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ek-10stとやまの愛車 [日産 マーチ]

整備手帳

作業日:2020年5月6日

ジャジャ馬マーチRを乗りこなせ!鈴木流FFドライビングテクニック

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
その1
2
その2
3
その3
4
ジャジャ馬マーチRを乗りこなせ!
鈴木流FFドライビングテクニック



鈴木徳行
 '88年関東ラリー戦のBクラスにおいて、
非力なAE82を独特なドライビングで操り、
破竹の4連勝でチャンピオンに輝く。
 今シーズンはワークスオクヤマのメイン
ドライバーとして全日本ラリー選手権を
マーチRで戦う。第1戦のDCCSウインター
ラリーでは初の全日本挑戦ながら、並いる
強豪をおさえ、Bクラス4位に食いこんだ。
 '89年注目度No.1のラリードライバーだ。




「そうだなー、コーナーでどうやって曲げてるんだろう。
なんとなく感覚で曲げてますからね。わからないなー(笑)」
 取材慣れしていないために、的確な言葉が見つからない
せいもあるが、鈴木徳行のドライビングまさにコレ。
いわゆる、感覚派のドライバー、天才肌のドライバーと
いえるだろう。ラリーコースで見ていると明らかに
ほかのドライバーと、違った走りをしているようにも見える。
ともすると、遅くも見えてしまう。だが、タイムは出ている。
そのあたりが鈴木流ドライビングのマ・カ・フ・シ・ギ!?なのだ。
 '88年の関東ラリー戦で4連続優勝離れ技をやってのけたと
思ったら、全日本戦にステップアップ。開幕戦のDCCS
ウインターラリーで、初めて競技で乗るマーチR、
初めてのウインターラリー、初めてのスタッドレス
タイヤというハンデをものともせずに、4位に入賞して
見せた。ラリーファンにとって、久々に登場した、
なかなか魅力的なドライバーといえるだろう。
そこ鈴木徳行流マーチRのドライビングを解剖医
してみよう。ただ彼の場合、
「今のところ、マーチRだからといって、基本的に
ドライビングのスタイルは替えたくない」
 といっているから、鈴木流FF車のドライビングに
迫ってみたいと思う。

ラインどりと
ブレーキングがポイントだ!

 鈴木流ドライビングの特徴は、大きくわけて2つの
ことが上げられる。一つはコーナリングライン。
ほかのドライバーのそれとは違って、かなり
コーナリングのRを大きく想定しているのだ。もう一つは、
ブレーキング。長く、そして緩いブレーキング区間を
持っている。この鈴木流ドライビングを鈴木徳行自身に、
これから解説してもらおうというわけだ。

ステアリングを切らない
コーナリング?!

今でこそ、FFのスペシャリストともいえる鈴木だが、
鈴木流ドライビングのルーツは、意外にもFRのKP61
時代にあったそうだ。
「KPの頃ってとにかくパワーがないから、
少ないパワーで速くはしれるかそればかり
だったんですよ。そう考えてたらある日フッと
そうだハンドルを曲げなきゃいいんだって気がついたんです。
タイヤを曲げることでブレーキングになるでしょう。だから
大きく切らない。カウンターは絶対に当てない。そのことを
考えて走るようにしたんですよ。その頃から今の
走りを意識していた」
 という。このKP時代には、
「群馬にはラリー車が生(いか)っている」事件、という
有名な逸話がある。85年5月ことだ。関東戦のやまびこ
ラリーでのこと。SSで鈴木のKPがコースアウトして
木に生(いか)ってしまったといっていいほど、
高いところにへばり付いたそうだ。
「そんなことはないですよ(笑)ただ、立ち木の人間の背丈ぐらいの
ところにボクのクルマがつけたキズがあっただけですよ(笑)
あの頃って、オーバースピードで入って行ってカウンターを
当ててっていうのが面白い時期だったんです。FRってみんな
そうでしょう。それがオーバースピード過ぎただけ。だだ
その頃と前後して、今の走りを意識するようになったんで
コースアウトが戒めになっているかもしれませんね(笑)
とにかくクルマを壊したくない。それで速く走りたい、
ということを考えて今の走りにしたんです」
 という現在ドライビングとは、一体どんな点を
意識しているのだろうか。
 「とにかく、トランクションを稼ぐにはどうしたら
いいかなんです。ドリフトをする場合に
ブレーキングの意味もあるでしょう。クルマ横に向けて
ブレーキングするなら何で真っ直ぐな状態でブレーキングを
終わらせないのか、進入から横にしたって、ブレーキングに
なるだけでマイナスだと思うんです。それに、ドリフトしている
時はカウンターを当てなきゃならない。カウンターを当てるって
ことは、トランクションが逃げることに繋がるんですよそんな
もったいないことはしたくない。それならタイヤを真っ直ぐに
して、進入からトランクションを稼いだほうがいいわけですよね。
だからドリフトしない。もちろん、自然に流れちゃうのは、
しょうがないですけどね」
 ということで、いかにロスを少なくするかを追求した
ドライビングとも、いい換えることが出来るかもしれない。
FF車ドライビングの基本だが、さらに鈴木流は、いかに
安全にという要素が加わる。
「お金がないから、絶対に壊せませんでしたからね(笑)」

