
AZ-3(エーゼットスリー)は、マツダが製造し、オートザムで販売していたハッチバッククーペである。ユーノス店で販売されていたユーノス・プレッソは姉妹車。
オートザムチャンネルで販売されたため、オートザムAZ-3を名乗っていた。当初は1.5L直4エンジンのみのラインナップであった。 1993年9月のマイナーチェンジで1.8LV6エンジンを搭載したモデル(グレード名GT-AおよびGT-X)が追加された。
リアウインドウは3次曲面。プレッソとの外観上の違いは、各部のエンブレム程度である。キャッチコピーは「僕に、感じやすい。」 プラットフォームは、マツダ・Eプラットフォームが用いられた。 当時マツダの別チャンネル系列で販売されていたRX-7をそのまま小さくしたような外観が特徴的である。(wikiより)
1991~1998年まで生産されていたはずなのに当時でも全然見かけませんでしたね…
wikiにはFDをそのまま小さくしたような外観とありましたが…そうか…?
今回AZ-3をググった結果ユーノス・プレッソという名の珍車の姉妹車という珍珍車を知りました。外観はエンブレムくらいしか違わずなんで出したんだよという時代を感じれます。
グロリアとセドリックみたいな販売店で変わるやつですね。
今となっては全国の中古在庫が2台となってしまったAZ-3ですが、これはオーナーさんがレストアしている車体でめちゃくちゃ綺麗です。そんなAZ-3ですがオーナーさんは弄る気マンマンでまずはマフラーの加工をお願いされました。
これを付けて欲しいと受け取ったのはアルファロメオ用のマフラーです。
この瞬間に一瞬嫌な汗が出ました。めちゃくちゃ私の偏見ですがマツダ・スバル・アルファロメオはなんていうか、その…す、少し独特な価値観というか個性的なオーナーさんが多いので…
このメーカーはなるべく避けてるのに早くもツーアウトです。最初はめっちゃ警戒しましたが後輩が紹介で連れて来た人なので、そんな心配は杞憂に終わりとても良い人でした。
リアピだけなのでサクサクと進めます。
純正を外したら吊り棒を切ったタイコを当てて位置を決めます。
位置を決めたら吊り棒を仮付けして支えているウマを外して寄ったりしないか確認します。問題なければ降ろして本溶接して再び取り付けて今度はパイプを繋げてやれば完成です。
オーナーさんがご年配の方だったので純正っぽくでもよく見るとナナメ出しで社外って感じにしました。
見れば見るほど小さいカマロみたいな車です。驚きなのがこんなにフロントが低く長いのにFFしかラインナップがなく、グレードによっては1.8LのV6エンジンもあるとのことです。当時は世界最小のV6エンジンだったみたいですよ。
これは直4のモデルですがもうネオクラシックと言われる年式なので水が漏れております。
そしてここに来て珍車の洗礼を受けます。廃盤で部品が出ません…
しかしB5エンジンと言えばファミリアにも搭載されていたはずとWikiで調べます。ファミリアなら圧倒的母数があるので期待ができます!
ファミリアネオ・ファミリアアスティナ・ユーノス100…
知らない車の供給過多とそのリンク先に飛んで「あー!これ見たことある!」の行動により一向に進みません。
ようやく車種を絞って部品リストから品番を漁りますが微妙に違います。そもそもアルミ製ウォーターポンプにタイベルのベアリングとテンショナーを付けるという気が狂うとる設計ですが、そのネジ穴がなかったり謎のボスが生えていたり…
その中で一番形が似ているファミリア用を注文しました。最悪新品から回転部の部品を全て移植する作戦です。
注文した時に1品番で対応品番が34個出てきました。つまりマツダが色々変えて34種類のウオーターポンプがありますがこれ1個で全て賄えますということです。
開発者は暇だしサイコロ振って出た数だけ末番アップしてみるか~(笑)とかしながらお仕事をされていたのでしょうか?
ちなみに注文したら在庫ラス1でした。あっぶな…
部品が届くまでにある程度バラして交換できるところはしておきます。せっかくバラすのでオイルシールやタイベルも交換します。
まずはクーラントを抜くために潜ってドレンを探しますが見当たりません。そんなことはないはずと色々なところから覗き込むと…
おった!
