2015年2月15日(日)。
セツブンソウが咲き始めたと聞き、
公園に春を見つけに行ってみた。
しかし残念ながらセツブンソウを見つけることは出来ず終いだった。
その代わり、木陰にひっそり咲いたスノウドロップと、
陽の光を浴びて鮮やかに花開く福寿草を見つけた。
スノウドロップは、晩冬から早春に花をつけるため、春を告げる花とされる。
同花は日中に溜めた暖かい空気を逃さぬよう夜になると外花弁を閉じてしまう。
この日は撮影が朝早い時間で木陰に陽が射し込んでいなかったため、
外側の3枚の花弁が開ききっておらず、釣鐘状の様相を示していた。
【1】
英国の伝承では死者が纏う装束を連想させるとして忌避されることがあると聞く。
日本で言えば曼珠沙華的であるが、ともに彼岸花科である点が興味深い。
一方、欧州全域では聖燭祭との関連から修道院でよく栽培されるらしい。
ドイツでは「雪は自らに色がないため花たちに色を分けて欲しいと頼んだが、
どの花にも断られ唯一スノウドロップだけがこれに応えた」と語り継がれているようだ。
これは花弁が純白だからというのみならず、その可憐な容姿を神聖化したのだろう。
【2】
福寿草は典型的なスプリングエフェメラル(直訳で春の儚きもの=春植物)である。
【3】
スプリングエフェメラルとは、春先に花を開き、夏まで葉をつけ光合成を行い、
その後はまた地中でじっと春を待つ植物を指し、カタクリや一輪草、二輪草、
セツブンソウ、そしてこの福寿草などが代表花として知られている。
【4】
福寿草は、花弁で日光を受け花芯に熱を集め受粉に必要な虫をおびき寄せる。
そのため、日当りの具合によって花弁の開き方が変わる不思議な花だ。
鮮やかな黄色い花弁の表層は、まるで鱗粉が吹かれたような独特の光沢を放つ。
【5】
春の象徴でもあるこの黄色い花は、新春を寿ぐ意味を込め福寿草と命名された。
【6】
何輪かが集まって咲く姿は、明るく快活で微笑ましく、まさに心を温めてくれるもの。
彼らは、まだ寒い公園にも春の足音が近付きつつあることをそっと教えてくれていた。
【7】
さて帰ろうかと、ふと樹上を見上げると、シロサギがこちらをじっと睥睨していた。
【8】
「そんな無粋なものをぶら下げて、お前は何をしているのか?」と言わんばかりだった。
【9】
2月の晴れた日曜日の朝だった。。。
今回も他愛のない雑文にお付き合いいただきありがとうございました。
※EOS 7D MarkⅡ SIGMA APO MACRO 150㎜ F2.8 EX DG OS HSM
(了)
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Posted at
2015/02/16 23:00:53