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安藤二七美の"ホンダ Z" [ホンダ Z]

整備手帳

作業日:2023年3月4日

錆びて固着した排気系のボルトとナットを折らずにゆるめた話(ホンダPA1型Z)

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 12時間以上
1
気がついたら3月3日。
実質3日間で、ホンダPA1型Zを修理して、整備して、車検合格させないと、毎年3月11日の東北での撮影に間に合わない。
気がついてからあわてて、まず最初に取り掛かったのは、ターボ交換。
===
2年前か3年前の前回は、リアバンパーを外して、通称タイコ(正式名称エキゾーストサイレンサー)も外して、通称エキパイ(正式名称エキゾーストパイプ)も外して、出口から順番にターボを目指していった。
だけど、今回はそんな悠長なことやってる時間はない。
そこで、リアバンパーと通称タイコには手をつけず車体側に残したまま、エキパイを取り外すところから。
===
ちなみに、ホンダPA1型Zの場合、通称タイコ(正式名称エキゾーストサイレンサー)は2種類。
ターボ車は、タイコとエキパイが分離できる構造。
NA車(自然吸気、ノンターボ)は、タイコとエキパイが一体になってます。
===
ホンダPA1型Z
【部品番号】B-2
18030-S2R-J01 サイレンサーセット, エキゾースト(NA車)←エキパイと一体型
18030-S2S-J31 サイレンサーセット, エキゾースト(ターボ車)
18210-S2S-J32 パイプA, エキゾースト(ターボ車)
===
で。
その通称タイコ(正式名称エキゾーストサイレンサー)と通称エキパイ(正式名称エキゾーストパイプ)の接合部が、ここ。
まずはここから外すことにしたのですが……
錆びてます。
前回、2年前か3年前に新品に交換したボルトとナットが、見事に錆びてます。
無理やりパワーをかけると、けっこうな確率でポッキリとボルト自体が折れてしまって、その復旧作業でドツボにはまる。
これは、排気系のお約束。
===
あ。
ここは1つ、ややこしいところ。
この画像、私の個体は、社外品のマフラーに交換してあります。
ホンダ純正のままだと、エキパイ側から一体型でボルト2本が出ていて、セルフロックナットで締まってるだけみたい。
今回のこの錆びてるボルトとナットは、社外品マフラー(タイコ、またはエキパイ)の付属品だったかも。
===
ホンダPA1型Z
【部品番号】B-2
90212-SA5-003 ナット, セルフロック 10mm
(パーツリストも著作物だそうで、撮影して転載するのはアウトとのことで、もどかしい)
2
なので、タイコとエキパイの接合部を取り外した記録としては、ホンダ純正品を使ってるホンダPA1型Zユーザーには役に立たないけど。
DIYするなら、排気系の錆びて固く固く、ものすごく固く固着してしまったボルトやナットとのお付き合いは、必修科目。
その辺の工具類をそろえて、「よぉし、ゆるめてやろうじゃん!」と、前向きな気持ちで取り組めるようになっておいたほうがいい。
そういう意味での記録としては、参考になるかも、ならないかも。
===
前回は、アストロとかの格安工具でゆるめようとして、ポキポキポッキー♩という感じで次々と、排気系の錆びたボルト類をことごとく折りまくってしまった。
その復旧作業でドツボにハマってしまって、トータル2ヶ月かかってしまった。
昨夜も、手持ちの工具を当ててゆるめる方向にちょっとパワーをかけてみたら、さっぱりゆるまない。
さらに、グニャリとボルトの軸の部分が歪むような「独特のイヤな感触」が来た。
ヤバい、ヤバい、これは折れてしまう!
……と、さっさと一時撤退。
今日のところは、ここまでだなぁ。
……と、CRCよりも強力な浸透潤滑剤「ラスペネ」を吹きつけて、ひと晩放置しました。
3
翌日のその1、先鋒もラスペネ。
昨夜に引き続き、またラスペネを吹きつけて、15分放置。
世の中に色々な浸透潤滑剤がある中で、狭い場所への強力な浸透力は、やっぱりこれが一番みたいです。
(今後、もっと強力なのが登場するかもだけど)
===
続く次鋒は、商品名ミニダクター。
ぐるぐる巻きのコイルに電流を流すと、その中心部に置いた鉄が熱くなる「電磁誘導加熱」というやつ。
要するに、キッチンで使われてるIHの工具バージョンです。
===
錆びて固着したボルトやナットをゆるめたい時は、酸素アセチレンバーナーで約3千℃まで一気に加熱して錆びを焼いちゃうのが最強みたいだけど。
素人が資格を取ってそんな設備を買ったところで……
まだ幼い子供達もいっぱい周辺に住んでる住宅地で、もしもの時どうするんだよ!って話だし。
燃料タンクとか燃料ホース付近、あるいは周辺部の塗装を傷めたくない場所で、見事に固着してるケースもあるし。
そんなわけで、DIY素人の救世主のような後光のまぶしさを感じながら、買ってみました。