フロントグリルから発見しました。
とんでもねぇとこに付いてるなと思いながらネジドレンタイプなので周囲を養生します。
このタイプは周囲に飛び散るので周囲に養生テープで道を作ります。
フロントからドライバーを突っ込み緩めているとチョロチョロと音がします。しかしドレンからは漏れていません。
不思議に思い覗き込むと…
そっから出るんかーい!
なんとラジエーターマウントに刺さる棒がパイプとなっており、そのパイプがドレンも兼用という初見殺しです。
素でキ〇ガイか?とFワードが漏れてしまいましたが、RB26のサージ下を触ってる時なんて3回呼吸したら1回はFワード出ますし1JZのエレメント交換すれば移設キット買えとおがり始めます。
その後は順調にバラしていきウオポンを外そうとした所でロアホースがパワステポンプのブラケット下を通っており見えない抜けないが発生しました。
こういう時はJDM KOTOWAZAという先人の教えを思い出します。「出る杭は鍛造」「急がば定常円」「善はキャノンボール」
急がば定常円に習いブラケットや周囲の部品を外していくと
すんなり外れました。
外してからフランジだったんだと知るくらい見えないです。
外したポンプは定番の蒸気穴からの漏れでした。
掃除してオイルシールを交換していきます。
クランクプーリーは簡単に外れて心配になりました。
年式の割に固着などもなくサクサクと交換していきます。
ウォーターポンプを変えるならタイベルもついでに、タイベル変えるならオイルシールやテンショナー、ベアリングなどもついでにの流れです。ここまでバラしたら手間変わらないですからね。
クランクオイルシールが少し固着気味でしたがプーラーでいけるレベルでした。
そうこうしている間に問題のウォーターポンプが届きました。
少し加工して組んでいきます。
保険として外すときにタイベルとカムプーリーをマーキングするのですが、今回初めて役に立ちました。
カムプーリーがINとEXで共用なのかミッキーマウスみたいな形をしていて位置決めピンが入る場所が2箇所あるんです。ベルトの印も2個あり本当にトップ出てんのかと何度も確認しました。
外す時にピンクペンでIN側でピンはこっち使うとかメモを書き込んでたらカムプーリーが刃牙ハウスみたいになってしまいました。
そして新品タイベルにマーキングが入っていない…
安物のサードパーティーかと思いましたが正規品です。これマーキングせずに外してたら詰んでたやんと冷や汗をかきながら外したタイベルのマーキングを新品にも入れます。
1コマズレたら大変なことになるので3回ほど確認して組み上げました。精神的に疲れる…
組み上げてクーラントを入れてエア抜きをして漏れがないか確認します。問題がなかったので完成です。
無事AZ-3が完成し、この前2025年仕様は完成や!あとは微調整だけで年内はこれで行く!と言っていましたが…
あれは嘘だ。
もう来月がレースなのにどうしてこんなバラバラに…
というのもセントラルを周回してやはり温度がしんどいのです。山区間はめっちゃ冷えてストレートでは熱が上がる、試しにピットに戻り止まっていると一気に冷えました。
2週ぐらいのアタックや低速高負荷には強いですが、やはり走るステージに合っていないのでリアラジエーターをやめることにしました。
フロントは重くなりますが経路と走行風が当たる事を考えてラジエーターサイズは小さくできます。なのでバランスが悪くなるけどトータルで見ると軽くなりますね。
というかここまで苦労して作ったのをポイするので少しでもメリットを探さないと病んでしまします。
まずはどう作り直すか考えます。
リアに使っているクッソ強力な16インチ電動ファンはフロントでも使いたいです。というのも電ファン2基掛けよりも軽いですしファン面積が大きいので。能書きを垂れていますが、新しいのを買う金がないという理由が9割を占めます。
上のグリルはエアクリ用、下のグリルはラジエーター用、左右にオイルクーラーを置いてリアにエアコンコンデンサーとATFクーラー、これだ…!
パワポ原寸芸でおおよそのサイズを出していけそうな事が判明しました。
入るとわかれば善はキャノンボールです。倉庫を漁り出してきたのはこちら。
S14用のインタークーラーコアです。
サイドタンクが縁石かなにかでぐちゃってジャンク品2,980円でした。サイドタンクは作れるけどクーラーコアは作れないから安い!って買ってサイドタンクは切り飛ばして保管していました。
Rに2個重ねて使おうとしていましたが、そうそう綺麗で安く出て来る物でもなく…
今日からキミはラジエーターになるんや!
