2013年02月03日
嫁さんの携帯が壊れたので,スマホばっかり売っている携帯屋さんにガラケーを修理に出してきました.いつの間にか料金プランが安くできたらしく,今日,安価になるプランに申し込んだら,適用は3月から.こういうのは月末にするのがいいみたいですね.とはいえ,スマホに換える理由が見つからず,プランを安価コースに変更のみしてきました.
で,その帰り,マツダのD付近を通ったので,フラッと吸い寄せられて,乗って来ました.
SKYACTIV-Dはデビュー直後にCX-5で乗って,後ろから大波に押されるような圧倒的なトルク感と,右足で速度がコントロールできるロックアップが基本のATのスムーズさが光るパワートレーン,そして,あまり期待していなかったにも関わらず,かなり出来の良いシートと素直なハンドリングがいい車でした.
今回試乗したアテンザは,CX-5から0.2mmと誤差の範囲と思えるストロークアップをしたエンジン,ハードウェアとしては同じAT,そしてセダンとワゴンで違うホイールベースのボディとなっています.あと,駆動方式もFFのみです.
【パワートレーン】
乗り込む前のエンジン音は,紛れもなくディーゼルのがろんらごろんらという音でしたが,音量自体は,以前乗っていたファミリアバン(日産AD)のCD20に比べても,よく抑えられています.車内に乗ると,非常によく吸音されているので,アイドリングのエンジン音はかなり小さくなりました.
走り始めると10km/hぐらいまでは,トルコンのスリップでスムーズな発進でした.エンジン回転数は1500r/minぐらいのまま,すぐに2速に入り,ここからはすぐにロックアップがかかり,変速の瞬間だけロックアップが外れるというのを繰り返します.回転数はアクセルを深く踏み込まない限り2000r/min以下をキープします.6速まであるので,これでも市街地走行では十分カバーしきれます.アクセルの踏み込みと加速感は過剰な感じはなく,さらに優秀なのは,アクセルを戻した時の減速感がロックアップのおかげで,MT車と遜色がないことです.パドルシフトは加速時には特に不要ですが,減速時のエンブレを有効に使うのにはいいですね.
先日の試乗会で乗らせてもらったボンゴブローニィにかなり近い感覚をもっています.もちろん,パワーそのものが全然違うので,高速走行も余裕なんでしょうけど,街中での乗り味はちょこまか走るよりは,ずもももとトルクの波で走るのが似合っていると思います.
【ハンドリング】
市街地走行しかできなかったので,そんな大したことは言えないのですが,とりあえず社有車の初代マークXに比べれば,随分とハンドルセンターがはっきりとしています.電動パワステとのことですが,特に中立付近のがたつき感(トーションバーのたわみ)が目立つ車が多い中,マツダ車は全般的にがたつき感が抑えられてていて,油圧パワステ車並です.とはいえ,パワステ無しの剛性感&アシストの入らないFFらしいハンドリングを知っていると,不自然感は拭えませんが…まぁ,比較するのがナンセンスなんでしょうね.少なくとも,ハンドリングを売りにしているはずが残念なフィーリングの86よりは,かなり自然です.同じサプライヤーのはずなんですがねぇ…
【足回り】
ハンドリングと同じく,市街地走行しかできなかったので,大したことは言えませんが,CX-5と比べれば,当然ロールは小さくなっていました.あとは,結構どっしりした乗り心地で,高級セダン・ワゴンであることが感じられます.このへんは,思ったよりゴツゴツ感のあったCX-5と比べると,高速走行が楽だろうなと思わせてくれる感じでした.
【外装関係】
細かいところは夜なのでよく見ていませんが,近頃のマツダデザインは噛み付かれそうな勢いがありますね.四隅が絞り込んであるので,オーバーハングがかなり短く見えます.全体的にも,車体の大きさを感じさせないデザインになっていて,1840mmも幅がある感じは無いです.でも,実際にはあるんですよね…狭い場所に入るのが大変そうなので,道路が立派な愛知県では問題にならないと思いますが,実家に帰ると四苦八苦になりそうです.
ドアミラーがドアマウントになっており,カタログにも書かれていますが,視界に配慮した形状になっているので,交差点での曲がっていく先の確認がしやすくなっています.
【内装関係】
内装も,夜なので詳しくは見えませんでした.が,座ってすぐわかるのは,シートの出来がすごく良いこと.シトロエンDS3のシートほどではありませんが,中央部とサイド部を分けており,中央部は柔らかく体を支えて,サイドはきつすぎないホールド性もある形状です.足回りと合わせて,長距離が楽そうなシートです.
ステアリングは,車体の大きさに比べると若干小さすぎる感じがしなくも無いですが,近頃はみんなそういう感じなんで仕方が無いですね.
ペダル配置も,何も違和感を感じないのが近頃の車では逆に珍しくよくできています.
あと,リヤハッチを開けると,トノカバーがバックドアにくっついて大きく開いてくれるカラクリトノカバー.これがワゴンとして荷物を積む際には便利そうで,使い勝手を考えています.
【グレード構成】
グレードは,エンジン別に名前が違い,ガソリン車は2Lが基本グレード,2.5LがL packageのみとしてレーダークルコン,衝突防止支援装置,HIDヘッドランプ&LEDスモールランプ,自動防眩ミラーなどの安全&快適装備が追加になっています.それぞれ個別でメーカーオプションも出来るので,2.0Lガソリンで動力性能が十分と感じれば,必要な装備だけオプションで選択してもいいでしょうね.
お値段はおよそ2.0L⇒250万〜,2.5L⇒300万〜ですが,上述の通り,装備が大幅に違うので,排気量での差額は殆ど無いみたいです.なお,2.5Lエンジンには2.0Lにない,エンジンのバランサシャフトがついていますので,より静かでスムーズなエンジンになっているようです.
ディーゼルエンジンはxDとxD L Packageの2グレード構成ですが,中身はガソリンの場合と同じです.ただし,xDは唯一のMTが選択できます.といくか,MTでアテンザに乗りたい人は,自動的にディーゼルを選ぶことになります.同じ装備内容では,MTとATで値段は変わらない設定です.ただし,MTでは19インチタイヤしかない設定になっています.
ATでもMTと変わらないレベルのダイレクト感があり,値段の差もないので,MTを選ぶ理由は,シフトレバーを動かしたり,クラッチを自分で繋ぎたいかというところです.MTも乗ってみたいですが,どこかに試乗車あるんでしょうかね?
【総評】
ちょっと乗っただけですが,わかりやすく『マツダ味』が出ている車だと思います.きっちり走りの良さを売りにできている感じがします.ライバルとしてはマークX・クラウン,フーガ,レガシィ,アコード,BMW3シリーズ,ベンツCクラスかと思いますが,これらと比べての長所は,ディーゼルエンジンのモリモリトルクとATの優秀さ,デザインのオリジナリティ.劣っていそうなのはマツダの高級車に対するブランドイメージでしょうか…
あと,カタログがすごく立派です.近頃にしては,CGばかりではなく実車撮影した写真もちゃんと使っていますし(もちろん手直しは入っていますが),技術解説も最近にしては充実した内容になっています.
Posted at 2013/02/03 00:31:44 | |
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