4
錆びてるナットの部分を、ぐるぐる巻きの先端部のまん中に。
この状態で、ミニダクターの引き金を引いて、そのままの状態でしばらく待つ。
5
すぐに、煙が上がってきました。
多分、これは、さっき吹いたラスペネの成分だと思う。
加熱できてるのは確かみたいです。
===
もっともっと時間をかけて、錆びたボルトとナットがまっ赤に赤熱させたほうが、みんカラ映えしたかもだけど。
「連続使用は2分まで」って書いてあるし。
結果としては、赤熱するまでがんばらなくても、ゆるみました。
6
先鋒のラスペネと次鋒ミニダクターに続く中堅は、ソケットとかコマとか言われる、その辺のホームセンターでも買える、六角形のボルトやナットを回すやつ。
ただし、これはSnap-Onのソケットの1つ、FDXシリーズの最新モデル。
(フランク・ドライブ・エクストラ、エフディーエックス)
===
何を言ってるんだか意味不明?
そもそも、六角形のソケットなんてみんな同じでしょと思ってる?
いやいやいや、甘いですよ。
スタバのフラペチーノよりも甘いですよ。
点接触とか、面接触とか、どこそこの部分の角度がどうたらこうたら、それら1つ1つの精度がどうこう……
要するに、とても高価な代わりに、異次元な作りの優れもの。
それがSnap-OnのFDX。
7
私が今まで使ってきた安物の六角ソケットではナメてしまって、花形のツイストソケットを使わなくちゃ……という状況でも、FDXなら大丈夫。
普通に六角ボルトとしてきっちり噛んでくれて、本当かよ……と思いながら恐る恐る回していくと、ギシギシと固着していた錆びが剥がれていく手応えと同時進行で、ゆるんでいったのでした。
(ちょっとゆるんで隙間ができたら、ただちに手を止めて、そこにまたラスペネを吹き込むのはお約束)
8
ほら、外れた。
今までの格安工具で、今までの私なら、まず間違いなく折ってしまっていたはず。
うわぁ、2連敗だぁ!となっていたであろう、この2本。
先鋒ラスペネ、次鋒ミニダクター、中堅FDX。
副将や大将を登場させるまでもなく、この3つで勝利できました。
===
ちなみに……
こういう錆びて固着してしまってたボルトとナットを再使用したら、次回、とんでもなく苦労するのは、目に見えてる。
仮に、整備マニュアルに「再使用OK」と書いてあったとしても、再使用する人はいないはず、なんだけど。
なんとなんと、そんな基本的な消耗部品(排気系のボルトとナット)を注文するの忘れてて、今から注文しなくちゃなのでした
もう、この時点で、残り3日間で作業完了させるのは不可能。
3月11日の東北での撮影には間に合わないことが確定したので、ホンダPA1型Zを実質3日間で作業完了させて車検合格させる話は、これにて終了です。
9
2本とも、折ってしまうことなく、取り外せた。
撮ってなかったけど、ターボ側のフレキシブルジョイント(スプリング付きのボルト)も同様に2連勝。
あとは、物理的にスライドさせて、外すだけ。
10
この通り、無事にエキパイだけを取り外すことができました。
11
FDXソケットを買ってしまえば、よくある市販のソケットとツイストソケット、両方とも要らなくなる感じ。
それだけでも驚きなのに、さらに困難な状況用に、Snap-Onはツイストソケットも販売しています。
これはもう、心をガッチリと鷲掴みにされてしまった感じ。
普通にちょっとパワーを掛ければゆるむような、普段使いには、今まで通り格安系の工具でも大丈夫だろうけど。
錆びて固着しちゃってる系の、ちょっと厄介そうな状況での第1選択は、Snap-OnのFDX。
あるいは……
これからは全部の作業で、ソケットはSnap-OnのFDXシリーズ1択。
今までの格安工具は、FDXのソケットに何かトラブルが起きた時に備えて、まとめてどこかに保管しておく。
そう割り切っちゃっても、いいのかもしれない。
これが今回の学びです。
===
私の場合は、ソケットに限らず、メガネレンチに限らず、色々な格安系工具を今まで買ってきちゃった。
それで、そういう使い分けみたいなことを考えて、書いてるけど。
DIYデビューしたばかりで、これから工具を買おうとしているなら、ソケットは最初からSnap-OnのFDXシリーズを買っちゃったほうがいいかも。
あなたの師匠は、別の考え方かもしれないから、そっちに従ったほうがいいかもだけど。
===
錆びたボルトやナット類をゆるめるのに失敗すると、ダメージが大きい。
ものすごい時間のロスとなる。
だから、そういう工具はしっかりそろえておいたほうがいい。
ラスペネ、ミニダクター、Snap-OnのFDX。
この3つだけでも、全能感とまでは言わないけど、錆びて固着したボルトやナット類への苦手意識はグッと小さくなりました。
(メガネレンチも、Snap-Onの精度でそろえておくと、さらに安心)
まぁ、そういう考え方、そういう選択肢もありますよ、ってことで。

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