早めの減速で、立ち上がりを重視

 どうして、そういったドライビングを思い立ったかというと、
ほとんどのトップドライバーがそうであったように雪上練習が
役に立ったそうだ。
 「ラリーを初めて1年ぐらいたってかな。クラブの上の人から
ブレーキングを覚えるために雪道に行ってこいっていわれて
練習してたんです。雪上で練習していると、気持ち良くテールを
流して走っていると、スピードが乗ってかないんですよね。
結局、テールを流さないで出来るだけハンドルを切らないで
曲がる。ロスを少なくしようと思ったんです」
 確かに鈴木のコーナリングを見ていると見た目の
派手さはない。AE92をドライブしていた頃、ナビゲーターが、
「フェイントを使うわけでもなくカウンターも少ない。
入るときに何かわけがわからず出口に向いている」
 と驚いたそうだが、まさにそんな感じで無理のない
コーナリングをするのだ。現在のナビ片貝弘久も、
 「鈴木がのって運転しているときは横Gをほとんど感じない」
 と証言している。
 「カウンターを当てない、ハンドルを切らない。このためには
どうしたらいいか。簡単なんですけれどもカウンターを当てるような
スピード入らなきゃいいんですよ。だからブレーキングは早め早め
ですね。それもロックするようなブレーキはしない。80%ぐらいかな。
止めるブレーキングではなく、ブレーキングで姿勢を
変えるようなこともしたくない。カウンターに繋がりますからね。
スピードも長いストレートがあるときなんて半分ぐらいから
様子を見ながら、少し戻し気味に走ってますからね。その方が
ほかの操作にも余裕が出来るんです。進入スピードは遅くても
立ち上がりのスピードを出来るだけ稼ぎたいんです」
 そうする、減速から加速の進入に移るタイミングが難しそう。
タイミングがズレればアンダーステアになるし、全く
速度がのらないなんてこともありそうだ。
 「ブレーキングからアクセルオンのタイミングは、全開で
走っていると景色が流れているでしょう。それで、
緩くブレーキングを初めて、景色が止まる瞬間があるんですよ。
口では説明できないかな。その瞬間が、アクセルオンの
タイミングなんです。コーナリング中は、ハーフアクセル
ぐらいでコントロールして立ち上がりで全開」
 立ち上がりを完全に重視したドライビングだが、その
立ち上がりスピードが半端じゃない。昨年の関東戦のある
SSで鈴木は、井上潔のギャランに対しA92で2秒落ちの
タイムをマークした。そのときのコーナー立ち上がり速度など、
井上と同等に見えたほど。同クラスのマシンとは比較に
ならなかった。
 ただ、注意してほしいのは、FF車の場合、アクセルを
急激に開けると、リア荷重になりステアリングが効かない
アンダーステアになってしまう場合が多い。結局、
アクセルを抜くか、左足ブレーキをすることになり
ロスに繋がる。
 「ブレーキングも加速も基本的に激しい荷重移動は
していません」
 と鈴木もいう。それではその状態でどうやって、クルマの
姿勢を変えているのだろうか。さらにコーナリングラインに
ついても聞いてみよう。

