オミクロン株の家庭内感染についての論文が発表されました

　デンマークでオミクロン株の家庭内感染の状況が調べられており、昨年12月27日に調査結果が発表されていますので参考までに情報提供します。
SarS-CoV-2 Omicron VOC Transmission in Danish Houseolds
　その結果は次の通りです。

○集計の概要（同居家族への２次感染率の比較）
　　　　　　　　オミクロン株　　デルタ株
ワクチン未接種　　　　29％　　　　28％　　←ワクチン未接種者の感染率は変わらない
ワクチン接種済　　　　32％　　　　19％　　←ワクチン接種済者の感染率は増加し、ワクチン未接種者と同様の比率に

○結論
　驚くべきことに、オミクロン株とデルタ株で顕著な違いは見出せなかった。
　これが導き出す結論は、オミクロン株が感染しやすくなっている真の原因は、オミクロン株の基本的な感染力が増加したということよりも、むしろ免疫回避によるもの（＝ワクチンが効かないということ）といえる。

(原文)
　Surpurisingly, we obserbved no significant difference between the SAR of Omicron versus Delta among unvaccinated individuals(Table 3). This indicates that the increased transmissibility of the Omicron VOC primary can be ascribed to immune evasion rather than an inherent increase in the basic transmissibility.

（解説動画）
https://www.youtube.com/watch?v=q6GcwszBr_U


　ちなみに、アメリカやイギリスで猛威を振るっているオミクロン株ですが、ワクチン接種率が25％しかない南アフリカでは、1日あたり感染者数がデルタ株とあまり変わらない状況にあるということも、上記論文を裏付けるものであるように私には思われます。