ジュネーブショウ2017レポート ピニンファリーナ

ジュネーブショウ2017レポートクライマックス第二弾！
イタルデザインに続くカロッツェリア＆デザインメーカーのピニンファリーナのレポートをお伝えします。
ピニンファリーナも２台体制で出展しております。



フィッティパルディEF7











往年のF1ドライバー、エマーソン・フィッティパルディとコラボレーションしたコンセプトモデル、ピニンファリーナ・フィッティパルディEF7。
デザインは、ピニンファリーナが担当し、ドイツのレース・エンジニア・カンパニーのHWAがメカニカルな設計を担当。EF7は2ピースのカーボンファイバー・タブと、4.8ℓV8エンジンに6速のヒューランド・ギアボックスが組み合わせられている。
昨年出展していたH2SPEEDののっぺりつるりんした水素燃料のレーシングモデルよりも、グラマーでリアリティがありますね。往年のフェラーリをデザインしていた頃のデザインを現代に蘇らせた感じがいいですね。

H600コンセプト















香港に拠点を置くEVカンパニーであるハイブリッド・キネティック・グループからのオーダーで製作されたＨ６００コンセプト。レンジエクステンダーＥＶで、タービン・エンジンを使用するハイブリッド・モデルで、モーターの出力は800psになる。
中国系メーカーからのオーダーなのに、ちゃんとピニンファリーナの流儀でデザインされているところが素晴らしいですね。フロントグリルは少々くどいですが、むしろ現行のマセラティのマスクよりも、本来ピニンファリーナがマセラティをデザインしていたらこうなっていたんじゃないかっていう繊細さやイタリアンセンスがありますね。テールエンドに向かっていく絞り方もリアフェンダーのキャラクターラインとの取り合いがうまく、繊細でいいですね。

総評
イタルデザインがＶＷグループに買われたのと違って、ピニンファリーナはインドのマヒンドラによって買収されたわけですが、インドや中国資本の買収はボルボやジャガー・ランドローバーの例を見ると「金は出すが口は・・・出すようでいて、任せている」ところがいいんでしょうが、ピニンファリーナはまだそこのところが読めません。でもＶＷグループに買収されたイタルデザインに比べれば飼い殺し状態にはならず、そこそこうまい提案ができているんじゃないでしょうか？
本来なら、同じイタリアのフィアットグループが面倒を見て、フェラーリなり、マセラティなり、アルファロメオのデザインをピニンファリーナに任せるべきなのに、下手にチェントレスティーレなんかにやらせてやらかしちゃっているんですから手に負えませんね。
イタルデザインは肝心のジウジアーロが去ってしまいましたが、ピニンファリーナは未だピニンファリーナ家がトップにいる分なんとか行けるんでしょう。
中国やインドの新興国メーカーも技術水準がもっと上がれば、ピニンファリーナのデザインもちゃんと活かせたクルマ作りができるようになります。なんでしたら、ミスターＧＴ－Ｒの水野さん率いる台湾のLUXGENとタイアップしたら、かなりヨーロッパでも通用しそうなクルマができそうですね。