
バンダイ マスターグレード 機動警察パトレイバーシリーズ
1/35 ¥3150~
”レイバー”それは産業用に開発されたロボットの総称である。
建設・土木の分野に広く普及したがレイバーによる犯罪も急増。
警視庁は特科車両二課-パトロールレイバー中隊を新設してこれに対抗した。
通称”パトレイバー”の誕生である。
~アニメ「機動警察パトレイバー」オープニングより~
現実の時代がパトレイバーを追い越して、既に10年以上・・・・。
現在のロボット開発者の中に、ガンダムを作りたいという人の他に意外なほどパトレイバーを作りたい、と言っている人をTVなどで見たことがあるが、それ程に影響を与えるシリーズだったのであろう。
ガンダムは兵器だが、レイバーは特殊車両扱いという事もあり、生活の中にとけ込んでいる風景をみても、ガンダムなどの殺伐とした状況とは全く異なる。
強力なライバルに対峙している姿よりも、牛や車を持ち上げている方が似合ってしまうような気がする(笑)、そんなロボットであるが、それもパトレイバーの大きな魅力であろう。
キットは先日紹介した
MG(マスターグレード)シリーズで展開されていた一番新しい部類のパトレイバーキットだ。
放送当時の旧キットでは軟質の関節カバーが関節部と触れ合って溶けるなどというトラブルがあったようだが、このMGでも軟質系のカバーは使用されるもののそういった不具合はない。
ガンダムなどのMGでのスタンダードであるフレーム構造は踏襲されていて、このキットでも更にネジ止めによって関節のテンションが落ちた際、ネジの増し締めで対応出来るようになっている。
ガンダム系MGではフレームまで内部構造を再現したものになっているが、このキットでは特に手足などは単なる骨組みとしてのフレームである部分が多いのが特徴だ。
特殊車両扱いのため、ナンバープレートやウインカーがあるなどガンダムなどとは異なるロボットモデルである事を組み立てながら体感できるのも魅力だ。
ここからは写真を交えて紹介しよう。

頭部の下には設定どおり搭乗者の泉野明が見える。
1/35というスケールがよくわかり、パトレイバーらしい構図だ。

別売りのLEDキットにより両肩の回転灯は点灯させることが出来る。
このLEDキットが以外に凝っていて、4箇所の回転灯にそれぞれ3つ計12個のLEDを使用しており、3つのLEDが順番に点灯することにより擬似的に回転しているように見せている。

コクピットハッチは開閉式である。
残念なのはコクピットの昇降が再現されていない点で、特徴的なイングラムの頭の下から搭乗者が顔を出している状態を再現できない。

リボルバーカノンを取り出す際の腕の伸縮を再現している。
また、脚部のカバーを外に開くと連動してリボルバーカノンが上方にせり出すギミックが楽しい。

劇場版2号機、ライアットガンを持たせてはいけない(笑)

グリフォン。
写真のフライトタイプの他にアクアタイプもあり。
劇中のように腕をパージした状態も再現可能。

昨日紹介した
EXモデルの指揮車と1・2号機。
レイバーの大きさがわかる。
派手な変形等がないためMGとしてはパーツ数も少なく組みやすい。
また、デザイン上殆どのパネルラインでパーツが分割されているため、継ぎ目ができるのも頭部の大型アンテナと肩部くらいのもので煩わしさがない。
古いとは言え初心者にもオススメできる良キットと言えよう。
しかし現在の視点で見ればコクピットの昇降は可能であろうし、その他差し替えにて再現されている部分も多くは現在のバンダイの技術であれば差し替えなしの再現が可能であろうと思われる。
またコクピット内部も、このスケールであれば一歩進んでもう少しスケールモデル的な再現が欲しいところだ。
関節なども殆ど不満がないほどの完成度ではあるが、特に肘関節は最大で90°程度しか曲がらず、現在のバンダイであれば引き出し式の関節で180°に近い可動が可能だろう。
それらを再現したVer.2.0化を望みたいところだが・・・。
現在のデメリットばかり挙げてしまったが、逆に言うと関節などはカバーに覆われているため再現する必要がないと考えれば、殆ど外装のみに製作の重点を置くことが出来るし、コクピット・伸縮する椀部・リボルバーカノン格納庫などの内部の見える部分のみディテールアップするだけでもグッと引き立つだろう。
ベースとして考えても良キットと言える。
割り切った作り方をすれば3号機まで一気に製作するのもそれほどのストレスにはならないだろう。
私もいずれ3号機まで製作する・・・・筈だ(笑)