ジュネーブショウ2017レポート イタルデザイン

昨晩のＶＷを最高潮にジュネーブショウ２０１７レポートもいよいよクライマックス。
ジュネーブショウと言えば、カロッツェリアやデザイン会社が多く出展するショウとして有名ですが、今夜はその中でも屈指のデザイン会社であるイタルデザインをご紹介いたします。



ゼロウノ(ZeroUno)















イタルデザインが、イタルデザイン・オートモビリ・スペチアーリという会社を新たに立ち上げて開発をしたスーパーカー、それがゼロウノである。
価格は£1,300,000(1.8億円)と言われ、開発にかかったコストが£2,000,000(2.8億円)になり、それが５台の限定生産されると言われている。
う～ん・・・これがかの有名なイタルデザインのスーパーカーと言われても、どう見てもランボルギーニのカスタムカーしか思えなかった。昨年ランボルギーニが出してきたチェンテナリオに似ているし、昨年イタルデザインが出してきたGTzeroの方がＥＶコンセプトという意味でもオリジナリティにあふれていてよかった。
パワートレインはアウディR8に搭載される5.2ℓV10ユニットを搭載し、クワトロ・システムもそのまま踏襲されているようです。
ジュネーブショウで出すには、期待外れで、東京オートサロンやドイツのエッセンショウのようなところでならイケるクルマかと・・・
ＶＷグループ内で、ベントレーなんかにデザインコンペで参加はしているようですが、市販モデルに採用されることはないですし、本来ならゴルフやアウディのＡ３あたりの最量販モデルのデザインを提案したり、それが無理ならその派生車種やセアトやシェコダと言ったグループメーカーに採用されるような提案をしてほしいですが、それも生産メーカー内部でデザインが完結してしまうので、イタルデザインが手掛けるのはもう無理なんでしょうね。残念です。

ＰＯＰ．ＵＰ









イタルデザインと航空機製造メーカーエアバスが共同開発して出展してきたのが、ドローンと合体し飛行する自動運転車ＰＯＯ．ＵＰである。
クルマ自体は、スマートのｆｏｒ ｔｏｗサイズのシティコミューターで、スマートフォンのアプリから自動運転で配車ができる仕組みになっている。それがさらに空港などの施設に到着すると、上からドローンが舞い降りてきて合体し、空へと飛び立てるようになっている。これなら陸上での渋滞に巻き込まれず、しかも空港での乗り換えもせずに目的地まで行けることが可能になる。
さらにこのクルマは鉄道内部に格納されてレールの上の移動も想定しているとのこと。
イタルデザインの生き残る道は、もうクルマだけじゃなく、クルマと他の交通手段とのコラボレーションをしていくことじゃないかと。
交通インフラを総合的に考えるデザイン会社であり、コンサルタント的なことをしていったほうがいいのかもしれない。

総評
今年ゼロウノ単体で出展していたら、イタルデザインは完全に終わっていたと思います。
エアバスと組んだＰＯＰ．ＵＰを出してきたからこそ、イタルデザインの将来を見せることができたと思います。ＶＷグループの将来だって、もうクルマ単体を売り続けることじゃないでしょう。そこで１０００万台が２０００万台に販売台数を伸ばして生き残ることができる保証なんてどこにもない。クルマがＥＶをはじめ電動化するってことは、クルマが社会の中で交通インフラになることじゃないでしょうか？
そのしんがりをイタルデザインに任せているとしたら、ＶＷは凄いと思います。
クルマだけじゃなく、乗り物だったら鉄道でも飛行機でも、船でもイタルデザインならイケると思います。イタルデザインのＬＲＴ、つまり路面電車なんか出てきたらいいですね。
なんか未来を見せてくれるモーターショウに久しぶりに出会たブースがイタルデザインでした。