國政氏のブログで,シトロエンの新型ダンパーが取り上げられていました。
写真のキーワードから検索に行ったら,豪州シトロエンのチャンネルでそれらしきものを発見。
一応本部の公式ムービーだと思っていいでしょう。
2018年型C5に搭載される新手の位置依存型ダンパー機構の紹介ですね。
位置依存型ダンパーとは,読んで字のごとく,ストロークに応じて減衰が変化するダンパーです。
フランス車はこの手の位置依存型ダンパーを積極的に使っているイメージがなんとなくあります。
ルノーのHCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)とかもそうだし。
日本では純正採用の話は聞いたことないですが,アフターならTEINの一部サスキットに採用あり。
先のHCCでは,ダンパーの中に小さなサブダンパーが仕込まれた構造をしています。
サスペンションが一定以上縮むと,このサブダンパーが圧縮されて追加の減衰力を発生します。
言ってみれば,サブダンパーがバンプストッパーのような役割をするわけです。
バンプストッパーと違うのは,縮むエネルギーを受け止めたあとの反発がないこと。
これにより,ジャンプ後の着地のような大入力のあとでもサスペンションが一発で収まります。
ラリーカーなんかでは結構前からある機構のようです。
で,今回のシトロエンのダンパー。
こちらは,ダンパーがストロークするに従って,オイルが通れる穴を順次閉じていくという方法。
機構的にはダンパーinダンパーのルノーより古典的な気もしますが,この順次閉じが斬新ポイント。
まず,微小ストローク域では減衰力はごくごく僅かであるようです。
そこからストロークするに従ってじわじわ減衰が上がっていくと。伸びも縮みも。
これによって,小さなギャップはやり過ごしつつも,大きな入力はしっかり受け止められるようです。
正直「こんな複雑な機構で大丈夫? すぐ壊れちゃわない?」と心配になってしまいますが。
昔からサスペンションに定評のあるシトロエン,こだわりの逸品のようです。
動画内では,カントリーロードを走る車内のお茶の揺れ方でその威力を示しております。
旧型サスペンションと比較すると,なんかびっくりするぐらい水面が揺れません。
新東名走ったってもうちょい揺れるだろって思ってしまいます。
まぁここに貼った動画のお茶はCGですが……他の動画では実物が映されていたりします。
"
Progressive Hydraulic Cushions"でググると他の解説動画が多数ヒットします。
ぶっちゃけ「ホンマに走って撮ったのかよ?」と疑ってしまう揺れなさ。
いやぁ,こういうのを見ると試してみたくなるっすね~。
別にシトロエンのじゃなくてもいいから,この手の位置依存型ダンパーを試してみたい。
今のサスに特に不満はないんだけど……強いて言えば大きく縮んだあとの収まりがもうひとつ。
まぁ性能云々というより「飽きてきちゃった」って感じなのかもしれないけど。
TEINさん,早いとこ新ダンパーのラインナップを拡充してくれないですかね?
今更のように古いクルマのネジ式車高調なんか作ってないで……。
Posted at 2017/08/07 22:31:40 | |
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