
バンダイ リアルグレード RX-78-2 ガンダム
1/144 ¥2500
最近変態的な(笑)キットばかり紹介していたが、11回目にしてとうとう登場!ガンプラである。
RG(リアルグレード)シリーズはガンプラのシリーズの中で最も新しいシリーズである。
ガンプラと言えば現在、HG(ハイグレード・1/144)やMG(マスターグレード・1/100)、PG(パーフェクトグレード・1/60)の3種3スケールのシリーズが主流のシリーズとなっている。
MG、PGといった大型スケールはパーツ数も桁違いに多く、対象年齢も15歳以上となっているのだが、1/144のHGに関しては、基本的に対象年齢8歳以上となっている。
そして今回紹介するRGだが、1/144なのだが対象年齢は15歳以上となっているのだ。
この事と、1/144にも関わらず同スケールのHGガンダムの2倍以上の価格が、このRGというシリーズが只者ではないと暗に物語っている。
私は現在のガンプラのフラッグシップはMGシリーズだと思っている。
PGはスケールからしてもMG以上の技術的チャレンジを行っているが、これはバンダイの技術デモンストレーター的な要素が強いシリーズだと思う。
MGのスケール的な再現度の高さ、ラインナップの豊富さなどのバランスを見るとMGの果たす役割が一番大きいと思うのだ。
そして一番小さいスケールのHGシリーズの魅力は手にしやすい価格と大きさ、組み立てやすさ、ラインナップの豊富なことであろう。
そして新たなRGシリーズの位置づけとして感じたことは、1/144におけるバンダイの技術デモンストレーター、つまりバンダイが「俺たちこの小スケールでも、ここまで出来るけどどーよ?」という、ある種技術自慢のように感じたのだ。
このシリーズに感じるのは「狂気」である。
イメージとしてはMGを1/144にダウンサイジングし、ある部分ではMGを上回っている部分すらある。
パーツはあきれるほど多く分割され、色分けも白いパーツだけでも通常の白、グレー系の白、茶色系の白と分けられており、同系色ですら濃淡いくつにもパーツ分けされている。
そして膨大なパーツによりもたらされるのは圧倒的な可動範囲である。
内部のフレームは半完成品になっており、それにより写真のような装甲のスライド可動を腕部、脚部に再現している。
これもそもそも、PGで最初に再現され、その後MGで標準化、遂には1/144のRGに採用である。
しかし、これは1/144ではRGというシリーズ意外で標準化されることはないと思う。
なぜなら、圧倒的な可動範囲を持つが故に、ポーズを付けることすら難しいのだ。
あまりに可動範囲が多く、そして小さいため思いもしなかった所まで可動させてしまったり、小さなパーツが外れてしまったりといった事が起こる。
1/144においては、やはり割り切りのある現在のHGシリーズの姿は全く持って正しいと、このRGで逆に感じてしまったほどだ。
だからと言って、このRGというシリーズを否定するのかと言えば、そうではない。
RGというシリーズ、極小の狂気を感じるこのキットは組み立てが兎に角楽しいのだ。
兎に角組んでみて欲しい。
もっとも、素の状態があまりにも密度が高く、塗装までして完成させようとすると自由度が驚くほど小さいというのも事実だが。
いままでの概念を覆す、このキットは驚きを通り越し呆れてしまい、最後は笑うしかないというキットだ。
しかし、最後には圧倒的な満足感が待っていることと思う。
最後にキットのその他の注目すべき点を・・・・・。
当然というか、1/144ではあまりないが、コクピットハッチは可動である。
そして、頭部のサイドのスリットは開口されている。
更にマスク部分の「への字」部分まで開口されているのを見ると驚愕という他ない。
そしてコアファイター、きちんと主翼に下反角までついている。
アムロも驚くほど細かい彫刻である。
そして1/144でのコアファイター完全変形!
実は初代MGですら、垂直尾翼は差し替え変形であったが、RGでは1軸可動+スライド可動により垂直尾翼の収納を可能としている。
そして手首。
なんと指の根元の関節だけでなく、第2関節まで可動する。
やる気になれば指の全ての関節を可動させられるのであろうが、実は指は動きすぎると武器などのオプションを握らせ辛くなる。
このため、ここまでの可動にあえて止めていると思われる。
もっとも武器のグリップに収納式のツメがあるため、一度握らせてしまえばすぐに外れてしまうような事はない。
簡単に紹介したが、コレは1/144のパーフェクトグレードと言っても過言ではない、現在のバンダイの技術の粋である。
ガンプラを初めて作る人にはオススメできないが、久しぶりにガンプラを作ってみたい人は是非作ってみて欲しい。
きっとかつてのガンプラとは隔世の感あり、と思わされるだろう。