったらと思うとゾッとします。バスに乗っていたお客さん含め、誰も怪我をしなかったのは幸いでした。車両の損傷も双方軽微でした。
以下にどのような事故形態だったか、私の主観ですが詳細に記し、同種の事故の抑止に繋げられれば幸いに存じます。
夕方、18時頃のことです。もうすぐバスレーンの運用が終わる時間なので時刻はよく覚えています。
片側2車線、計4車線の道の左端(バスレーン)を走行していました。4車線道路とはいえ、限られた幅員を無理矢理4分割したような狭い4車線です。路肩はありません。歩道も、こちらが走っている側の歩道は人が二人並んで歩ける程度の幅しかありません。
そんな道路の前方に停留所が見えてきました。お客さんが待っているのが見えます。停留所までまだ100mほど距離がありましたが、私はいつものように左ウインカーを出して減速を始めました。バスは非常に緩やかに減速するので、かなり手前から合図を出さないと後続車に気付いてもらえない恐れがあるからです。
このとき、左前方の歩道上に自転車が、バスと同じ方向に走っていた・・・・・んだと思います。「思います」というのは、その時はその自転車の動きに特に注意を払っていなかったので、接触前の自転車の動きについてあまり記憶にないのです。
縁石で仕切られた歩道を走っていた自転車。中央分離帯で仕切られた対向車線の車をあまり気にしないのと同じで、特段注意を払うこともなかったのです。これは、落とし穴でした。私は停留所のお客さんの動きに注意するあまり、その手前の自転車がそのあとどう動くか、その危険予測ができていなかったのです。
停留所まで残り約20m。速度は約30~25km/h(減速中)。異変は突如起きました。
「ガガガッ!」バスの左側方から突然異音。次いで「ガッシャン!」これは・・・・・自転車が倒れる音!?
咄嗟に音がした方向とは逆の方向にハンドルを切れるだけ切り、急停車。車内では「バターン!」とお客さんの手荷物(スーツケース)が倒れる音が鳴り響きました。
左ミラーを見ると、自転車が倒れているのが見える・・・・・まさか、ぶつかったのか・・・?
そう、ぶつかったのです。接触事故です。
バスの左横っ腹に自転車が突っ込んで来ました。接触痕は、バスの前扉付近から中扉付近にかけて残っていました。表題の写真は、バスの前扉のガラスに自転車のハンドルグリップが擦ってできた跡です。
現場状況を図にするとこんな感じ。会社に提出する事故報告速報版に私が書いた図です。
個人特定を防ぐためにこのあとの事故処理の詳細は省きますが、この事故を防ぐためにはどうすればよかったでしょうか?
まず、多くのドライバーは「自転車が進路変更して突っ込んできたんじゃないか」と思うことでしょう。実際、それは確かにその通りです。しかし、それが一般ドライバーならいざ知らず、私は大型二種免許を持って市民の共有財産たる旅客自動車のハンドルを預かる身。自転車が悪い、で片付けるわけにはいかないのです。
そこで、危険予知、です。
自転車の運転者いわく、「歩道に歩行者が出てきて自分の進路を塞いだから車道に出たらバスにぶつかった」のだそうです。この歩行者とは、バスを待っていた二人のお客さんでした。つまり、こういうこと↓
バスの運転者(私)が、次の停留所に人影を認める
↓
左ウインカーを出し、バスが停留所に接近
↓
バスを待っていたお客さんがバス接近に気付き、待合所から1名、歩道の端から1名、それぞれ歩道の中ほどに歩み出る(バスに乗る意思表示)
↓
歩道を走っていた自転車はバスに乗ろうとしたお客さんに自分の進路を塞がれたと思い、それを避けるために車道に出ようとする(自分の真後ろにバスがいることに気付いていない)
↓
速度差によりバスが自転車とならんだ瞬間、自転車が車道に出る。バスは停留所に停まるために車道左端に寄りきっていたため、すぐに接触。自転車転倒。
・・・・・・というのが、今回の事故の流れです。
歩道を走る自転車は、歩道を塞ぐなにかが目の前に現れると車道に出ることがある、という典型例です。今回は路線バス特有のパターンかもしれませんが、このような例は枚挙にいとまがありません。駐車場から車が出てきたら、歩道に作業者がいたら、対向の自転車とはちあわせたら・・・・・。
現場のSVです。停留所の直前、歩道の縁石が途切れた箇所が鬼門でした。
地元の人は場所がわかっちゃうと思いますが伏せといてくださいねwww
車の運転者は、歩道を走る自転車を過小評価しがちです。しかし、自転車は歩道も車道も自在に走り、方向指示器も無く、免許も持っていないのにそれなりのスピードで走る恐ろしい乗り物です。怖がるに越したことはありません。車道だろうが歩道だろうが、自転車を見つけたら十分すぎる間隔を開けてやり過ごすのが良いと思います。むやみに横に並んではいけません。もしかしたらその自転車は、すぐそばに車が迫っていることにそもそも気付いていない可能性があります。自転車を追い越したすぐ先で左折または停車しなければならないときは、辛抱強く後ろを付いていくのが良いと思います。たとえ自転車が歩道上を走っていたとしても。今は私はそうしています。やたらチンタラ走ってる大型車の直前には自転車がいると思いますので追い越さないでくださいねwww 大型も大型で、追い越しのチャンスをうかがってますから。とりわけ営業中の路線バスは普通車のような加速はできませんので・・・
そして最後に、自転車を運転される皆様にお願いします。
進路変更するときは、必ず後ろを確認するようにしてください。その動作をするだけでも、車は「あの自転車はこっちに来そうだ」と予測することができます。
いざ事故になって一方的に損害を被るのは当然自転車のほうですから、自分の身を守るためにぜひ、お願いいたします。