アクセルオンのタイミングは、
景色が止まる瞬間

「うまく表現出来ないんですが、ブレーキングの最終の時点。
景色が止まる寸前にステアリングを緩くスーっと切り初めています。
それで行けるなと思った瞬間に、アクセルオンに移ってそれと
同時にステアリングをスパッと切りますね」
 つまり、トランクションが最大限にかかる状態を作っておいて
緩くステアリングを切り込み、クルマの向きが変わり始めたら、
アクセルオンに移ってフロントで引っ張ってコーナリングして行く
わけだ。
 「今になって気がついたんですが、コーナリング中、
FRは弱カウンターの状態が一番トランクションが
かかっているんです。でもFFはステアリングをちょっと
切った状態が、一番トランクションがかかるんですよね。
中立ではカウンターになっちゃうんです。だからテールが出ても、
止めるために一瞬当てるだけで、後は少し切り込んでいます。」
 ともいう。片貝ナビもそのあたりを、横に乗った感覚で、
 「フロントに荷重が移るんじゃなく、スルスルって減速して
ステアリングをスーっと切って、アクセルオンと同時に
ステアリングを切る。そうするとクルマの中心を軸にして回る感じ。
テールが出るとかドリフトするとか、ほかのドライバーに乗った
ときに感じるフィーリングが全くないんですよ。だから全然恐くない」
 というのだ。雪上の練習でつかんだ、微妙なブレーキ
フィーリングが、前提条件にあって、ストレートから極端な前後Gを
かけずに減速に移る。ほかのドライバーより緩く、長い減速時間に
なる。そうしながらコーナーにあわせてスピードをコントロール。
減速時間の終盤には、徐々にステアリングを切り込める。
このタイミングも、ほかのドライバーより早め。
 そして、景色が止まった瞬間(行けるなと思った瞬間でもある)
ステアリングを一気に切り込むと同時にアクセルオン。これは
同時に行われなければ意味がない。テールが流れたら一瞬
カウンターを当てるが、それ以外はコーナリング中ステアリングを
切り込んだままだ。
 鈴木流FFドライビングをまとめてみると以上のようになる。
もちろんブレーキングを必要としないコーナーあるし、
コーナーのRよっても違う。基本は、カウンターを当てない。
アクセルオンのしん。コーナリング中はステアリングを切り込んでおく、
という点にあるようだ。

カウンターを当てない
ラインどりを心がける

 さて、鈴木流ドライビングのもうひとつの特徴である、
コーナリングラインに話を移そう。もちろん、前記の
コーナリング手順と、微妙に関わっているので、別けて
考えられないのはわかっていると思う。
 「一番気をつけているのは、カウンターを当てない
ラインを通ることですね。もちろん線を引くわけじゃないから、
どこをどう通るって言い切れませんが、ボクって舗装が苦手
なんですよ。それで舗装いかに速く走るか練習してたら、
今のラインを通るようになったんです」
 前にも書いたが、微妙なラインを想定してコーナーに
進入してくるのだ。
 「この練習は通勤途中でしました。クルマのダッシュボードに
カンジュースを置いて、それが落ちないように練習したんですよ。
それを通勤途中に普通のスピードでやったんです理想のライン
だと思うけど、いいラインが通れますよ」
 と、いうのだ。かのF1ドライバー、J.スチュワートも
同じことをやったといわれている。これがなかなか難しいのだ。
記者もこれを聞いて試して見たが、なかなかうまくいかない。
ちなみに、鈴木の街乗り用のクルマには今だにダッシュボードの上に
灰皿が乗っているという。それが絶対に落ちないと
いうのだから恐れ入る。
 「だから、ステアリングを大きく切らないでも曲がれるんだと
思うし、カウンターが当たらないコーナリングが
出来るんだと思いますね」

基本ができていれば
マーチRも恐くない

 以上のように、鈴木流の独特なドライビングを
鈴木自身に解説してもらったわけだが、いかに
安全にを追求してきた結果のテクニックだったことが
わかったと思う。最後に今シーズン戦うことになった
マーチRについて特別なドライビングはあるか聞いてみた。
 「マーチだからといって特別なテクニックはないと思うんです。
ただ、今はパワーがありすぎるのと、セッティングが決まって
いないのと、ボク自身がマーチの特性がわかっていないのが
あって、自分の行きたいところに行けない感じです。
トランクションがかかってないんですよ。足の煮詰めで、
なんとかなると思いますけれどね。ただボクの場合、
トランクションがかからないと曲がらないし前にも出ない。
だから、理想と考えてイメージより、ハンドルを切る量が
大きくなっていると思う。ただセッティングの問題で、
だからといって運転を変えることはないですね」
 基本的な操作が出来ていれば、パワーがいくら上がっても
同じといわれるが、そのとおりのようだ。独特だが基本に
忠実なドライビングの鈴木流。一度トライしてみては
いかがだろう。カンジュースの練習は一度トライしてみる
価値はあるのではないだろうか。
コーティング

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