
国民生活センターは23日、便秘やダイエットによいと言われる「キャンドルブッシュ」を茶葉に含む健康茶を調べたところ、下剤と同じ医薬品成分が含まれていたと発表した。「飲み過ぎると下痢を起こす可能性がある」と注意を呼びかけている。
キャンドルブッシュはゴールデンキャンドル、ハネセンナとも呼ばれる。南米原産のマメ科の植物で、学名はカッシア・アラタ。葉や茎などに下剤の成分であるセンノシドが含まれていることが報告されている。
同センターは「おなかがスッキリするという健康茶の効果がありすぎる」との相談を受け、この植物を含む15銘柄のお茶の成分を調べた。各商品に記載された方法に従い、カップ1杯分(150~250ミリリットル)を作ったところ、すべての銘柄から下剤成分のセンノシド2~10ミリグラムが検出された。一般的な下剤1錠の含有量は12ミリグラムで、お茶2、3杯で同じ量になる可能性がある。
同センターは販売元に、「多量に飲むと下痢になる可能性がある」といった表示をするよう要望した。消費者庁と厚労省には薬事法などでの取り扱いの見直しを求めた。
調査対象となった15銘柄のうち13銘柄の販売・製造業者が23日、朝日新聞の取材に応じ、10社は注意書きの改定をおこなったか、おこなう予定と答えた。1社は販売を中止し、在庫も廃棄処分したと答えた。15銘柄とも包装などの原材料の表示に「キャンドルブッシュ」「カッシア・アラタ」などと記載している。
国民センターの報告書は同センターのウェブサイト(
http://www.kokusen.go.jp/)で見ることができる。
キャンドルブッシュを含む健康茶
-下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意-
目的
「おなかがスッキリするという植物を含む茶葉を購入し飲んでいたところ、効果があり過ぎる」という健康茶に関する相談が寄せられたため、原材料表示を確認したところ、医薬品として使用されるセンナの同属植物であり、センナと同様に下剤の作用があるセンノシドという成分が含まれているとの報告があるキャンドルブッシュ(別名:ゴールデンキャンドル、ハネセンナ、学名:Cassia alata(カッシア・アラタ))が使用されており、下剤としての生理作用を及ぼす可能性のある量のセンノシドが含まれていました。
そこで、市販のキャンドルブッシュを使用した健康茶15銘柄を対象に、これらを利用することによって、どれくらいセンノシドを摂取する可能性があるのか、十分な注意表示はあるのか等を調べ、消費者に情報提供することとしました。
主なテスト結果
センノシドの量
全ての銘柄からセンノシドが検出され、約半数の銘柄は、カップに2、3杯の量を飲むことで医療用医薬品と同程度の量のセンノシドを摂取する可能性がありました。
表示について
キャンドルブッシュ以外にもおなかを緩くする成分を摂取する可能性がありました。
15銘柄中13銘柄では具体的な一日摂取目安量が表示されていませんでした。
多量に摂取した場合、下痢になる可能性がある旨の注意表示をしていた銘柄はありませんでした。
インターネット通信販売の広告について
より濃く抽出する条件等が記載されたサイトが多く見られました。
「スッキリ」など便通改善をイメージさせるような表現が多く見られました。
「下剤じゃない」等医薬品ではないことを記載した広告が見られました。また調べた範囲では、センノシドが含まれていることについて記載のあったサイトはありませんでした。
消費者へのアドバイス
キャンドルブッシュを含む健康茶には、下剤成分であるセンノシドが含まれており、人によっては激しい下痢を起こす可能性があります。
キャンドルブッシュの有無は、原材料表示で確認してください。
キャンドルブッシュを含む健康茶のインターネット通信販売では、医薬品でないことやセンナとは異なることを広告に記載している銘柄がありますが、センナの同属植物であり、医薬品成分であるセンノシドが含まれているため、摂取には注意が必要です。
事業者への要望
キャンドルブッシュを含む健康茶には、下剤成分であるセンノシド等が含まれることから、下痢になる可能性があります。一度に大量に摂取することは避け、使用する場合には慎重に行う等の注意表示を必ず記載するよう要望します。
キャンドルブッシュを含む健康茶に一日摂取目安量を記載するよう要望します。
キャンドルブッシュを含む健康茶のインターネットの広告では作用に関して消費者に誤認を与えると思われる表現が見られたため、改善するよう要望します。
行政への要望
キャンドルブッシュを含む健康茶には、下剤成分であるセンノシド等が含まれることから、下痢になる可能性があります。一度に大量に摂取することは避け、使用する場合には慎重に行う等の注意表示が記載されるよう指導等要望します。
キャンドルブッシュを使用している健康茶に一日摂取目安量が記載されるよう指導等要望します。
キャンドルブッシュを含む健康茶のインターネットの広告について薬事法に抵触するおそれがある表現が見られたため、薬事法に照らし合わせて問題がある場合には、事業者に指導を行うよう要望します。
キャンドルブッシュ(ハネセンナ)の取扱いについて、食薬区分の見直しも含め、検討するよう要望します。
要望先
消費者庁 食品表示企画課
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
情報提供先
消費者庁 消費者安全課
消費者庁 表示対策課
厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 基準審査課 新開発食品保健対策室
消費者委員会事務局
内閣府 食品安全委員会事務局
公益社団法人日本通信販売協会
日本チェーンドラッグストア協会
公益財団法人日本健康・栄養食品協会
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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にゅーす | 日記
Posted at
2014/01/24 09:06:30