ATF交換
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走行距離が3万キロ間近となり前々から計画していたATF(A/Tオイル)の交換です。
新型デリカの場合、この作業時点ではATF交換についての情報があまりなくてなかなか苦労しました。
使用するオイルはメーカー指定のものではなく、アイシンの AFW+(ATF6020)を選びました。今回循環式の交換を行うので大量のオイルが必要で安く手に入るという点と、デリカのA/Tがアイシン製であるからキット大丈夫だろうという勝手な判断です。(汗)
ちなみにメーカ指定はダイヤクイーンATF-MA1ですが、現時点でアイシンの油種対応表にその記載はありませんので注意です。
http://www.aisinaftermarket.jp/ja/products/atf/images/atf.pdf 2
まずはじめにボンネットを開けて色々チェックするのですが、ATFのレベルゲージがどこにも見当たりません。この時点で以前のデリカとはA/Tの機構がまったく違うものだとわかり、「アイシン製8AT」がどういうものかというところから調べました。
その中で参考になったのが同じアイシン製の8ATを搭載しているボルボのATF交換を紹介していたこちらの動画でした。
https://youtu.be/m9bwZElsodM
これ以外にも色々調べた結果、ポイントは3つ。
①フィラーはA/T上側で、バッテリーの下にある。
②オイル量はゲージでは無くオーバーフロープラグで調整。
③オイル量の調整は適正温度(45〜55℃)の範囲で行う。
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まずはオイル量の調整にオイルの温度を計測する必要があったので、OBD2のポートから
BLUETOOTHでスマホに接続できるアダプターを手に入れ、私はiPhoneなのでCar Scanner ELM OBD2というアプリを使いました。
ただし海外製アプリなので、海外で流通している車種のプロファイルは揃っているのですが現行のデリカは輸出されていないためかプロファイルが見あたりません。
色々と試してみたところ、別の車種ですがMitubishi Pajero Sport III のプロファイルを使うとATFの温度が計測できたようでした。(この車種もアイシン製8AT)
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ということで、いよいよ作業の開始です。
油種系交換作業の基本のキとして、まずはオイルの入口(フィラー)確保から。
バッテリーとケースを外せばフィラーボルトが見当たると思っていたのですが、見当たらず。。。
どうやらバッテリーのステーも外さないとダメなようです。
しかしこのステー、右側のフレームに見える3点のボルトの他に、この裏側にも3点固定されていているのですが、ボルトを目視で確認できないので、コイツを外すのに思った以上に時間もかかり苦労しました。
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バッテリステーが取り外せると、ようやくフィラーのボルトが出てきます。
トルクスのT55です。
かなり硬くしまっているので、力を入れられるように私はエクステンションバーを二本つないでエンジンルームの外からレンチを回せるように作業しました。
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つぎはフロア下から。
黄色のマーキングしてあるのがドレーンボルト(フィラーと同じトルクスのT55)
赤色のマーキング部分の内側が油量調整用のオーバーフロープラグ(トルクスのT40)
となっています。
オーバーフローチューブ自体を外せばそこからドレーンすることもできそうですが、今回はドレーンボルトから抜きます。
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そしてドレーンできたATFですが、2L弱といったところ。
オイルの総量が7.55Lなので、1回に抜ける量は4分の1程度という結果に。
しかし思った以上に真っ黒で透明度もまったくありません。
この後はドレーンボルトを仮締めして、フィラーから抜けたのと同量のオイルを充填します。
フィラーからオイルを充填する際には、注入ノズルを差し込み過ぎないようにしてください。(規定の差し込み量は30mm以下)
フィラー奥には直ぐにATFの精密な機構があってそこにノズルが干渉すると不純物が発生してしまう場合があるとのことです。
オイルが注入できたら、バッテリーを戻してエンジンをかけブレーキを掛けながら、セレクターバーを操作して各レンジで2秒以上保持。これを2回ほど繰り返してオイルを循環させます。
そしてまたドレーンからオイルを抜き、フィラーから新油を注入。
この作業を繰り返してATFを綺麗なものに入れ替えていくのですが、毎回の作業でのバッテリー脱着が重労働。なんせ20キロ近くあるんでまるで筋トレでした。
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結局、9回ほどの交換作業を繰り返した結果が写真の状態です。
左端がファーストドレンで、真ん中が9回交換後、右端が新油です。
新油と比べてしまうとまだ差はありますが、これでもだいぶ透明感もでてきて、これ以上はキリが無さそうなのと、私の広背筋が限界っぽいのでこの辺にしておきました(汗。
最後にエンジンをかけてA/Tの油温を45〜55℃にします。
水温が上がりすぎるとそれに引っ張られてしまうので上げすぎには注意なのと、一度あがった油温は下がるのに時間がかかります。
Pレンジのまま待つより、Dレンジ等のギアに入れておく方が比較的温度は上がりやすいみたいです。
油温が適正となったら、オーバーフロープラグから超過したオイルが垂れてくるのでそれがおさまったら調整完了となります。
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こちらがドレンとフィラーボルトのOリングでどちらも同じサイズ。
規定トルクはともに39N・m
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こっちがオーバーフロープラグのOリング
規定トルクは7.4N・m
A/Tオイル交換後ですが、元々異常があったわけではないので劇的な変化は感じられないのですが、交換前に少し感じていたちょっとだけクリープが弱くなった感は解消された気がします。
今回情報集めたりと事前の準備が大変だったので作業難易度は上級にしてますが、次回はもう少し簡単かな。
あと今回のATF交換、結果として作業自体はそれほど難しくないですが、大きなリスクを伴う作業ですのでくれぐれも自己責任でお願いします。
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