世界自動車市場が‘リコールの沼’にはまった。
トヨタに続いてゼネラルモーターズ(GM)が130万台をリコールした。高強度のリストラで
破産保護状態からようやく抜け出したGMがまた危機を迎えている。
リコール対象は05-10年型シボレーコバルトと07-10年型ポンティアックG5(米国)、05-06年型ポンティアックG4(メキシコ)など。特に3万キロ以上を走行した車で問題が発生する可能性が高いことが分かった。こうした問題で米国で14件の衝突事故が発生し、米高速道路交通安全局には約1100件の苦情が入っている。
GMとトヨタのリコールは2つの面で違う。運転手の
安全に及ぼす影響ではトヨタの急加速問題がはるかに深刻だ。死亡事故に直結するからだ。GMのリコール理由は低速走行時のハンドルの不具合。しかし
実際に受ける打撃の強度はトヨタよりもGMのほうが大きくなる可能性もある。
両社はまず体力面で比較にならない。トヨタは高速成長をする過程でワナにかかった。不況のため米国・中国販売が不振だったが、トヨタはそれでも世界1位だった。一方、GMは昨年6月に破産保護を申請した会社だ。08年から経営難に陥り、金融危機の直撃弾を受けた。102年の歴史を誇る
米国の代表企業がダウジョーンズ指数から除かれるという屈辱も経験した。
今回のリコールで最も
深刻な点はリコール対象がすべて小型車という点だ。GMは7500人の人員削減で40日で破産保護から抜け出し、
小型車部門に焦点を合わせた再起戦略を立てた。不況で米国消費者の需要が小型車と高効率車に集中しているからだ。
ただ、米国の政府とメディアがトヨタの大規模リコール当時のように‘GMたたき’に出るかどうかは不透明だ。公的資金が注入され、GM株の61%が米国政府に渡っている。国営企業同然だ。カナダ政府も12%を保有し、
トヨタに攻撃的だった全米自動車労組も18%のGM株を保有している。
GMまでが大規模リコールに入ったことで、世界自動車企業からは笑みが消えた。トヨタの危機を告訴したり、反射利益を狙う段階は通り過ぎた。
「トヨタから始まった品質問題が他のメーカーにも悪影響を与える」というホンダの最高財務責任者(CFO)の懸念は現実になった。
リコールのドミノが続いている。ホンダ・日産・フォード・プジョーシトロエン・ルノーなどがリコールした。主要メーカーのうちリコールを避けた企業はほとんどない。今年に入って世界で発表されたリコール対象車は1200万台を超える。
米ビッグ3の没落の機会を利用して世界1位を目標に攻撃的経営に入ったフォルクスワーゲンも先月、ベアリングの欠陥のためブラジルで19万台をリコールした。現代(ヒョンデ)車もドアロックの誤作動でYFソナタをリコール中だ。
トヨタ事態に驚いた自動車企業が、過去ならそのまま放置していた懸案で公開リコールしている点も、リコールが急増した理由の一つだ。
消費者としては悪くない。ポスコ経営研究所は「世界自動車市場の寡占体制が急激に瓦解する可能性がある」と予想した。
Posted at 2011/03/03 23:57:13 | |
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