蒲生八幡神社（姶良市・旧蒲生町）

蒲生氏の初代当主・蒲生舜清が保安4（1123）年、この地に下向し、生母が宇佐八幡宮の宮司家出身であった縁で八幡神を勧請し創建しました。当初は「正八幡若宮八幡宮」といいました。
戦国時代、島津氏との激しい戦いの末に蒲生氏は敗れて島津氏の軍門に下り、弘治3（1557）年蒲生氏はこの地を退去させられました。
その後島津義弘により社殿を再興され、元和4（1618）年12月には鳥居と額を奉建されました。
昭和60（1985）年、台風の被害により社殿は大破し、現在の社殿はその後再建したものです。また、台風被害の翌年の昭和61（1986）年から「蒲生八幡神社」と改名しました。
また、境内には国指定特別天然記念物「蒲生のクス」があります。
「蒲生のクス」は、昭和63（1988）年度の環境庁の巨樹・巨木林調査によって、 日本一の巨樹であることが証明されました。樹幹の下部には凹凸が多く、内部には直径 4.5m（約8畳敷）の空洞があります。
枝はりは四方に広がり、その壮観な様は、まるで怪鳥が空から降り立ったように見えます。
保安4（1123）年に蒲生院の領主であった蒲生上総介舜清が 豊前国宇佐八幡宮を勧請して、この地に正八幡若宮八幡宮を建立した際、すでに 「蒲生のクス」は神木として祀られていたといわれています。
伝説では、和気清麻呂が宇佐八幡の信託を奉上し大隅に流された時に 蒲生を訪れて、手にした杖を大地に刺したところ、それが根づき大きく成長したものが「蒲生のクス」だとも言われています。
また、出水地方に残る伝説では、悲しき恋物語によって「出水の大楠」と「蒲生のクス」は 互いに相思の楠であったとも言われています。
大正11（1922）年、国の天然記念物に指定され、昭和27（1952）年3月29日には国の特別天然記念物に指定されています。
平成4（1992）年、仲代達矢さんが演じるキリンラガービールのＣＭでロケ地となりました。
長い歳月や自然災害の影響で樹勢に衰退が見られたたため、旧蒲生町は、平成8（1996）年度から4ヶ年計画で国庫補助事業による「蒲生のクス」保護増殖事業を実施しました。
（現地説明板などより）

Photo Canon EOS 5D MarkⅢ
H26.7.19
住所: 鹿児島県姶良市蒲生町上久徳2259-1