大型二輪の免許を取り,家で寝ていたバイクのナンバーを取得したのは良いのですが。
なかなか乗る機会が少なく,全然慣れない今日のこの頃。
図体は本当に立派な,BMWの1100。
慣れないのは,この車体の大きさと重さ。
大型二輪の中では,まだ良心的とも言える車重らしいのですが(車両重量およそ240kg),
普段,カブやエストレヤに乗っている自分には,危険を感じる重さです・・・。
それに,シート高も高い。
三段階に調節できるといっても,一番下げても,かかとが浮くのが慣れません。
ちなみに,立ちゴケは都合2回してます・・・。
両側に大きく張り出した水平対向エンジンのヘッドが着地するので,起こしやすい角度で済むことと,おかげでボディがほぼ地面に設置しなくて済むのですが・・・。
といってこのまま敬遠していたのでは,バッテリーも上がってしまいます。
機会を見つけて乗っていかないと・・・・というわけで,ヒマを見つけては乗ってみることにしました。
それぞれ,違う日の画像ですが,ご勘弁ください。
まず,蛇足ですがBMWのハンドル周りを説明します。
エンジンスタートのセルは,右の緑のボタンです。
ウインカーは,この角度でも見づらいほどに,ハンドル両側スイッチの更に下に,左右別々に付いています。これが押しにくい。
ウインカーキャンセルは,右の下側にありますが,上に押し上げるスイッチなので最初気づかず,両ウインカーを同時押しでキャンセルしてました。これがきつい(笑)
他にも,色々謎のスイッチが付いていますが,まだよくわかっていないものもあります(笑)
まず練習先に選んだのは,郊外です。
流れの良い道路は,このバイクにはうってつけ。時速60kmは5速2000rpm程度で済みますし,1100の排気量のトルクは実に豊か。1500rpmあたりから実用トルクが得られるので,流している分には変速の必要がありません。
なお,サイドスタンドは,このバイクには不適で,あくまで一時用とのこと。水平対向エンジンのオイルの回り具合が偏ってしまうためだそうで,通常駐車の場合はセンタースタンドを使うべきとのことです。
でも,このバイクのサス形状のせいなのか,センタースタンドをかけるとフロントフォークがとんでもなく伸びて,しかも立ち気味になるので,個人的には写真写りが今ひとつだったりします。
それでは,街中に繰り出して,練習です。
まず,渋滞にはとにかく気を遣います。
一つ目,発進時。
1100もあるのに,エンストしやすいです。
それは,コンパクト化&軽量化の目的で乾式クラッチなのですが,このつながり具合が難しい。
ちょっと適当にレバーを戻すと唐突に動力が繋がってしまうのです。
大排気量の2気筒なので,1000rpmあたりはなんとか回っているだけで,実用域ではありません。トルクは1500rpmあたりから打って変わったかのように出始め,フラットで粘り強い特性が得られるのですが,ちょっとスロットルを開けるとそれ以上の回転数になるのでクラッチを傷めないかヒヤヒヤです。
しかも,クラッチレバーはなかなかの重さ。乾式クラッチの特性でもあります。
ダイソーのハンドグリップと比べると,15kgくらいの強さはある感じです。
ニュートラルに入れないで信号待ちを繰り返していると,握力がどんどん落ちていくのを感じます(笑)
そして,熱問題。
1100の排気量に対して,一応付いている純正のオイルクーラーは小さめ。
そしてメインはあくまで空冷で,どこにも冷却用の電動ファンがありません。
そうです,エンジンをかけたまま停車していると,いずれオーバーヒート・・・。
真夏に街中の渋滞を小1時間ほど通過しましたが,なんと,エキマニ周辺のカウルの表面が熱で波打ってしまいました。
幸い,それでも足の周辺など,ライダーは熱を感じにくくなっています(むしろエストレヤのほうが渋滞時熱く感じる)が,エンジン上部に位置する電装系にダメージが行きやすいとのこと。これは困った。
一度,有料駐輪場に停めてみたのですが,ちょっとした坂でもバイクを押して歩くのは本当に大変です。重いというのはここまで取り回しがきついんですね。
歩道の車止めも,間隔次第ではこのバイクは通れません・・・。
乗っていくうちに,このバイクにも少しずつ慣れてきたようです。
まるで,このBMWは「飛行機」のようだと思います。
エンジンをかけずに取り回すときは,まるで地上の飛行機のそれのように,本当に自由が効きません。
「離陸」や「着陸」の際も,結構気を遣います。車体の重さと,ナーバスで重いクラッチの特性は,慣れが必要です。
ところが,一度「飛び立つ」と,全く別の世界になります。
(父の青いK100RSと並んで撮影)
BMW全般に言えるのかもしれませんが,とにかく速度が出ると車体が「軽く」なります。
いつの間にかコーナー時に勝手に倒れ込んでいくし,切り返しも早い。
直進しているとき,多少の風にはびくともしませんし,全然お尻やハンドルまで揺れや振動が来ません。本当に地面に設置しているのか?と思うほどに安定しています。
正直,初めての大型バイクが何でBMWになってしまったのか,と最初思っていました。
国内には非常に魅力的なバイクメーカーがひしめき合っています。
しかも,こんな古いバイクに・・・と,少々失礼な気持ちもありましたが,
乗ってから,完全にその先入観が否定された気がします。
またもう少し,乗り慣れた頃に,インプレに挑戦してみたいと思います。