切り出したアルミを仮付けして形を作っていきます。
あとはひたすら溶接していきエア抜き用のプラグ付ける所とかは板の端材を重ねて溶接します。タップ立てるのに厚みが欲しいので。
ラジエーターが完成したので変更するレイアウトで並べてみました。
なんだこれは…
ヘッドライトの雰囲気が似ているせいで110マーク2の前置きインタークーラーと言っても何人か騙せそうです。
しかし非常に大きな問題も発生しました。それがこちらです。
フォグランプがオイルクーラーに当たって付きません。
2ドアだと別によかったのですがこれは型落ち4ドアセダンの元高級車です。爆光イエローのフォグは必要でしょう…!
令和にもなって字光式ナンバーの88-88に乗っている身分としてはセダンにフォグは死活問題なのです。
枕を涙で濡らしながらそれでも諦めきれず魘されながら寝ました。
その数日後…
フォグが付きました!
レンズの中で反射して光り輝くイエローバルブがセダンの義務と微笑んでいます。
結局フォグを付けるために
・オイルクーラーの場所変更→縦置きから横置きに
・オイルクーラーホース変更→長さが変わるので作り直し
・ブレーキダクト撤去・新設→ブレーキダクト部分から空気を入れるため撤去、ないと困るのでブタ鼻ダクトを新設しダクトホースを引き直す。
・牽引フック取り付け部改造→オイルクーラーに当たるので切って溶接して作り直し
どんだけ手間かけんだよアホがよ!
無事付くことがわかったのでちゃんと固定する台を作っていきます。
まずはL字アングルを溶接します。
端は一旦位置決めと補強でパイプをハンマーで潰して穴を開けた物で固定します。
これでベースができました。ここから補強をしていきます。
オイルクーラーの位置が決まったのでいよいよラジエーターの固定に入ります。
16インチファンを当てながら場所を探るも結構前に来てしまいます。重たい物なのでなるべく後ろにしたいですがファンを買い直さなければ…
その瞬間来月の頭はボーナスという言葉が浮かびました。ガリレオの如く頭の中を数式(算数)が駆け巡り注文しました。これにより当初よりも250mm後ろにラジエーターを置けます。
ラジエーターは本来ゴムマウントで固定しますが導風ダクトを付けるので走行風でかなりの力が掛かると思いリジットにしました。
その分ホースに遊びをもたせないとエンジンの揺れに引っ張られて割けるチーズになりかねません。
ホースのレイアウトよりも先に必要な物を付けないと取り回しの問題もあるので電動ファンを付けます。9インチ×2にしました。
次にリアから外してきたBMW用の電動ウォーターポンプの位置を決めます。
メインポンプは前から使用しているBMW用、追加でサブポンプをプリウスのインバーター冷却用のウォーターポンプにしました。
APJさんで売っているキットとかだとコントローラーが付いてくるので設定温度までは6Vで回しては止めてを繰り返しエンジン内の水を少しずつ循環させます。電動ウォーターポンプにするとサーモを外すので常に回すとオーバークールになります。
付けているオムロンに制御させるのでそんな機能はありません。なのでヒーターコアに送る水をアシストがてらエンジン内の水を低流量で回すサブポンプを付けました。
ヒーターコアもラジエーター扱いです。
リアラジで使用していた物を再利用してロアホースが完成しました。
アッパーホースもリアラジで使っていた材料を再利用して作ります。
水と空気を分ける用のエア抜きタンクもリアで使っていたのを短く作り直して使います。
配管ができたのでニートポンプに交換します。ベルトが長いの1本で全てを回しているのでウォーターポンプレスにしても回す部分は必要なのです。
無事ウォーターポンプが無職になったのでクーラントを入れてエア抜きをしてエンジンを試運転します。
リークチェックをしながら作っているとはいえこの時が一番緊張しますね。
バッ直のテスト配線なのでクッソ汚いですが無事漏れもなく回せました。
あとはシュラウドやら配線やら導風板やら…
もう少し時間がかかりそうです。